デジタル大辞泉 「巻層雲」の意味・読み・例文・類語 けんそう‐うん【▽巻層雲/絹層雲】 十種雲形︵雲級︶の一。薄いベール状の白い雲。氷晶の集まりで、ふつう5~13キロの高さに現れる。太陽や月にかかると暈(かさ)を生じることが多い。略号はCs。薄雲。→雲級 [類語]雲・巻雲・巻積雲・高積雲・高層雲・乱層雲・層積雲・層雲・積雲・積乱雲 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「巻層雲」の意味・読み・例文・類語 けんそう‐うん【巻層雲】 (一)〘 名詞 〙 上層雲の一種。氷晶から成り、白い薄もののようにかかる。月や太陽がすけて見え、かさを生じる。︹現代語大辞典︵1932︶︺ 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「巻層雲」の意味・わかりやすい解説 巻層雲けんそううんcirrostratus 記号Cs。対流圏上部︵日本付近では高度5~13キロメートル︶に発生するベールのような薄い雲。空の半分、または一面に広がることがある。おもに氷晶からできているが、過冷却水滴が含まれていることもある。このため、飛行機が巻層雲の中を通過すると着氷が生じることがある。 巻層雲は注意して見ると筋が見えることもあるが、薄い場合には雲が見えない。しかし、ハローhalo︵太陽や月の暈(かさ)、幻日、幻月などの光学現象︶が見られるので、巻層雲の存在がわかる。巻層雲は温暖前線面に沿って発生することが多い。﹁日暈(ひがさ)、月暈は雨の兆し﹂といわれるように、天気が崩れる前兆とされるのはこのためである。繊維のような形が見える毛状巻層雲と、ベールのような感じの霧状巻層雲に分類されている。なお、気象庁は1964年︵昭和39︶、﹁巻﹂は﹁けん﹂とは読まないとした当用漢字音訓表にあわせるため表記を﹁絹層雲﹂に改めた。しかしその後、1981年に制定された常用漢字表では﹁巻﹂を﹁けん﹂と読むことが認められたため、1988年4月1日に従来の表記に戻された。 ﹇木村龍治﹈ ﹃高橋健司著﹃Cloud――造形美の競演﹄︵1998・誠文堂新光社︶﹄▽﹃山田圭一撮影﹃雲の四季﹄︵1999・白水社︶﹄ [参照項目] | 温暖前線 | 暈 | 雲 | 対流圏 | 氷晶 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「巻層雲」の意味・わかりやすい解説 巻層雲【けんそううん】 絹層雲とも書く。上層雲の一つで,透き通った白いベール状の雲。氷晶からなり,太陽や月にかかる暈(かさ)が現れることが多い。通常5000〜1万3000mの高さに現れる。十種雲形の一つで,国際式略記号はCs。 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「巻層雲」の意味・わかりやすい解説 巻層雲けんそううんcirrostratus 上層雲に属し,白色のベールのような毛状の雲。略号Cs。氷晶からなり通常5~13kmの高さに現れるが,極地方では3~8km,熱帯地方では6~18kmに現れる。陰影はなく全天を覆うことが多い。日の暈,月の暈を生じ,一両日中に天気が崩れることが多い。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報