デジタル大辞泉 「荒れる」の意味・読み・例文・類語 あ・れる【荒れる】 ﹇動ラ下一﹈﹇文﹈あ・る﹇ラ下二﹈ 1 風・波・天候などが穏やかでなくなる。﹁海が―・れる﹂ 2 態度・行動などが穏やかでなくなる。乱暴になる。﹁酒を飲んで―・れる﹂ 3 建物・土地などが手入れされずに荒廃する。﹁庭が―・れる﹂ 4 生活や心などがすさんで潤いがなくなる。﹁生活が―・れる﹂ 5 脂気が少なくなって皮膚がかさかさになる。﹁手が―・れる﹂ 6 物事の進行状態がふつうではなくなる。もめる。また、勝負などが予想外の結果になる。﹁会議が―・れる﹂﹁―・れた試合﹂ 7 相場が激しく変動する。 8 座が白ける。興味がそがれる。 ﹁御遊もはや―・れにけり﹂︿平家・五﹀ [類語]︵1︶崩れる・ぐずつく・しける・時化・大荒れ・荒れ模様・荒天・悪天候・暴風雨・嵐/︵2︶荒らす・すさむ・すさぶ・焦慮・苛立ち・焦燥・焦る・せく・急き込む・気が急く・逸る・テンパる・焦心・苛立つ・かりかり・じりじり・やきもき・むしゃくしゃ・むずむず・うずうず・じれる・苛つく・業を煮やす・痺れを切らす・歯痒い・じれったい・もどかしい・辛気臭い・苛立たしい・まだるっこい・まどろっこい・躍起・隔靴掻痒・いらいら・尖る・手ぬるい・生ぬるい・のろ臭い・間(まだ)怠(る)い・間(まだ)怠(る)こしい・煮え切らない・うやむや・あやふや・漠然・おぼろげ・曖昧・どっちつかず・要領を得ない・ぬらりくらり・ぬらくら・のらりくらり・のらくら・ぼやかす・無節操・洞ヶ峠・言を左右にする・言葉を濁す・小心・弱気・引っ込み思案・気弱・内弁慶・陰弁慶・臆病・大人しい・こわがり・内気・怯(きょ)懦(うだ)・怯(きょ)弱(うじゃく)・意気地なし・小胆・小心翼翼・弱腰・薄弱・惰弱・柔弱・軟弱・優柔不断・柔い・柔(やわ)・弱弱しい・女女しい・弱音を吐く・音を上げる・悲鳴を上げる・気が弱い・腰が弱い・肝が小さい・肝っ玉が小さい/︵3︶あばら・荒れ果てる・荒廃 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「荒れる」の意味・読み・例文・類語 あ・れる【荒】 (一)〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]あ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 (二)① 勢いはげしく動く。 (一)(イ) 風、波、天候などが穏やかでなくなる。 (一)[初出の実例]﹁風吹きて海は荒(あ)るとも明日と言はば久しかるべし君がまにまに﹂(出典‥万葉集︵8C後︶七・一三〇九) (二)﹁日いみじうあれ、︿略﹀風おそろしく吹きなどするを﹂(出典‥大鏡︵12C前︶二) (二)(ロ) 人、動物などがはげしくあばれる。また、乱暴をはたらく。 (一)[初出の実例]﹁あるるいくさ、けだものも、この主にはしづまりぬ﹂(出典‥宇津保物語︵970‐999頃︶藤原の君) (二)﹁テングガ aruru(アルル)﹂(出典‥日葡辞書︵1603‐04︶) (三)(ハ) 相場がはげしく変動する。 (三)② 手入れが悪かったり、乱暴に使ったりして、土地や建物がいたみ、損なわれる。荒廃する。 (一)[初出の実例]﹁八田(やた)の 一本菅(ひともとすげ)は 子持たず 立ちか阿礼(アレ)なむ あたら菅原﹂(出典‥古事記︵712︶下・歌謡) (二)﹁高円(たかまと)の野の上の宮は安礼(アレ)にけり立たしし君の御代遠そけば﹂(出典‥万葉集︵8C後︶二〇・四五〇六) (四)③ 気持や生活などに、ゆとりやうるおいがなくなる。すさむ。﹁生活が荒れる﹂ (一)[初出の実例]﹁家にあづけたりつる人の心もあれたるなりけり﹂(出典‥土左日記︵935頃︶承平五年二月一六日) (五)④ 争いや騒ぎなどで、物事の進行状態がふつうでなくなる。また、勝負などが予想外の進みぐあいになる。﹁会議が荒れる﹂﹁試合が荒れる﹂ (一)[初出の実例]﹁公卿殿上人も、こはいかにこはいかにとさはがれければ、御遊(ぎょゆう)もはや荒(あれ)にけり﹂(出典‥平家物語︵13C前︶五) (六)⑤ 肌などがなめらかでなくなることにいう。かさかさしている。 (一)[初出の実例]﹁炭団を丸めるのもいいが手があれるし﹂(出典‥売花翁︵1893︶︿斎藤緑雨﹀) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例