十字架(読み)ジュウジカ(英語表記)Staurós ギリシア語

デジタル大辞泉 「十字架」の意味・読み・例文・類語

じゅうじ‐か〔ジフジ‐〕【十字架】

 
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精選版 日本国語大辞典 「十字架」の意味・読み・例文・類語

じゅうじ‐かジフジ‥【十字架】

 

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(二) ()
(一)[](1872︿)
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(一)[](1896︿)
 

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「十字架」の意味・わかりやすい解説

十字架
じゅうじか
Staurós ギリシア語
cross 英語

十字に組み合わせた木を用いた処刑の道具。これによりイエス・キリストが処刑されたことから、キリスト教の象徴になる。

[鈴木範久]

苦難や死・罪からの解放


()使2()1038162412266()216120

 


礼拝の対象


()

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改訂新版 世界大百科事典 「十字架」の意味・わかりやすい解説

十字架 (じゅうじか)
Cross


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十字架」の意味・わかりやすい解説

十字架
じゅうじか
crux; cross

古代世界のあらゆる文化層において,装飾形態あるいは象徴形態などなんらかの印としてしばしば表わされている。なかでもエジプト美術においてはアモン神レーが上部に輪のついた十字架アンクを持つ図で表現されており,その十字架は永遠の生命を象徴するものであり,のちのキリスト教の十字架が意味するものと最も近い例である。東方においては古来,木で組まれた十字架は磔刑の道具であり,キリスト教ではキリストの磔刑を記念し,キリスト自身の印であると同時に信徒の信仰の印でもある。図像としては,(1) ギリシア形 (+) ,(2) ラテン形 (✝) ,(3) T字形,(4) アンデレ形 (×) の4種が基本形で,17~18に及ぶ変形がある。十字は,古代の各地域で太陽,火,生命の象徴として用いられていたが,初期キリスト教では墓標などに (3) がおもに描かれた。4世紀以前は迫害を恐れて暗示的代替物 (いかり,おの,卍など) が用いられ,画像忌避から十字の印を切ることが典礼的に行われた。4世紀,コンスタンチヌス大帝の十字架幻視,キリスト教公認,十字架磔刑廃止などを契機に,十字架は悪魔と死に対するキリストの勝利,信仰のシンボルとして旗,武具,紋章,葬祭具の装飾などに流行,教会建築にも十字架形が現れてきた。十字架像も5世紀頃盛んになり,その上のキリストの姿は東方形では袖なしの長衣を着,西方形では腰布だけの裸像が普通で,以後芸術的主題ともなっている。キリストの十字架発見 (320頃) は十字架崇敬を促進し,335年から9月 14日が聖十字架称賛の祝日となった。十字軍はこの聖十字架奪回をも目指すものであった。キリストの十字架は聖遺物として崇敬され,一般に十字架の印,ロザリオなどでは準秘跡として重視される。各教会堂では,十字架は献堂式,降福式,聖体行列に用いられ,またイエスの苦難を忍ぶ信心業として,イエスの裁判から埋葬までの 14場面をたどる十字架の道 (行) が行われる。プロテスタントでは一部宗派を除き,十字架は崇敬の具体的対象としては用いないが,キリスト信徒の印としては使用する。

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百科事典マイペディア 「十字架」の意味・わかりやすい解説

十字架【じゅうじか】

古代地中海世界の磔刑(たっけい)具。古くから諸民族に種々の形で存在し,十字架刑は最も残酷な重刑の一つであった。イエス・キリストの磔刑後キリスト教のシンボルとなり,人類救済の犠牲の祭壇,苦難また死と地獄に対する勝利を象徴する。カトリック教会では,コンスタンティヌス1世の母ヘレナの聖十字架発見(4世紀初め)の故事にちなみ5月3日を祝日としている。またカトリック信徒が聖別,祝別のために,手で額,胸,左肩,右肩の順に十字の形を描くが,これを〈十字架の印〉という。なお,イエスのゴルゴタの丘までの歩みを〈十字架の道行〉といい,作例の多い画題。
→関連項目十字

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「十字架」の解説

十字架(じゅうじか)
crux[ラテン],cross[英]


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デジタル大辞泉プラス 「十字架」の解説

十字架

 
20201044
2016  

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世界大百科事典(旧版)内の十字架の言及

【錨】より


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【市】より

…市場は町の中央にあり,石で舗装されている場合も多かった。北ドイツの都市の市場にはローラン(ローラント)の像が立っているが,これは都市の特権と自由のしるしであり,市場平和のしるしとしての十字架も同様の意味をもっており,ときには王が市場の自由を承認したしるしとして,この十字架に手袋がかけてあった。カール大帝以来開市権は王の大権(レガーリエン)に数えられ,王の特許状をえてはじめて市の開設が認められたからである。…

【木】より

…このカバラの木は,ルネサンス以降の神秘主義者たちに受け継がれ,超越的源泉からの宇宙の生成の象徴図となった。 このほか,ヨーロッパのメーポールMaypole,ナバホ・インディアンのアシ,日本における神道のサカキも,そこに神性が宿る宇宙軸のシンボルの一種であり,十字架も,このような中心のシンボリズムの発展の一つであるといえよう。
[生命と豊饒のシンボル]
 木はまた地母神のもつ豊饒な生産力の象徴となってきた。…

【キリスト教】より

…しかし,われわれが現在何の抵抗も感じないで使っている言葉のなかには〈世俗化〉されたキリスト教の用語が多くふくまれている。代表的なものとして〈十字架〉〈復活〉〈福音〉〈バイブル(聖書)〉〈三位一体〉〈洗礼〉〈終末〉〈天国〉などを挙げることができよう。これらの言葉がしばしばキリスト教的起源をはっきり意識しないで用いられている事実(たとえば苦痛や犠牲を〈十字架〉,必読書を〈バイブル〉などと比喩的に呼ぶ場合)は,ある意味でキリスト教の土着化のしるしとみなされよう。…

【十字架伝説】より

…キリストがかけられた十字架に関する初期東方伝説。アダムが死んだとき,その子セツSethは神の命により天国の生命の樹から三つの種子を採り,アダムの舌の下に置いた。…

【緑】より

…緑は生命の復活を示す色であり,成長と繁栄の色である。西洋中世の色彩芸術で,十字架につけられたキリストのその十字架がしばしば緑色であるのは,キリストの復活を象徴するものにほかならない。他方悪魔の体や眼を緑彩色することもまれにあり,これは悪魔の象徴とされる蛇が緑色だからだと説明される。…

※「十字架」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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