油絵(読み)アブラエ

デジタル大辞泉 「油絵」の意味・読み・例文・類語

あぶら‐え〔‐ヱ〕【油絵】

油絵の具で描いた絵。油彩ゆさい

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精選版 日本国語大辞典 「油絵」の意味・読み・例文・類語

あぶら‐え‥ヱ【油絵・油画】

 

(一)  
(二) 
(一)[] ()(1643)
(三) ()駿
(一)[]()(1779)
(四) 西=西
(一)[](西187071︿)
 

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「油絵」の意味・わかりやすい解説

油絵
あぶらえ

油絵の材料技法と様式には、時代や地域および流派によって実に多様な変化がみられる。しかし端的に定義すれば、乾性油を主体としたメディウムを用いて粉末顔料(がんりょう)を練り合わせた絵の具を油絵の具といい、この油絵の具を使用して描く絵画技法あるいは絵画作品を油絵(油彩画)ということができる。乾性油とは、液体の油を薄い層にして塗布した場合、空気中の酸素を吸収して酸化し、しだいに粘着性を失って乾燥し、柔軟性と透明性のある固体の物質に変化する性質をもつ植物性油である。顔料の練り合せ材(メディウム)は、絵の具の状態では描画に適した流動性を保ちつつ顔料の粒子をつなぎ合わせ(膠着(こうちゃく)材、展色材)、画面においては色彩を変化させずに強固な絵の具層を形成しなければならない。乾性油はそのような要求を満たすばかりではなく、天然樹脂などを混ぜ合わせて多様な仕上げの効果を追求することも可能であった。また、テレピンやラベンダーなどの揮発性精油を溶材(溶き油)として使用すれば、絵の具の濃淡や絵の具層の厚さの調整をすることもできる。油絵のメディウムとしてもっとも一般的な乾性油は、あまに油(リンシード・オイル)、けし油(ポピー・オイル)、くるみ油である。ロシアではひまわり油が用いられたといわれる。15世紀のフランドルにおいて乾性油を主体にしたメディウムを用いる技法が確立されて以来、この油絵技法はヨーロッパ各地に広まり、20世紀に至るまで主要な絵画技法としてもっとも広く使用されてきた。美術の材料技法と様式にはきわめて密接で重要な関係があることはいうまでもない。油絵技法の発展の歴史は、ヨーロッパ絵画史の豊かな成果と切り離して考えることはできない。

長谷川三郎

油絵の歴史


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ファン・アイクの技法

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油絵技法の発展

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日本の油絵


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改訂新版 世界大百科事典 「油絵」の意味・わかりやすい解説

油絵 (あぶらえ)
oil painting


使調使使調glacis調

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百科事典マイペディア 「油絵」の意味・わかりやすい解説

油絵【あぶらえ】

油彩画とも。oil painting。顔料を油で練り合わせた絵具を使用するもので,4世紀からその例が見えるが,15世紀にファン・アイクがこの技法によって高度の芸術性を実現して以後,西欧絵画の主導的技法となった。油絵具は天然の鉱物質あるいは人工の顔料をケシ油や亜麻仁油で練り,透明性・流動性・密着力を与えたもので,制作の際はケシ油・亜麻仁油など植物性の乾性油,テレビン油やペトロールなどの揮発性油,あるいはそれらを混合して調整したニスで溶かして使用する。用具としては筆のほかにマッスや面で表現したり,厚塗りする場合に金属性のペインティングナイフを用いる。キャンバス(板)の材料の変化,地塗りの密度,ときには油絵具以外のものの混用(絵具に砂や土を混ぜたり,また最近ではビニル樹脂を用いたりする)などによって,さまざまな質感の表現が可能であり,効果の面からいっても最も表現力に富む絵画技法といえる。
→関連項目テンペラ浜口陽三棟方志功

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「油絵」の意味・わかりやすい解説

油絵
あぶらえ
oil painting

 
16使 1460  

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世界大百科事典(旧版)内の油絵の言及

【絵画】より

… 壁画の技法にはさまざまの種類があるが,西欧ではとくに中世末期からルネサンス期にかけてのイタリアで,粗壁の上に塗ったしっくいがまだ乾かないうちに水に溶いた顔料で描くフレスコの技法が多くの優れた作品を生み出した。フレスコ画は,絵画が壁と一体になっているのできわめて堅牢であるが,すばやい制作が要求されることと,修正が困難であることから,油絵の登場とともに,しだいに油絵に席を譲るようになった。油絵の技法は,15世紀にまずフランドル地方で確立され,しだいにヨーロッパ全体に広がっていったが,その表現力の豊かさのゆえに,今日でも絵画の主流となっている。…

※「油絵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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