デジタル大辞泉 「三一」の意味・読み・例文・類語 さん‐ぴん【三▽一】 ︽﹁ぴん﹂は、︿ポルトガル﹀pinta︵点の意︶の音変化か︾ 1 二つのさいころに三と一の目が出ること。 2 ﹁三(さん)一(ぴん)侍(ざむらい)﹂の略。 3 ﹁三(さん)一(ぴん)奴(やっこ)﹂の略。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「三一」の意味・読み・例文・類語 さん‐ぴん【三一】 〘 名詞 〙 ( 「ぴん」は[ポルトガル語] pinto (点の意)の変化した語か )① さいころなどで三の目と一の目が出ること。[初出の実例]「是等のかけ引、三一(さンぴン)かつはらひ、一六かた目おろし」(出典:洒落本・舌講油通汚(1781))② 「さんぴんざむらい(三一侍)」または「さんぴんやっこ(三一奴)」の略。[初出の実例]「三(さン)ひんもかりないやうな門(かど)礼者」(出典:雑俳・川柳評万句合‐安永元(1772)信一) みつ‐が‐ひとつ︻三一︼ (一)〘 名詞 〙 三つのうちの一つ。また、三分の一。さんがいち。 (一)[初出の実例]﹁みつかひとつかにても、あらむかし﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶葵) 三一の補助注記 ﹁源氏﹂の例は、一説に四を婉曲に表わした︵三日の餠は四坏に盛るためとも、女君の年の数だけ作るので紫の上の一四歳を表わしたとも︶とする。 さん‐が‐いち【三一】 〘 名詞 〙 三つのうちの一つ。また、三分の一。[初出の実例]「長閑さや寒の残りも三ケ一〈利牛〉」(出典:俳諧・炭俵(1694)上) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「三一」の意味・わかりやすい解説 三一さんぴん すごろくや丁半賭博(ちょうはんとばく)で、2個のさいころの目が3と1になること、あるいは、めくりかるたで一の札︵ピン︶が3枚になることをいう。また江戸時代には、下級侍の三一侍を略して三一ともいう。身分の低い侍や若党の1年の扶持(ふち)が3両1分であったところからこの卑称があるとも、渡り奉公の中間(ちゅうげん)は年給3両一人扶持︵日に5合の玄米︶であったことに由来するとも、諸説がある。のちには﹁さんぴん野郎﹂といった、相手を侮っていうことばとして使われた。また、遊興費が夜は400文、昼は600文の下等娼家(しょうか)であった四六見世(みせ)を三一長屋ともいう。賽(さい)の目の4と6の裏がそれぞれ3と1であるところからこの異称があったといわれる。 ﹇棚橋正博﹈ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例