崩れる（読み）クズレル

デジタル大辞泉 「崩れる」の意味・読み・例文・類語

くず・れる〔くづれる〕【崩れる】

 
﹇動ラ下一﹈﹇文﹈くづ・る﹇ラ下二﹈
1 まとまった形をし、安定していたものが、支える力を失ってこわれる。また、こわれてばらばらになる。﹁がけが―・れる﹂﹁積み荷が―・れる﹂
2
㋐整っていた形や状態が乱れる。﹁人垣が―・れる﹂﹁隊形が―・れる﹂
㋑整った、好ましい形や状態が悪くなる。﹁姿勢が―・れる﹂﹁生活態度が―・れる﹂﹁信頼関係が―・れる﹂
3 天気が悪くなる。﹁天候は午後からしだいに―・れるでしょう﹂
4 同額の小銭に替えられる。﹁一万円札が―・れますか﹂
5 相場などが急落する。﹁値が―・れる﹂
[類語]︵1︶潰(つい)える・雪(な)崩(だ)れる・崩落する・崩壊する・瓦(がか)解(い)する・土(どほ)崩(う)瓦解する・潰れる・破れる／︵2㋐︶乱れる・散(ばら)ける・潰(かい)乱(らん)する・かき乱す・乱す・崩す・破綻／︵3︶曇る・ぐずつく・荒れる・しける・時化・大荒れ・荒れ模様・荒天・悪天候・暴風雨・嵐  

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精選版 日本国語大辞典 「崩れる」の意味・読み・例文・類語

くず・れるくづれる【崩】

 

(一)〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙 
[ 文語形 ]くづ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
 (二)① 山、崖、または、建造物などが部分的にこわれ落ちる。また、全体がばらばらになる。
(一)[初出の実例]﹁﹃此の山は、踰(ふ)めば崩(くづ)るべし﹄とのりたまひき﹂(出典‥播磨風土記︵715頃︶讚容)
 (二)﹁長雨についぢ所々くづれてなむと聞き給へば﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶須磨)
 (三)② 積まれたり束ねられたりして整った状態にあったものが乱れる。
(一)[初出の実例]﹁夏の夜や崩(くづれ)て明(あけ)し冷し物︿芭蕉﹀ 露ははらりと蓮の椽先︿曲翠﹀﹂(出典‥俳諧・続猿蓑︵1698︶上)
 (四)③ 集まっていた人々がばらばらに去る。解散する。
(一)[初出の実例]﹁踊はくづれ桶夜更て化物﹂(出典‥浮世草子・好色五人女︵1686︶二)
 (五)④ 戦闘で、整った陣形が乱れる。敗れ散る。
(一)[初出の実例]﹁梁の軍がくづれたぞ﹂(出典‥玉塵抄︵1563︶五)
 (六)⑤ 服装や姿勢が乱れる。態度や礼儀がだらしなくなる。
(一)[初出の実例]﹁人知れぬ涙の河の瀬を早みくつれにけりな人目つつみは﹂(出典‥無名抄︵1211頃︶)
 (二)﹁居ずまひの崩れてゐたのが、きちんと坐り直して﹂(出典‥大阪の宿︵1925‐26︶︿水上滝太郎﹀一五)
 (七)⑥ 秩序や調子、様子などで、正常のもの、安定したもの、整ったものが乱れる。
(一)[初出の実例]﹁きしうつなみとも、かかれたは、くつれて、ものやおもふらん﹂(出典‥説経節・をくり︵御物絵巻︶︵17Ｃ中︶五)
 (二)﹁珠吉三八も大きに酔ふて、坐も崩(クヅ)るるに至りしとき﹂(出典‥人情本・花筐︵1841︶初)
 (八)⑦ 安定していた天候が悪くなり、雨や雪が降る。
(一)[初出の実例]﹁少しく空模様が崩れて来てゐた﹂(出典‥闘牛︵1949︶︿井上靖﹀)
 (九)⑧ 同額の小銭に替わる。
 (十)⑨ 取引市場で、相場が下落する。
(一)[初出の実例]﹁相場は凄じく崩(クズ)れて行った﹂(出典‥金︵1926︶︿宮嶋資夫﹀八)
  

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デジタル大辞泉プラス 「崩れる」の解説

崩れる

赤川次郎の長編ホラー・サスペンス。1997年刊行。

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