デジタル大辞泉 「巡る」の意味・読み・例文・類語 めぐ・る【巡る/▽回る/×廻る】 ﹇動ラ五︵四︶﹈ 1 周囲をまわる。周囲に沿って進む。﹁池を―・る﹂ 2 周囲を取り囲む。取り巻く。﹁城の周りを堀が―・る﹂ 3 あちこちまわり歩く。巡回する。﹁諸国を―・る﹂ 4 まわって再びもとに返る。﹁春がまた―・ってくる﹂﹁―・る月日﹂ 5 ある事柄を中心としてそのことに関連する。﹁環境問題を―・って話し合う﹂﹁一人の女性を―・って争う﹂ 6 一点を中心として回転する。 ﹁︵水車ガ︶大方―・らざりければとかく直しけれども﹂︿徒然・五一﹀ 7 輪(りん)廻(ね)する。 ﹁深き契りある仲は、―・りても絶えざなれば﹂︿源・葵﹀ 8 この世に生きる。世の中に交わる。 ﹁我かくてうき世の中に―・るとも誰かは知らむ月のみやこに﹂︿源・手習﹀ →回(まわ)る﹇用法﹈ [可能]めぐれる [類語]︵2︶ぐるっと・ぐるり・囲む・取り巻く・囲う・巡らす・取り囲む・張り巡らす・包囲・囲(いじ)繞(ょう)・遠巻き/︵3︶回る・経巡る・渡り歩く・巡回・巡行・遍歴・回転・旋回・回す・巡らす・一巡り・一巡・一回り・一周・半周・周回・転回・流れ歩く・流れ渡る・うろつく・二転三転・彷(ほう)徨(こう)・流(るろ)浪(う)・漂流・回歴・転転/︵5︶関わる・関する・当該・当事・からむ・関係・関連・連関・連係・相関・関与・交渉・係(かか)わり・繋(つな)がり・結び付き・掛かり合い・引っ掛かり・絡み・係(かか)る・まつわる・係(かかずら)う・与(あずか)る・掛かり合う・係わり合う・かまける・掛かりっ切り 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「巡る」の意味・読み・例文・類語 めぐ・る【巡・廻・回】 (一)〘 自動詞 ラ行五︵四︶ 〙 (二)① あるものを中心にして、円を形づくる。物の周囲をひとまわりするようにとりかこむ。 (一)(イ) 平面的にぐるりとかこむ。 (一)[初出の実例]﹁射水川 いゆき米具礼(メグレ)る 玉くしげ 二上山は﹂(出典‥万葉集︵8C後︶一七・三九八五) (二)﹁宮を環(メクリ)て城を築いて﹂(出典‥大唐西域記巻十二平安中期点︵950頃︶) (二)(ロ) 立体的に回転する。 (一)[初出の実例]﹁日は︿略﹀此の経王の力に由りて、暉を流して四天を遶(メグル)﹂(出典‥西大寺本金光明最勝王経平安初期点︵830頃︶九) (二)﹁つばくらめ子産まむとする時は尾をささげて、七度めぐりてなむ産み落すめる﹂(出典‥竹取物語︵9C末‐10C初︶) (三)② 周囲をまわる。一定の経路を経て移動する。 (一)(イ) 移動して、一巡する。 (一)[初出の実例]﹁輪宝前に道びきたるを後に余の宝随ひて四大洲を巡(メグル)﹂(出典‥地蔵十輪経元慶七年点︵883︶八) (二)﹁さかづきのめぐりくるもかしらいたく覚ゆれば﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶若菜下) (二)(ロ) 読経などしながら仏像のまわりを歩く。行道(ぎょうどう)する。 (一)[初出の実例]﹁馬、自づからに寺の金堂に行道(メクル)﹂(出典‥日本書紀︵720︶斉明四年一一月︵北野本訓︶) (三)(ハ) 一定の軌道に乗って、あるいは、一定の経路の中を移動する。循環する。 (一)[初出の実例]﹁地球は日を周(メグ)りて転じ月は地球に随ひて環(メグ)る﹂(出典‥小学入門︵甲号︶︵1874︶︿民間版﹀) (四)(ニ) あることを中心としてそれに関連する。まつわる。﹁そのことをめぐって議論する﹂ (一)[初出の実例]﹁母の言葉の放った光りに我身を縈(メグ)る暗黒を破られ﹂(出典‥浮雲︵1887‐89︶︿二葉亭四迷﹀三) (四)③ あちこちに移動する。 (一)(イ) あちこち歩きまわる。あちこち動きまわる。 (一)[初出の実例]﹁国米具留(メグル)獦子鳥(あとり)鴨(かま)鳧(けり)行きめぐり帰(かひ)り来までに斎(いは)ひて待たね﹂(出典‥万葉集︵8C後︶二〇・四三三九) (二)﹁既に祭行、介山に遊き、安邑を回(メクル)﹂(出典‥漢書楊雄伝天暦二年点︵948︶) (二)(ロ) 思いや考えが去来する。あれこれと考える。 (一)[初出の実例]﹁興望は旅中にあれば、感腸頻に廻て、思、休みがたし﹂(出典‥海道記︵1223頃︶橋本より池田) (五)④ 時が一定の法則によって経過する。時が周期的に到来する。再びその時になる。 (一)[初出の実例]﹁年月のめぐりくるまのわになりて思へばかかるをりもありけり﹂(出典‥蜻蛉日記︵974頃︶下) (六)⑤ 時間を経過して再びその状態になる。幾度もこの世に生まれてくる。輪廻する。 (一)[初出の実例]﹁おとど・宮なども、深き契ある中は、めぐりても、絶えざなれば﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶葵) (七)⑥ ( ﹁世にめぐる﹂の形で ) この世に生きる。俗世に生きている。 (一)[初出の実例]﹁われかくてうき世の中にめぐるともたれかは知らむ月の都に﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶手習) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例