デジタル大辞泉
「壮士芝居」の意味・読み・例文・類語
そうし‐しばい〔サウシしばゐ〕【壮士芝居】
明治中期、自由党
の壮士や青年知識階級の書生が、自由民権思想を広めるために始めた演劇。明治21年︵1888︶に角(すど)藤(うさ)定(だの)憲(り)、同24年に川上音二郎が一座を興した。のち、新派劇に発展。書生芝居。
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そうし‐しばいサウシしばゐ【壮士芝居】
(一)〘 名詞 〙 明治時代、当時の壮士、書生などを主人公にして、自由民権思想を民衆に訴えるために始めた新演劇。後に新派劇となる。壮士演劇。書生芝居。
(一)[初出の実例]﹁近時世に流行する壮士芝居と称するものも﹂(出典‥風俗画報‐三三号︵1891︶論説壮士演劇)
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壮士芝居
そうししばい
明治前期に自由党壮士たちによって始められた演劇。書生芝居ともいい、後の新派劇発生の源流となった。1887年︵明治20︶の保安条令発布以来、政府の政治運動弾圧は厳しさを加え、政談演説が全面的に禁止された。そこで自由党壮士たちは官憲の取締りの盲点をつき、演劇を通じて自由民権思想を鼓吹し、大衆を啓蒙(けいもう)しようと思い立った。88年12月に、角藤定憲(すどうさだのり)、神原清三郎、横田金馬らが﹁大日本壮士改良演劇会﹂の名のもとに、大阪の新町座で最初の興行を催した。それ以来多くの若者たちが演劇に名を借りた政治活動に参加したが、時代の推移とともに彼らのなかから川上音二郎(おとじろう)、藤沢浅二郎(あさじろう)、佐藤歳三(としぞう)らが職業俳優として劇壇に確実な地位を築いていった。壮士俳優または書生俳優という呼び名は、歌舞伎(かぶき)など旧派の俳優に対して、知識階級出身の硬派の俳優という意味をもっていたが、彼らの芸が洗練されるにつれて新派俳優へと変わっていったのである。
﹇松本伸子﹈
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壮士芝居 (そうししばい)
明治20年代︵1887-96︶に自由民権運動の壮士が思想宣伝を目的として行った演劇の称。のちに一般には︿書生芝居﹀とも称され,新派の一起点となった。定説では1888年︵明治21︶12月3日,大阪の新町座で自由党壮士角藤定憲︵すどうさだのり︶らが︿大日本壮士改良演劇会﹀を開催し,︽耐忍之書生貞操佳人︵こらえのしよせいていそうのかじん︶︾︽勤王美談上野曙︾を上演したのが始まりといわれる。次いで91年2月堺の卯︵う︶の日座で︿書生芝居﹀の一座を組織した川上音二郎が︽経国美談︾︽板垣君遭難実記︾を上演,東京にも進出してオッペケペ節を流行させた。これらの芝居は,改良演劇とは名乗っていたものの,実質的には歌舞伎の模倣にとどまった。
執筆者‥野村 喬
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壮士芝居【そうししばい】
自由民権運動の壮士が民衆への政治思想宣伝と生活安定のために始めた演劇で,︿書生芝居﹀とも呼ばれた。1888年に自由党壮士角藤(すどう)定憲が大阪で︿大日本壮士改良演劇﹀と名のって旗揚げしたのが最初。1891年には川上音二郎が一座を組織し,︽経国美談︾︽板垣君遭難実記︾などの政治宣伝劇を上演,成功した。これらの動きがのちに新派劇に成長,発展する。
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壮士芝居
そうししばい
書生芝居とも。明治中期に壮士や書生が中心となって上演した演劇。自由党の壮士角藤(すどう)定憲が自由民権思想の普及を演劇の場を通して行うことを目的として始めた。川上音二郎も壮士芝居で活躍し,人気を得た。元来,素人芝居であるため粗雑であったが,形にとらわれない立回りや演説が大衆の心をつかんだ。結果として演劇改良の役割をもはたし,新しい演劇の形態をうむ契機となった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
壮士芝居
そうししばい
自由党壮士の芝居の意。自由民権運動の末期,政府の言論取締政策のなかで政治宣伝と糊口の資を得るため演劇改良も兼ねて演じたもの。 1888年 12月角藤定憲 (すどうさだのり) が中江兆民の後援を得て大阪で旗揚げしたのが最初。書生芝居もこの一種で,新派の祖とする考え方もある。
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壮士芝居
そうししばい
書生芝居ともいう。1888年自由党壮士角藤定憲 (すどうさだのり) が自由民権論宣伝のために大阪で上演したのが始まり。'91年川上音二郎も堺で上演し成功。のち新派劇に成長した。
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世界大百科事典(旧版)内の壮士芝居の言及
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