常楽我浄（読み）ジョウラクガジョウ

デジタル大辞泉 「常楽我浄」の意味・読み・例文・類語

じょう‐らく‐が‐じょう〔ジヤウ‐ジヤウ〕【常楽我浄】

 
仏語。
1 涅(ねは)槃(ん)の四徳。常住不変の常、安楽で苦を離れた楽、自在で障りとなるもののない我、迷いがなく無(む)垢(く)清浄である浄。転じて、極楽浄土にいるように何の心配もなく、のどかな生活にいう。
2 凡夫が万物の真相に反して、無常を常、苦を楽、無我を我、不浄を浄と思うこと。四(して)顛(んど)倒(う)。  

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精選版 日本国語大辞典 「常楽我浄」の意味・読み・例文・類語

じょう‐らく‐が‐じょうジャウ‥ジャウ【常楽我浄】

 

(一)〘 名詞 〙
 (二)① 仏語。涅槃(ねはん)に備わる四つの徳。常は常住永遠であること、楽はたのしみ、我は自在無碍であること、浄は清浄。
(一)[初出の実例]﹁何ぞの海、じゃうらくがじゃうの風吹けば﹂(出典‥梁塵秘抄︵1179頃︶二)
 (二)[その他の文献]︹南本涅槃経‐二三︺
 (三)② 仏語。凡夫が抱く四顛倒(してんどう)。万有の真相に反して、非常を常、非楽を楽、非我を我、非浄を浄と思うこと。
(一)[初出の実例]﹁常楽我浄の顛倒と云ひ、生老病死の転変と云ひ﹂(出典‥愚迷発心集︵1213頃︶)
 (四)③ 転じて、何の心配もない安楽な生活。のんびりしていること。
(一)[初出の実例]﹁げにや喜見城の都常楽我浄(ジャウラクガジャウ)とたわれしもことはりや﹂(出典‥洒落本・交代盤栄記︵1754︶序)
  

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「常楽我浄」の意味・わかりやすい解説

常楽我浄
じょうらくがじょう

 
大乗仏教において，涅槃や如来にそなわっているとされる4種の徳をいう。永遠不滅で，苦のないものであり，自由で束縛がなく，清らかであるということ。  

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