デジタル大辞泉 「暗唱」の意味・読み・例文・類語 あん‐しょう〔‐シヤウ|‐シヨウ〕【暗唱/暗×誦/×諳×誦】 [名](スル)暗記したことを口に出して唱えること。あんじゅ。「詩を―する」[類語]暗記・棒暗記・丸暗記・覚える・記憶・銘ずる・銘記・牢記ろうき・暗譜・諳んずる・拳拳服膺・肝に銘ずる・胸に刻む・心に刻む・心に留める・気に留める・音読・黙読・朗読・棒読み・空読み・口誦・読誦・朗唱・拝読・拝誦・代読・読み上げる 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「暗唱」の意味・わかりやすい解説 暗唱あんしょう 与えられた学習材料の全部または一部を暗記して、それを口述で再生すること。暗誦とも書き、そら読みともいう。江戸時代の漢学教育では、意味のわからないまま、ただ文字をたどって師匠の読むとおりに読み、それを繰り返して暗唱するという﹁素読(そどく)﹂の方法がとられていた。西欧においても19世紀なかばころまでの学校の授業形態は、もっぱら暗唱させることであった。キリスト教の教義問答、祈りの文句、聖書、ラテン語の名文章や名演説などを暗唱させていた。しかし近代になって、暗唱を主とする教科の学習法︵暗唱法︶は強い批判を浴びるに至った。それは、理解や思考、学習者の主体性や自発性、学習者間の共同や民主的態度、創造性や個性などが無視されているという批判であった。こうして授業形態としての暗唱法はしだいに姿を消していった。 しかし最近では、新しい意味で、暗唱の価値が見直され始めている。それは、かつての棒暗記ではなく、記憶の効果的な方法としての暗唱で、よく理解したうえでの記憶、相互関連的な記憶、機械的な反復ではない効果的な反復などを重視した暗唱である。 ﹇大槻和夫﹈ [参照項目] | 素読 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例