デジタル大辞泉 「水筒」の意味・読み・例文・類語 すい‐とう【水筒】 飲料水などを入れて携帯する筒形の容器。[類語]瓶・空き瓶・一升瓶・魔法瓶・ボトル・ペットボトル・ジャー・ポット 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「水筒」の意味・読み・例文・類語 すい‐とう【水筒】 (一)〘 名詞 〙 水を入れるつつ型の容器。飲料水などを入れて持ち歩きのできるようにしたもの。 (一)[初出の実例]﹁この医、偶大未(ダヴイ)と親熟しければ、古様の水筒を以て、これに与へけり﹂(出典‥西国立志編︵1870‐71︶︿中村正直訳﹀五) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「水筒」の意味・わかりやすい解説 水筒すいとう 飲食用具の一つで、飲料水あるいは酒などを入れて携帯する用具。携帯するという点で、同じ飲料容器でも瓶子(へいじ)や銚子(ちょうし)と区別される。 もともと青竹を切って、節と節の間に飲料を入れたのが原型である。類似のものにひょうたんがあるが、これは別に区別された。その形状から単に﹁筒(つつ)﹂、または﹁小筒(ささえ)﹂とよばれた。室町時代初期に成立したとみられる﹃庭訓往来(ていきんおうらい)﹄2月状には、花見の誘いに﹁破籠(わりご)・小筒等は是(これ)より随身すべし﹂と記し、当時広く使われていたことがわかる。一説には、竹の筒であることから竹の葉︵笹(ささ)︶の枝の縁により﹁ささえ﹂と読んだといい︵﹃貞丈雑記(ていじょうざっき)﹄︶、また一説には酒︵ささ︶を入れるので﹁酒の家﹂の意であるという︵﹃輪池拾葉(りんちしゅうよう)﹄︶。 江戸時代には、おもに﹁吸筒﹂、または現在と同じく﹁水筒﹂と記されることが多いが、いずれの場合も﹁すいづつ﹂と読まれた。古来からの青竹製も簡便さから盛んに使われたが、一方では行楽、芝居見物などのために、漆塗り、家紋入り、彩色などの技巧を凝らしたもの、あるいは円型、亀の甲型、将棋の駒(こま)型など、従来の型から逸脱したものが種々出てきた。明治以降も、たとえば日露戦争時の﹃陸軍陣中衛生心得﹄には﹁出発の際は必ず水筒を充(みた)すべし﹂と記し、﹁水筒﹂に﹁すいづつ﹂と振り仮名を打っている。したがって、現在のとおり﹁すいとう﹂とよぶようになるのは、かなり遅いことであったらしい。 ﹇森谷尅久﹈ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「水筒」の意味・わかりやすい解説 水筒 (すいとう) 飲料水を携帯するための容器。登山やピクニックなどの行楽,軍隊の行軍用に使用される。古くは自然物を利用し,中国やヨーロッパでは皮革類の小袋を,中央アジアの遊牧民族は皮革や獣の内臓を,東南アジア地域では竹筒を用いていた。現在も実用にされているものが多い。日本では竹筒やひょうたんを用いたが,飲料水よりむしろ酒を入れることが多かった。竹筒は竹を1節分輪切りにし,その一方の端に飲み口の穴をあけた簡単なもので,︿吸筒︵すいづつ︶﹀︿ささえ﹀︿さすえ﹀の名でも呼ばれ,使い捨てにされた。江戸時代になると遊びの要素も加わり,きんちゃく型,ナス︵茄子︶型など奇抜な形の漆器が作られた。アルミ製水筒の生産は,1897年︵明治30︶東京砲兵工場で始まった。現在ではアルミ製,プラスチック製のほかに断熱材を入れた保温水筒,携帯用魔法瓶等が作られている。 執筆者‥南本 珠己 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水筒」の意味・わかりやすい解説 水筒すいとう 飲料水,酒類などの携帯用容器。古くは竹筒やひょうたんが用いられ,また遊牧民族では獣の皮袋や膀胱が利用された。日本では軍装備品としてまず普及し,多種多様の水筒がアルミニウム,プラスチックなどでつくられている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報