少数民族問題(読み)しょうすうみんぞくもんだい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「少数民族問題」の意味・わかりやすい解説

少数民族問題
しょうすうみんぞくもんだい


national minorities

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出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「少数民族問題」の意味・わかりやすい解説

少数民族問題
しょうすうみんぞくもんだい
problem of national minorities

多民族国家などにおいて,少数民族が支配的多数民族による抑圧または同化政策から,自民族の社会的文化的特性と地位を守ろうとする共通意思をもって,多数民族との平等,自治,母国との統合,あるいは分離,独立などの政治的要求をもつ場合に起る問題をいう。それが母国や第三国の侵略的,膨張主義的な政策と結びついた場合には,国際的な紛争に発展する傾向がある。近代ナショナリズムの発展過程で,少数民族の犠牲による国民的統一が強行され,また戦争後の国境決定にあたり民族主義の原則が無視されたことなどのため,多くの少数民族問題が生じた。 1919年のパリ講和会議において,連合国は民族自決の原則に基づき,国際連盟理事会の保障のもとに,中東ヨーロッパ諸国と一連の少数民族保護条約を結んだ。しかし国際連盟の無力などのため,実際にはほとんど効果をあげられなかった。第2次世界大戦後,国連は人権擁護という形で少数民族の権利を保障し (国連憲章,世界人権宣言,ジェノサイド条約など) ,経済社会理事会に「差別撤廃と少数者の保護に関する分科委員会」を設けた。多くの少数民族をかかえるソ連,中国などでは,その独自性を尊重しつつ,自治の拡大に努めてきたが,根本的には解決されていない。特に,冷戦体制が崩壊したのを契機に各国・各地域において少数民族の自立運動が噴出,ユーゴスラビアの解体やアゼルバイジャンにおけるナゴルノカラバフ紛争に象徴される民族的憎悪に駆られた悲惨な衝突も起っている。少数民族問題は民族的偏見に結びつきやすく,多くの国々はその処理に苦慮している。

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世界大百科事典(旧版)内の少数民族問題の言及

【少数民族】より

…したがって,少数民族紛争は民族のアイデンティティを求める紛争であるとともに,他の政治的・社会的争点をあわせもつことが多いのである。 東南アジアの少数民族問題は,モンゴロイド人種という同一人種内部のエスニック集団間の様相を示すと同時に,少数民族が部族的なまとまりをもつ点に特徴がある。中華人民共和国は,総人口の約94%を漢民族が占め,その他50余種の少数民族からなる。…

【民族】より


ethnos()ethnic groupethnic unit()1

※「少数民族問題」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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