各国の古紙回収の傾向をみると、その国の社会と経済と文化が反映されているのがわかる。ここでは、アメリカ、ドイツ、日本の現状を解説するとともに今後の方向を考えたい。
[御田昭雄 2016年4月18日]
アメリカはおもに自国の針葉樹を用い、2013年時点で年間7375万トンの紙・板紙と4941万トンのパルプを生産し、一方、7181万トンの紙・板紙を消費している。世界有数の紙パルプの生産国であり、また輸入国でもある。アメリカにおける古紙の回収量は4579万トン、回収率は63.8%となっている。アメリカでは国内消費した古紙の残りをカナダや東南アジアなどの開発途上国に輸出している。アメリカの古紙は針葉樹古紙であるため、好適な製紙原料として用いられている。カナダに輸出された古紙は再生パルプとして新聞用紙などの製造に利用され、かなりの部分はアメリカに再輸入されているといわれている。このことは、古紙をカナダに委託加工してもらい、新聞用紙の形で輸入して再利用しているともいえよう。
[御田昭雄 2016年4月18日]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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