デジタル大辞泉
「氷床」の意味・読み・例文・類語
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ひょう‐しょう‥シャウ【氷床】
(一)① 広大な地域にわたって発達する氷河。南極大陸・グリーンランドにみられ、厚さは一〇〇〇メートル以上。陸地の地形にかかわらず氷が低地部をうめて、全体として氷原をなす。徐々に海岸に向かって移動し、末端は氷山となる。大陸氷河。内陸氷河。
(二)② 雪に覆われて凍った地面。また、はりつめた氷に覆われた地面。︹庾信‐寒園即目詩︺
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氷床 (ひょうしょう)
ice sheet
山岳氷河とは対照的に,平坦で広大な大陸を覆って形成されている氷河を指す。大陸氷河とも呼ぶ。現存するものは南極氷床とグリーンランド氷床のみであるが,氷期には,たとえば北アメリカ大陸北部にローレンタイドLaurentide氷床が,北西ヨーロッパにスカンジナビア氷床が存在していた。南極氷床では厚さが4000mにも達し︵平均では約2500m︶,中央部から海岸へ流動が起こり,氷山となって海へ流出している。第四紀の氷床の消長は広域にわたって太陽光線を反射し,アルベド︵反射能︶の変化を引き起こすため,周辺地域の気候変化に大きな影響を及ぼしてきた。
執筆者‥野上 道男
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氷床
ひょうしょう
ice sheet
域にわたって陸地全体をおおう氷河。表面はドーム状をなす。南極氷床がこの好例で,グリーンランドにもある。氷河時代の氷床としてはスカンジナビア半島の氷床,北アメリカのローレンシア氷床などが著名。
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世界大百科事典(旧版)内の氷床の言及
【氷河】より
…
﹇氷河の分類﹈
氷河はそれが形成される地形に応じて大きく二つに分類される。一つは平坦で広大な大陸に形成されているもので大陸氷河continental glacierあるいは[氷床]ice sheetと呼ばれる。もう一つは起伏の大きい高山地帯に形成されているもので山岳氷河mountain glacierあるいは谷氷河valley glacierと呼ばれる。…
【浸食作用】より
…氷体の存在とその動きが及ぼす浸食作用が氷食である。氷河には大別して山地氷河と[氷床](大陸氷河)の二つのタイプがある。既存の河食を受けた山地の起伏に順応して着生した氷河が山地氷河で,その氷食の結果は特徴的な高山地形alpine landformを現出する。…
【氷河】より
…陸上の積雪が変化して氷となり,自重や上方からの圧力で流動するもの。現在の氷河([氷床])の大部分は南極とグリーンランドに分布しており,そのほか世界各地の高山地域に小さなものが分布している。その面積は地球の陸地の約10%を覆っている。…
※「氷床」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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