改訂新版 世界大百科事典 の解説
マルクス=レーニン主義研究所 (マルクスレーニンしゅぎけんきゅうじょ)
Institut Marksizma-Leninizma pri TsK KPSS
ソ連邦共産党の中央研究機関であった研究所。マルクス,エンゲルス,レーニンその他指導的共産主義者たちの著作や関連資料,ソ連邦共産党史資料などの収集,保存,出版を行ってきた。また共産主義理論,党建設,国際共産主義運動に関する諸文献の研究,出版も行っていた。研究所は,︵1︶マルクス,エンゲルス,レーニンの著作,︵2︶ソ連邦共産党史,︵3︶党建設,︵4︶科学的共産主義,︵5︶国際共産主義運動史,︵6︶支部および研究の調整,︵7︶中央党アルヒーフ,︵8︶図書館,︵9︶マルクス=エンゲルス博物館の諸部門を擁していた。ロシア共和国を除く14の共和国とモスクワ,レニングラードに計16の支部を有した。研究所の前身は1921年に創設されたマルクス=エンゲルス研究所と23年に創設されたレーニン研究所で,両研究所が合併して31年にマルクス=エンゲルス=レーニン研究所となった。ソ連邦共産党中央委員会付属マルクス=レーニン主義研究所という名称に改められたのは56年3月である。研究所は︽マルクス=エンゲルス全集︾︵第1版1928-47,第2版1954-66︶,︽レーニン全集︾︵1965年までに第1~第5版︶,37巻の︽レーニン選集︾,︽プレハーノフ著作集︾などを出版しており,57年以来︽ソ連邦共産党史の諸問題Voprosy istorii KPSS︾誌を発行していた。1991年社会主義理論歴史研究所と改称。
執筆者‥袴田 茂樹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報