デジタル大辞泉 「北方限界線」の意味・読み・例文・類語 ほっぽう‐げんかいせん〔ホクパウ‐〕【北方限界線】 黄海上に設けられた韓国と北朝鮮の軍事境界線。朝鮮戦争終結後、1953年に在韓国連軍が北朝鮮と交渉せずに設定した経緯があるため、北朝鮮は公式には認めていない。1999年9月、北朝鮮は北方限界線の南側に新たな海上軍事境界線を設定し、北方限界線の撤廃を主張。付近の海域では、韓国の境界警備艦艇と北朝鮮の漁船警護艦艇などがたびたび衝突し、銃撃戦も起きている。NLL︵northern limit line︶。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
知恵蔵 「北方限界線」の解説 北方限界線 朝鮮半島を南北に分断する軍事境界線が、西の黄海上に延びるところに設定された﹁海上の事実上の軍事境界線﹂。朝鮮戦争休戦後の1953年、国連軍が大延坪(テヨンピョン)島などの北に設けた。毎年6月ごろ、付近はワタリガニの好漁場になるため、北朝鮮の漁船が越えて来て、漁船警護の北朝鮮艦艇と、NLL警備の韓国艦艇とがしばしば衝突する。99年6月に起こった銃撃戦の3カ月後、北朝鮮はNLLの無効を宣言、NLL南方に独自のライン設定を主張した。2007年10月の第2回南北(朝鮮)首脳会談で、NLLの南側にはみ出す形で﹁平和水域﹂を設定する考えに合意したが、実現は容易ではない。 (2008年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報