デジタル大辞泉 「大儀」の意味・読み・例文・類語 たい‐ぎ【大儀】 ﹇名・形動﹈ 1 即位式・朝賀など、朝廷で行われる最も重要な儀式。大典。→中儀 →小儀 2 重大な事柄。大事なこと。﹁大儀の前の小儀﹂ 3 やっかいなこと。また、そのさま。おっくう。めんどう。﹁今から出かけるのは大儀だ﹂ 4 疲れなどのため何もする気になれないこと。また、そのさま。﹁すわっているのも大儀そうに見える﹂ 5 他人の労をねぎらうときに用いる語。ご苦労。 ﹁﹃―じゃ﹄と、利仁が声をかける﹂︿芥川・芋粥﹀ 6 費用のかかること。また、そのさま。 ﹁縁付きの時分、さのみ―になきやうに、覚悟よろしき仕方なり﹂︿浮・胸算用・三﹀ [類語]︵1︶栄典・祝典・祝儀・祭典・祭礼・祭儀・大祭・大礼・大典・典礼・盛儀・儀式・式典/︵3︶面倒臭い・世話・煩雑・面倒・厄介・手(てか)数(ず)・手(てす)数(う)・複雑・煩(はん)瑣(さ)・難しい・うるさい・煩わしい・ややこしい・やかましい・くだくだしい・うっとうしい・こうるさい・気詰まり・しち面倒・しち面倒臭い・難儀・煩多・錯雑・錯(さく)綜(そう)・しち難しい・入り組む・込み入る・手が込む・気が重い・気が進まない・気乗り薄・うんざり・億(おっ)劫(くう)・渋る・投げ遣り・懶(らん)惰(だ)・横着・怠慢・怠惰・不精・懈(けた)怠(い)・飽き飽き・世話が焼ける・手が掛かる・冗長・繁簡・ごたごた・もつれる・入り乱れる・紛糾・ごっちゃ・乱雑・雑然 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「大儀」の意味・読み・例文・類語 たい‐ぎ【大儀】 (一)〘 名詞 〙 (二)① 重大な儀式。国家の儀式で、官人すべてが参列するもの。元日朝拝・即位礼および外国使節接見など。⇔小儀。 (一)[初出の実例]﹁大儀 謂三元日即位及受二蕃国使一﹂(出典‥延喜式︵927︶四五) (二)﹁当年三月七日に行ふべしと沙汰有しか共、大儀事行はれず﹂(出典‥太平記︵14C後︶二七) (三)② 表立った儀礼的な催し事。大がかりな法要や演能。 (一)[初出の実例]﹁序破急の心得、大義の申楽より初めて、酒盛、又はかりそめの音曲の座敷までも、次第次第を心得べし﹂(出典‥花鏡︵1424︶序破急之事) (四)③ ( 形動 ) 重大な事柄。大きな政治的事件や騒乱。大事なこと。また、そのさま。 (一)[初出の実例]﹁御上洛候て後、大儀の御計略を回(めぐ)らさるべし﹂(出典‥太平記︵14C後︶九) (五)④ ( 形動 ) 経費のかかる事柄。経費を多くかけること。ふんぱつすること。また、そのさま。 (一)[初出の実例]﹁大儀な御ふしんも大かたすむ﹂(出典‥虎明本狂言・三本柱︵室町末‐近世初︶) (六)⑤ ( 形動 ) やっかいなこと。困惑すること。めんどくさいこと。また、体調が悪くてつらいこと。また、そのさま。 (一)[初出の実例]﹁武衛斟酌、頗似二大儀一﹂(出典‥吾妻鏡‐仁治二年︵1241︶一一月三〇日) (二)﹁今朝は化粧をするのも太義(タイギ)だ﹂(出典‥人情本・春色梅児誉美︵1832‐33︶一五) (七)⑥ ( 形動 ) 他人の骨折りをねぎらい慰労することば。ごくろうさん。御苦労。 (一)[初出の実例]﹁唯今の御出で御大儀にて候﹂(出典‥大観本謡曲・葵上︵1435頃︶) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例