発芽(読み)ハツガ(英語表記)germination

デジタル大辞泉 「発芽」の意味・読み・例文・類語

はつ‐が【発芽】

[名](スル)芽を出すこと。植物の種子・胞子・花粉や樹枝の芽などが発育を始めること。
[類語]芽生え芽生える芽吹く芽ぐむ萌える萌え出る萌え立つ角ぐむ芽差す・芽を吹く・芽が出る芽を出す兆す芽出し芽立ち出芽発根萌芽実生みしょう

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精選版 日本国語大辞典 「発芽」の意味・読み・例文・類語

はつ‐が【発芽】

 

(一)  
(二) ()1884
(三) 
(一)[](1890︿)
(二)(1911︿)
(三)[]
 

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改訂新版 世界大百科事典 「発芽」の意味・わかりやすい解説

発芽 (はつが)
germination


percentage germination

 寿寿1100%250寿

 1232323after-ripening



 ATP

 05

 light-sensitive seedpositively photoblastic seednegatively photoblastic seedlight-indifferent seed

9095%使β

 precocious germination

6.5%6.2%92.7%91.9%hilumimbibition period1A 2B 3C BA

 1A2ATPB3C4

 mRNAinformosomelong-lived mRNAlong-lived mRNAATP1230ATP30ATP1965mRNAmRNAmRNA

 C4RNADNA

 10α-



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日本大百科全書(ニッポニカ) 「発芽」の意味・わかりやすい解説

発芽
はつが

種子の胚(はい)が成長を再開すること、または花粉や胞子が芽を出すことをいう。

 種子の発芽は、現象的には、幼根が種皮を突き破って出るという形態的変化をもって認めることができるが、種子の内部では、それ以前に、すでにさまざまな生理的・生化学的変化がおこっている。したがって、種子の発芽は、種子の吸水に始まり、細胞代謝や生合成の複雑な生化学反応の活性化を伴って、最終的には胚(幼根)の成長再開に至る一連のプロセス(過程)からなっているといえる。胚の成長は、普通、幼根から始まるが、イネの種子のように、水中で発芽させると子葉鞘(しようしょう)(幼芽)から先に成長を始めることもある。

[勝見允行]

種子発芽の条件





発芽のプロセス

種子の含水量は10%に満たないほどに低いため、初めに吸水がおこり、これによって、種子組織の代謝が始動される。この吸水は、種子を構成するコロイド質による物理的な現象である。吸水開始とともに呼吸が増加し、胚成長に使われるエネルギーが供給される。他方、デンプン、脂肪、タンパク質などの貯蔵養分は、それぞれ、ブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸にまで低分子化され、呼吸の基質や新しい細胞の構築材料に使われる。貯蔵養分の分解には加水分解酵素が作用するが、これらのあるものは、すでに種子中に存在していて、吸水によって活性化されるものや、まったく新しく誘導(合成)されるものもある。しかし、多くの酵素は、実際に胚の成長が始まる前に誘導される。この際、やはり、すでに存在していたmRNA(メッセンジャーRNA)に基づいてできる酵素や、新しくDNAの遺伝情報を転写したmRNAに基づいてできる酵素もある。酵素の誘導には、オオムギのアリューロン層におけるα‐アミラーゼのように、植物ホルモンの調節を受ける場合がある。

[勝見允行]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「発芽」の意味・わかりやすい解説

発芽
はつが
germination

植物の種子,胞子,花粉,地下生殖器官および枝にある芽など休眠状態にあるものが適当な条件を得て発育を始める現象。発芽を促す外的な条件としては,温度,水,酸素,光などがおもなものであり,同時に,発芽すべきものがこれらの外的条件を受入れ,生理的に活発な状態になれるようになっていることが必要である。種子では,幼芽,子葉,幼根が一応形成され,発芽に際して必要な物質が,炭水化物,脂肪,蛋白質などの形で胚乳や子葉中に貯蔵されており,シダなどの胞子では,吸水によって胞子の殻が破れたとき,ただちに発芽が開始できる程度に熟していることが不可欠なことである。種子の発芽に関しては,種子を休眠させずにすぐまいても発芽するものもあるが,一定期間の休眠を必要とするものもある。まかれた種子のうち発芽したものの数の,まいた全数に対する割合を発芽率といい,これで発芽能力を推定するが,発芽能力は遺伝子型,栄養状態,休眠時間の長さなどの内的条件や種々の外的条件によって影響を受けるので,これを正確に表現するのはむずかしい。

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普及版 字通 「発芽」の読み・字形・画数・意味

【発芽】はつが

芽が出る。

字通「発」の項目を見る

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栄養・生化学辞典 「発芽」の解説

発芽

 植物の種子が適度な温度と水分を得て芽を出すこと.

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