デジタル大辞泉 「マールブルク学派」の意味・読み・例文・類語 マールブルク‐がくは【マールブルク学派】 新カント学派の一。カントの批判主義を論理主義的方向で展開し、数学・自然科学の基礎づけを試みた。代表者はコーエン・ナトルプ・カッシーラーなど。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「マールブルク学派」の意味・読み・例文・類語 マールブルク‐がくは【マールブルク学派】 (一)〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Marburger Schule の訳語。マールブルクはドイツ中西部の大学都市 ) 一九世紀後半から起こった新カント学派の一派。カントを論理主義の方向に発展させ、感覚的要因を課題として解釈し、学的認識とは純粋思惟が世界を産出していく無限の動的な過程であるとする思惟の一元論を主張した。コーエン、ナトルプ、カッシーラーらがその代表。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「マールブルク学派」の意味・わかりやすい解説 マールブルク学派【マールブルクがくは】 ドイツ語Marburger Schuleの訳で,新カント学派の中心的学派。カントの構成主義を発展させ,動的な純粋思惟(しい)の一元論を唱えることによって自然を歴史に媒介しようとした。創始者はマールブルク大学教授のH.コーエン。ナトルプ,カッシーラー,フォルレンダーらが代表者。 →関連項目ハルトマン|マールブルク 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
世界大百科事典(旧版)内のマールブルク学派の言及 【コーエン】より …ドイツの哲学者。新カント学派の一つであるマールブルク学派の創始者。客観的に存在する事物は自然法則に支配され,法則的に関連づけられているが,彼によれば,この法則的連関は事物を法則的論理的に関連づけて考える思惟の働きによって生み出される。… 【新カント学派】より …19世紀後半以降第1次世界大戦の時期にかけてドイツを中心として栄えた哲学上の学派で,カントの哲学を観念論の方向に徹底したうえで復興させることによって,当時盛んであった自然科学的唯物論や実証主義に対抗しようとしたものである。これに属する哲学者としては,その一派であるマールブルク学派のコーエン,ナトルプ,カッシーラー,西南ドイツ学派(バーデン学派)のウィンデルバント,リッケルト,ラスクなどがいる。マールブルク学派はカントに従って自然科学を重視するとともに,論理的構成主義の観念論の方向にカントの観念論を徹底した。… 【ナトルプ】より …ドイツの哲学者,教育学者。新カント学派の一つであるマールブルク学派に属する。彼は,思惟がその対象を生産すると考えたH.コーエンの影響を受け,固有の法則に従って自己のさまざまな対象を生み出していく働きとして意識をとらえ,学問,道徳,芸術,宗教などの文化全体を,意識のこうした働きによって内面的統一的に理解し基礎づけようとした。… 【マールブルク】より …マールブルク大学はヘッセン方伯フィリップが,1527年ドイツ初のプロテスタント大学として創設。新カント学派のマールブルク学派(コーエン,ナトルプ,カッシーラーら)によっても名高い。木組みの家の立ち並ぶ旧市街はラーン川にのぞむ山の斜面にあり,山上には12~15世紀建造のヘッセン方伯の居城がある。… ※「マールブルク学派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」