日本大百科全書(ニッポニカ) 「専門機関」の意味・わかりやすい解説
専門機関
せんもんきかん
specialized agencies
経済、社会、文化、労働、農業、通信、交通などの各専門分野における国際協力を促進するための国際機構。国際連合︵国連︶との連携関係の下に、国連が目的とする国際協力関係の諸事業を現実に担当している。専門機関は国連と連携協定を締結して、相互の代表交換、情報・資料の交換、議題の相互提案などを行っているが、個々の専門機関は国連とは別個の法人格を有する独立の国際機構である。
現在、専門機関としては、国際通貨基金︵IMF︶、国際復興開発銀行︵IBRD︶、国際金融公社︵IFC︶、国際開発協会︵IDA︶、国際投資紛争解決センター︵ICSID︶、多数国間投資保証機関︵MIGA︶、国連食糧農業機関︵FAO︶、国際農業開発基金︵IFAD︶、国連工業開発機関︵UNIDO︶、国際労働機関︵ILO︶、世界保健機関︵WHO︶、国連教育科学文化機関︵UNESCO︶、世界気象機関︵WMO︶、世界知的所有権機関︵WIPO︶、国際民間航空機関︵ICAO︶、国際海事機関︵IMO︶、万国郵便連合︵UPU︶、国際電気通信連合︵ITU︶および世界観光機関︵UNWTO︶の19がある。そのほか、かつて専門機関であった国際避難民機関︵IRO︶は第二次世界大戦の避難民の保護・救済任務終了とともに1952年に解散した。国際原子力機関︵IAEA︶および世界貿易機関︵WTO︶は専門機関と類似の機能を有しているが、連携協定は締結されていない。
日本は、これら19の専門機関のすべてに加入し、その大部分において常任理事国に選出されており、事業面、財政面においても大きな貢献を果たしている。
﹇横川 新﹈
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