デジタル大辞泉 「転回」の意味・読み・例文・類語 てん‐かい〔‐クワイ〕【転回】 ﹇名﹈(スル) 1 ぐるりと回ること。また、回すこと。回転。 2 向きが変わること。また、向きを変えること。﹁船の進路が180度転回する﹂ 3 方針などが大きく変わること。また、方針などを大きく変えること。﹁増税から減税にと政策が転回する﹂ 4 体操で、からだを回転させる運動。前方転回・後方転回・空中転回など。 5 和音で、根音以外の音が最下声となるように、音の上下関係を置き換えること。﹁ドミソの和音をミソドに転回する﹂ [類語]︵1︶回る・巡る・回る・巡る・経巡る・渡り歩く・巡回・巡行・遍歴・回転・旋回・回す・巡らす・一巡り・一巡・一回り・一周・半周・周回/︵3︶逆転・裏返す・ひっくり返す・覆す・翻す・倒す・跳ね返す・転覆・逆様 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「転回」の意味・読み・例文・類語 てん‐かい‥クヮイ【転回】 (一)〘 名詞 〙 (二)① めぐりまわること。また、ぐるっとまわすこと。回転。︹いろは字︵1559︶︺ (一)[初出の実例]﹁洞の周囲は︿略﹀種々の宝玉、転廻畳曲し、千状万態の奇壁を為す﹂(出典‥漂荒紀事︵1848‐50頃︶四) (三)② 方向などを転じること。また、方向がかわること。 (一)[初出の実例]﹁世の風潮を転廻するは豈に容易ならんや﹂(出典‥泣かん乎笑はん乎︵1890︶︿北村透谷﹀) (四)③ 器械体操の一つで、マット上で身体を回転させること。また、その運動。前方転回・後方転回・側方転回・空中転回などがある。 (五)④ 西洋音楽の音程で、下の音がオクターブ上に、または上の音がオクターブ下におきかえられ、長音程が短音程に、短音程が長音程に、また、増音程が減音程に、減音程が増音程にかわること。音程の転回。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「転回」の意味・わかりやすい解説 転回てんかいinversion 音楽用語。音の上下の関係を逆にすること。音程,和音,旋律の転回がある。 (1) 音程の転回 音程を構成する音のうち,高いほうをオクターブ下に,あるいは低いほうをオクターブ上にする。その場合の音程度数は9から初めの音程の度数を引いたものになり,性格は完全 ⇔ 不完全,長 ⇔ 短,増 ⇔ 減に変化する。 (2) 和音の転回 和音の最下音に根音以外の音をおく場合。三和音の場合は第1転回により六の和音,第2転回により四六の和音となり,七の和音は第1転回により五六の和音,第2転回により三四の和音,さらに第3転回では二の和音を生じる。 (3) 旋律の転回 反行とも呼ばれ,旋律の上下行の動きを逆にする。フーガやカノンの重要な対位法的技法の一つであり,12音音楽における基本的手法の一つ。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報