デジタル大辞泉 「層序学」の意味・読み・例文・類語 そうじょ‐がく【層序学】 地層の層序・分布・岩質・含有化石などを研究して地層を区分し、さらに他地域との対比を行い、地球の歴史、特に時間的な前後関係を明らかにする地質学の一分野。層位学。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「層序学」の意味・わかりやすい解説 層序学そうじょがくstratigraphy 地質学の基本的な分野の一つで、地層の層序・時代・分布や、岩質、物理的・化学的性質、地層に含まれる化石までも含めた地層に関するすべてを扱う学問。地層学、層位学とよばれることもある。ある地域で得られた地層の層序や岩相を基にして、堆積(たいせき)環境や地史を明らかにする。また他地域で得られた層序と対比することにより、より広域な地質現象を把握することができる。 層序学の基本である地層累重の法則は、堆積した地層は下位のものより上位のものが新しい、ということを意味している。過去の地層では地層が逆転している場合もあり、現在の見かけの上位が真に堆積時の上位であるとは限らない。そこで堆積構造などに着目して、地層の堆積時の積み重なり順序、すなわち層序を明らかにし、それぞれの地層がどういう岩質からなるかを明らかにしなければならない。この点で層序学は、堆積学や堆積岩岩石学と深くかかわっている。とくに地質構造の複雑な地域では、構造地質学的手法を用いて層序を明らかにできることもある。また、地層の時代を明らかにする場合には、含有化石の研究が不可欠であり、逆に層位古生物学の進展のために層序学が貢献することもできる。時代決定に有効な化石帯の順序を扱う分野は、生層序学とよばれる。また古環境の推定という点でも、層序学と古生物学とは切り離せない。さらに地層は、火山岩や深成岩、変成岩とも不整合、貫入、接触変成などいろいろな関係でかかわりをもつため、地層以外のものも層序学で扱われる。 ﹇村田明広﹈ ﹃柴田秀賢著﹃地質学入門﹄︵1969・朝倉書店︶﹄▽﹃庄司力偉著﹃堆積学﹄︵1971・朝倉書店︶﹄▽﹃藤本治善・柴田秀賢著﹃地質学ハンドブック﹄︵1977・朝倉書店︶﹄▽﹃間島隆一・池谷仙之著﹃古生物学入門﹄︵1996・朝倉書店︶﹄▽﹃狩野謙一・村田明広著﹃構造地質学﹄︵1998・朝倉書店︶﹄▽﹃ジョニー・N・ムーア、ウィリアム・J・フリッツ著、原田憲一訳﹃層序学と堆積学の基礎﹄︵1999・愛智出版︶﹄ [参照項目] | 化石 | 岩質 | 岩石学 | 岩相 | 構造地質学 | 古生物学 | 斜交層理 | 層序 | 堆積 | 堆積学 | 堆積岩 | 地質 | 地質学 | 地層 | 地層累重の法則 | 不整合 | 変成岩 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例