デジタル大辞泉 「巻雲」の意味・読み・例文・類語 けん‐うん【▽巻雲/絹雲】 十種雲形︵雲級︶の一。繊維状に散らばった白い雲。ふつう5~13キロの高さに現れる氷晶の集まり。略号はCi。筋(すじ)雲(ぐも)。→雲級 [類語]雲・巻積雲・巻層雲・高積雲・高層雲・乱層雲・層積雲・層雲・積雲・積乱雲 まき‐ぐも【巻(き)雲/×捲き雲】 ⇒けんうん(巻雲) 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「巻雲」の意味・読み・例文・類語 けん‐うん【巻雲】 (一)〘 名詞 〙 上層雲の一つ。最も高度の高い氷晶雲で、ふつう五~一三キロメートルの範囲に生ずる。繊細な絹糸、または真綿状の外観をもつもの。一時、﹁絹雲﹂と書かれたこともあったが、積雲、層雲とともにアクション、もしくは状態をあらわす言葉として術語的には﹁巻雲﹂に統一されている。︹英和和英地学字彙︵1914︶︺ 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「巻雲」の意味・わかりやすい解説 巻雲けんうんcirrus 晴れた日に、空高く、刷毛(はけ)でこすった跡のような形の白い雲が見えることがある。これが巻雲である。記号Ci。対流圏上部︵日本付近では高度5~13キロメートル程度︶に発生する氷晶雲で、羽毛のように見えるのは、氷晶が落下しながら風にたなびいているためである。 巻雲の発生は、巻積雲、高積雲から落下する氷晶がもとになる場合、積乱雲の雲頂から吹き上げられた氷晶︵鉄床雲(かなとこぐも)︶がもとになる場合、巻層雲が消える直前に残った氷晶がもとになる場合などがある。巻雲の形は、直線状、または多少もつれた毛状巻雲、先端が釣り針のように曲がっているかぎ状巻雲、ある程度の広がりをもった濃い濃密巻雲、先端に積雲のような塊のついている塔状巻雲、積雲のような塊が房のように集まった房状巻雲に分類されている。ジェット気流の近くには独特の形の巻雲︵ジェット気流雲︶が発生する。なお、気象庁は1964年︵昭和39︶、﹁巻﹂は﹁けん﹂とは読まないとした当用漢字音訓表にあわせるため表記を﹁絹雲﹂に改めた。しかしその後、1981年に制定された常用漢字表では﹁巻﹂を﹁けん﹂と読むことが認められたため、1988年4月1日に従来の表記に戻された。 ﹇木村龍治﹈ ﹃高橋健司著﹃Cloud――造形美の競演﹄︵1998・誠文堂新光社︶﹄▽﹃山田圭一撮影﹃雲の四季﹄︵1999・白水社︶﹄ [参照項目] | 雲 | 巻積雲 | 巻層雲 | 高積雲 | ジェット気流雲 | 積乱雲 | 対流圏 | 氷晶 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「巻雲」の意味・わかりやすい解説 巻雲【けんうん】 絹雲とも書く。上層雲の一つ。繊維状に散らばった白い雲で,糸状のもの,布切状のもの,細い帯状のもの,毛髪状のものなどいろいろある。通常5000〜1万3000mの高さに現れ,雲粒はすべて氷晶である。十種雲形の一つで,国際式略記号はCi。 →関連項目真珠雲|夜光雲 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「巻雲」の意味・わかりやすい解説 巻雲けんうんcirrus 上層雲に属し,繊維状をした雲。略号Ci。一般に白色でかぎ状,直線状,糸状で離ればなれになっており,地上の陰影はない。房状の厚みのある巻雲は,濃密巻雲と呼ぶ。常に氷晶からなり,通常5~13kmの高さに現れるが,極地方では3~8km,熱帯地方では6~18kmに現れる。日本の俗称ではすじ雲とも呼ばれる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報