呼吸(読み)コキュウ(英語表記)respiration

翻訳|respiration

デジタル大辞泉 「呼吸」の意味・読み・例文・類語

こ‐きゅう〔‐キフ〕【呼吸】

 
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精選版 日本国語大辞典 「呼吸」の意味・読み・例文・類語

こ‐きゅう‥キフ【呼吸】

 

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改訂新版 世界大百科事典 「呼吸」の意味・わかりやすい解説

呼吸 (こきゅう)
respiration


animapneuma32

 W.162816︿︿17R.John Mayow1640-7918J.L.

 201920︿H.A.19372︿ATP


1O2CO2H2ONH3ATP23ATP1

 CO2/O2respiratory quotientRQRQ1C6H12O66O26CO26H2ORQ1C18H36O226O218CO218H2ORQ0.69RQ1C4H6O53O24CO23H2ORQ1.33RQRQ

 12ATP

 1212β3NADNADPC2CoAβ45photorespirationATP

 NADH647ATP8ADP調respiratory controlATP

 1molATP38mol36mol11mol686kcalADPATP7.3kcalATP38mol277.4kcal40%ATP1molATP2mol

 1ATP2NADPH


18O2CO2O2CO2O2O2CO2

 O2CO2O2CO21mmO2O2CO2

 20%O20.03%CO211l59.22ml206.51ml6.89ml5.05mlO21/1000O21/30000使20

 調O22/3CO2湿

 3/4O23/43/41/41kg1O225g1.65l4t0.07l10100


O2CO2O2CO2O2CO2O2CO2CO2O2

 

 1250mlO2200mlCO2CO2O2RQ0.751.011.5cm0.1mm37500070m2300m2O2CO2



 4mmHg0.72.2mmHg0.72.2mmHg

 12934111.710.113.117.115.718.221.218.623.3242/31/3

 34

1500ml2500ml1500ml1200mllung volumelung capacitycapacity6000ml2700mlcapacity14500mlspirometer11350ml2700ml11/8

150ml湿

 114l5l/0.83747mmHgO2104mmHgCO240mmHg1/32/3

 0.1mm70m275100ml2000mlO2CO2O2100mmHg40mmHg60mmHgCO240mmHg46mmHg6mmHgCO2O2201/31/40.11μ7μO2CO2

 漿1μ1μ1CO20.4O2CO21mmHg1O221ml/mmHg O23CO2CO21mmHgO220400ml/mmHg CO2

O2CO2O221%O21214%O2漿漿100ml50ml2ml漿40ml漿8ml

 O2O2ATPATP

 O240mmHg2045mmHgO255mmHgO240mmHgO26mmHgO2O215mmHgCO245mmHgCO240mmHgCO2

調O2CO2調調O2CO2pH調調

 調調調調調

 調=J調調O2CO2pHpH調

 CO2O2CO2
  


111.71500ml調尿

1 =尿尿

2 =1560調=

3 
   




1001501


退調

 
  


prāa53調prāāyāma︿āna-apāna︿



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日本大百科全書(ニッポニカ) 「呼吸」の意味・わかりやすい解説

呼吸
こきゅう

生物の生存には酸素の供給が不可欠である。細胞内では酸素と反応した栄養素がエネルギーを放出し、その結果、二酸化炭素(炭酸ガス)が生成される(これを物質代謝という)。このような酸素と二酸化炭素の出入りが呼吸であり、呼吸は、物質代謝の行われる組織細胞でおこり、さらに、それらのガスの受け渡しをする血液を介して肺でも行われる。前者の出入りを内呼吸(組織呼吸)とよび、後者を外呼吸(肺呼吸)という。内呼吸は主として生化学の研究対象であり、生理学で扱われる呼吸とは、おもに外呼吸をさす場合が多い。

 ヒトの酸素と二酸化炭素の出入りは、安静状態の成人で、1分間に酸素が250ミリリットル、二酸化炭素が200ミリリットルくらいである。激しい運動をした場合には、この数倍以上にも達する。しかも、体内の酸素貯蔵量はせいぜい1リットル余りであるから、呼吸による酸素の取り入れは、すこしも休むことのできない重要な身体活動といえる。

[本田良行]

呼吸器の構造

呼吸器は鼻腔(びこう)から始まり、咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)を経て気管となる。気管は、さらに左右の気管支に分かれ、肺内で数多くの分岐を繰り返し、細かく数が増えていく。分岐は20~23回にも及び、最終的には薄い袋状の肺胞で終わる。ガス交換は主としてこの肺胞で行われる。個々の肺胞は径100マイクロメートル余りの小胞であるが、左右の肺をあわせると約3億個にもなる。したがって、ガス交換のための表面積は約60平方メートルと、小さな教室くらいの大きさとなる。

[本田良行]

肺気量

普通、肺内に存在する空気量は約2リットル余りで、これを「機能的残気量」とよぶ。これに1回につき約0.5リットルの空気が呼吸のたびに外から入ってくることになる。また、精いっぱい息を吐いても、肺内にはまだ空気が残っている。これは「残気量」とよばれ、およそ1リットル余りである。この残気量は、肺を取り巻いている胸膜腔の内圧が、大気と通じている肺の気道内圧よりも低く、肺を外に向かって広げる力が働くために生じたものである。最大呼息から最大吸息を行うと4~5リットルの空気を吸い込むことができる。これが肺活量である。このときの肺内の空気の総量は6リットル弱で「全肺気量」とよばれる。

[本田良行]

肺におけるガス交換


60701119201930

 211405.6100mmHg40100404046


呼吸運動

肺を取り囲む気密の容器である胸壁と横隔膜は、吸気の際、拡大する。したがって、外気と通じている気道内圧から肺周囲の胸膜腔内圧への圧勾配(こうばい)が大きくなり、肺は膨張する。胸部を動かすのは外肋間筋(がいろっかんきん)で、肋骨の間を斜め前下方に向かって走っている。この筋肉の収縮によって、肋骨は脊椎(せきつい)を支点にして上方に持ち上げられるため、胸部は前後左右に拡大することになる。横隔膜は強力な筋組織であり、上方に凸のドーム状をしている。横隔膜は、その収縮によって面積が縮小するため、肺は下方に押し下げられる。吸息が終わると、胸壁と横隔膜は自己の弾性によってもとの位置に戻り、胸膜腔内圧も初めの内圧に復するから、肺は圧迫されて受動的に呼息相に移る。呼吸運動が非常に激しくなると、内肋間筋などの呼息筋が働いて積極的な呼息がおこる。

[本田良行]

呼吸中枢

呼吸運動の命令は周期的に呼吸中枢から発せられる。呼吸中枢は、延髄に存在する吸息・呼息中枢、橋脳(きょうのう)下部のアプニューシス(強い持続性の吸息を意味する)中枢、橋脳上部の呼吸調節中枢などの呼吸中枢群などからなっている。今日では、呼吸の基本リズムは延髄での吸息・呼息中枢でつくられるという考えが有力である。呼吸のリズムはいくつかの神経細胞からなるニューロン(神経単位)のネットワークでつくられるものと推測されている。普通の呼吸では、肺の吸息による膨張が肺迷走神経末端の伸展受容器を刺激し、その情報が呼吸中枢に伝えられて、呼吸リズムを調整する作用が加わる。これを「ヘリング‐ブロイエルHering-Breuerの反射」とよぶ。

[本田良行]

呼吸調節

呼吸の主目的は酸素の取り入れと二酸化炭素の排出にあるが、最初に述べたように、体内での酸素貯蔵量は非常に少ない。また、二酸化炭素は体液に溶けると、炭酸となって酸性化作用をもち、その量は1規定の酸にして1日15リットルにも達する。それゆえ生体には、酸素・二酸化炭素の出入りを確保し、血液中のこれらガスのレベルの安定を図るための強力な調節系が存在している。これを「呼吸の化学調節系」とよぶ。また、酸素と二酸化炭素、さらにこれによって強く規定される水素イオン濃度指数(pH)は血液ガスとよばれることが多い。この血液ガスは、いわゆる負のフィードバック・ループnegative feedback loopとよばれる化学調節系で調節される。この系は、呼吸中枢群―(呼吸筋)―肺―血液ガス―末梢(まっしょう)と中枢の化学受容器―呼吸中枢群のループで構成される。たとえば、なんらかの理由で肺のガス交換が障害されると血液中の酸素分圧が低下する。この酸素分圧の低下は、おもに末梢の化学受容器を強力に刺激し、呼吸中枢の活動を高めて肺の換気が亢進(こうしん)し、低下した酸素分圧をもとに戻すように働くことになる。末梢化学受容器は、1920年代の終わりにベルギーのハイマンスC. Heymansらによってその作用が明らかにされた。末梢化学受容器は、総頸動脈(けいどうみゃく)の分岐部で外頸動脈寄りにある頸動脈体と、大動脈壁に散在する大動脈体からなっている。前者は洞神経(内頸動脈近くの舌咽神経の枝)から舌咽神経を通って、後者は迷走神経を通って呼吸中枢に刺激を伝えている。これら受容器は、主として動脈血酸素分圧と血液pHの低下によって刺激され、血液pHの上昇によって抑制される。この末梢化学受容器は心臓の出口と脳の入口の部分に存在するわけであるが、その理由は、出口のところでは循環系全体の監視装置として、入口のところでは脳循環系の動脈血の血液ガス、とくに酸素欠之を防ぐ監視装置として働いているためと考えられる。一方、中枢化学受容器が知られたのは比較的新しく、1960年代にアメリカのミッチェルR. MitchellやドイツのレシュケH. Loeschckeなどによって延髄腹側表層に存在すると報告された。中枢化学受容器は、pHの低下によって刺激される。この部位は脳脊髄液に覆われているため、透過性の高い血液の二酸化炭素によって酸性化されて刺激されるといわれている。血液pHの低下は、水素イオンが簡単には脳脊髄液中に透過されないため、その濃度がかなり高まらないとこの受容器は刺激されないものと思われる。

 正常の空気呼吸をしている動物は、一般に酸素よりも二酸化炭素によって呼吸が支配されている。これは、元来、生物は海水中に発生したものであり、周りの海水中に溶けた酸素を利用して呼吸していた。ところが、生物が空気中に生活圏を移すと、環境の酸素濃度は一挙に30倍以上となった。つまり、現在の空気呼吸動物air breatherは、系統発生的にみると、以前と比べて非常な高酸素呼吸の環境にすんでいるわけである。このため、換気量は水中呼吸動物water breatherの数分の1にしかすぎないこととなった。しかし、こうした低換気のために、やがて体内に二酸化炭素が蓄積し、体液が酸性化acidosisする危険が生ずることになった。それゆえ、現在の空気呼吸動物では、主として二酸化炭素により呼吸が刺激され、血液pHを一定に保つよう調節されている。

[本田良行]

動物における呼吸

動物は体制により呼吸器官の型が異なるので呼吸運動も異なっている。

[嶋田 拓]

呼吸運動

(1)肺呼吸 哺乳(ほにゅう)類の肺呼吸では、発達した横隔膜の収縮により胸腔(きょうこう)が体下方に拡大し、同時に外肋間筋などの収縮により肋骨があがって胸腔が上方と横へも拡大して胸部が広がり、空気が肺に吸い込まれる。横隔膜と肋骨がもとに戻るとき、空気は肺から排出される。呼吸運動は延髄の呼吸中枢に支配され自律的であるが、血中の二酸化炭素分圧や酸素分圧の変動も中枢を介して呼吸運動に影響する。鳥類や爬虫(はちゅう)類では呼吸は主として外肋間筋の作用による胸部容積の変化で行われる。両生類、とくにカエルは、声門と鼻孔の交互開閉により空気を口咽頭(いんとう)腔に出入りさせ、同時に舌骨板の働きで肺内の空気が口咽頭腔へ出、ここで新鮮な空気と混じってふたたび肺に入る。魚類では肺魚が口から空気を吸って肺呼吸する。

(2)皮膚呼吸 これは体表面で酸素を取り入れる呼吸で、特別に分化した呼吸器官をもたない動物、たとえばミミズやヒルなどはこれによって呼吸する。ほかに呼吸器官をもつ動物でも皮膚呼吸をするものは多く、腔腸動物、甲殻類、ある種の昆虫、脊椎(せきつい)動物などがそうである。ウナギは条件によっては全呼吸の60%以上を皮膚呼吸でまかなうことができる。カエルも全呼吸の50%ぐらいを皮膚で行う。鳥類や哺乳類では皮膚呼吸の占める割合はわずかである。皮膚で水呼吸する動物もいる。

(3)腸呼吸 これは腸内腔表面の細胞層を通しての酸素吸収で、えらや皮膚による呼吸の補助として水生動物でよく認められる。ドジョウは水面で口から空気を吸い、腸でガス交換して肛門(こうもん)から排出する。ユムシは肛門から直腸に海水を入れる。ナマコの水肺(呼吸樹)による呼吸も腸呼吸で、直腸の律動により海水が肛門から呼吸樹に入り、その薄壁を走る血管の血液とガス交換する。

(4)えら呼吸 水生動物に普通にみられる呼吸で、水を恒常的にえら表面に流し、えらの毛細血管を流れる血液との間でガス交換する。魚類、両生類の幼生と一部の成体、ホヤ類、頭索類、甲殻類、昆虫の水生幼虫、軟体動物などがえら呼吸する。魚類は鰓蓋(さいがい)を動かして口から水を吸い込むが、サバやサメ類などは前進運動により口から水を入れる。二枚貝類は繊毛運動で水流をおこし、えらに水を流す。潮汐(ちょうせき)などによる水の動きに頼るものもいる。魚類は普通えらで水呼吸するが、他の器官で補助的に空気呼吸するものも多く、先にあげたウナギやドジョウのほか、トビハゼは皮膚と鰓腔で、タイワンドジョウは上鰓器官で、ナマズ類は気嚢(きのう)で、硬骨魚の多くがうきぶくろで空気呼吸する。

(5)昆虫は気門の開閉により空気を気管内に入れ呼吸する。

[嶋田 拓]

ガス交換

大部分の昆虫や線虫やクラゲなど体制の簡単な動物では、細胞への拡散のみで十分な酸素が得られる。体制が複雑で循環系をもつ動物では、ガス交換は呼吸媒質と血中の酸素運搬分子間でおこる。酸素運搬分子には、ヘモグロビン(原索動物と大部分の昆虫を除いた動物)、ヘモシアニン(軟体動物と甲殻類)、クロロクルオリン(一部の多毛環虫類)などの呼吸色素がある。無脊椎動物には酸素運搬分子が血中に溶けているものもいるが、紐形(ひもがた)動物、軟体動物の一部、棘皮(きょくひ)動物、脊椎動物では特殊な血球中に局在する。呼吸器官で酸素はヘモグロビンと結合し、血流で末端組織に運ばれる。酸素とヘモグロビンの結合は可逆的である。ヘモグロビンは酸素分圧の高いところ(呼吸器官)では酸素を安定に結合するが、酸素分圧の低いところ(末端組織)では結合が不安定になり、酸素は放出される。末端組織で生じた炭酸ガスは血液に溶け込んで呼吸器官に運ばれ、そこで呼吸媒質中に放出される。

[嶋田 拓]

内呼吸

ガス交換(外呼吸)によって取り入れられた酸素が、体内の細胞や組織に運搬されて消費され、二酸化炭素を放出する現象であり、細胞呼吸または組織呼吸ともいう。

[嶋田 拓]

生化学面からみた呼吸


ATPATP

 

 TCAATPATCANADHNADH(NAD+)ADPPiATPATPADPPiATPchemiosmotic hypothesis

 

(1)(H+)沿

(2)ATP沿ATPATP

(3)H+OH-

(4)

 H21/2 O2H2OQ56FeS()2Cu2NADH

 ATPADPPi(ΔG)1113kcal/molATPADPPiΔG07.3kcal/molATPADPPiΔGADPPiATPADPATPATPΔGATP

 124ATP196ATPA136ATP129ATP102050

 ()ATPNADPHNADPHATPATP



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百科事典マイペディア 「呼吸」の意味・わかりやすい解説

呼吸【こきゅう】

 
1.2.3.4.5.1.5.()38ATP
 

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

普及版 字通 「呼吸」の読み・字形・画数・意味

【呼吸】こきゆう(きふ)

 


 

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「呼吸」の意味・わかりやすい解説

呼吸
こきゅう
respiration

生体は外界から酸素を摂取し,二酸化炭素を排出する。そのガス交換の働きを呼吸という。呼吸の方法には,単細胞動物にみられる細胞表面で直接外界とのガス交換を行う方法,魚類の鰓による方法,昆虫の気管による方法などがあるが,ヒトや哺乳動物などの場合,呼吸の過程は (1) 肺呼吸または外呼吸 肺胞と肺毛細血管との間のガス交換,(2) 組織呼吸または内呼吸 血液と組織細胞との間におけるガス交換,に大別できる。呼吸運動によって肺胞内に吸込まれた酸素は,肺胞膜を通過して血液中に拡散していき,血液中では血色素と結合し,全身の組織へと送られる。一方,物質代謝の過程で生じた二酸化炭素は組織細胞から血液中に拡散し,主として血漿中に溶解した状態で肺へ送られる。肺では酸素の場合と逆に分圧の差によって血液から肺胞内の空気中へと拡散し,呼息によって体外に排出される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

知恵蔵 「呼吸」の解説

呼吸

多義的な言葉で、生物個体が酸素を外界から取り入れ二酸化炭素を排出する外呼吸(ガス交換)と、体液と細胞や組織のガス交換である内呼吸、および細胞内で酸素を用いた酸化還元反応においてエネルギーを獲得する細胞呼吸などを指すが、最も広い意味では、酸素なしの酸化還元反応によってエネルギーを生産するすべての過程を含める。外呼吸は肺などの呼吸器官の運動によってなされ、細胞呼吸では解糖系やクエン酸回路などの代謝経路を介して糖や脂質が二酸化炭素と水に分解され、その過程でATPが生産される。

(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

栄養・生化学辞典 「呼吸」の解説

呼吸

 通常は酸素を取り入れ二酸化炭素を排出すること.嫌気呼吸というように,広義に生体がエネルギーを得る手段をいう場合もある.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の呼吸の言及

【運動】より

…これらの反射に関与する全経路を反射弓という。脊髄に反射中枢をもつ脊髄反射には伸張反射,屈曲反射,交叉(こうさ)性伸展反射などがあり,また脳幹に反射中枢をもつ反射には姿勢反射,呼吸反射,咀嚼(そしやく)反射などがある。(a)伸張反射 これは筋肉とくに伸筋が一過性にまたは持続的に引き伸ばされると反射的に収縮が生ずるもので,筋肉の長さを自動的に制御し,とくに背筋や下肢伸筋の抗重力筋群によく発達していて,直立姿勢の保持に役だつと考えられる。…

【横隔膜】より

…哺乳類のからだの体腔を前半の胸腔と後半の腹腔とに隔てる筋肉性の厚い膜で,呼吸運動に関与する。原始的な魚類を除く脊椎動物では,体腔の前部に位置する心臓はその後ろに生じた隔壁によって体腔の主部から隔離されている。…

【体】より

…無対の器官は,胎生期に正中線上の間膜と呼ばれる体腔を左右に二分する膜内に発生する器官で,血管系,消化器系が含まれる。これに対し,左右対称に発生する器官は,呼吸器と泌尿生殖器である。
[男女差と人種差]
 男性と女性の体には性差がある。…

【胸郭】より


 

 121212

【人工呼吸】より

…けがやいろいろの病気で,呼吸運動が不十分となったり停止したりする。また,肺の働きが障害されたり,酸素の供給が不足したりすると,呼吸運動が十分であっても,血液が十分な酸素を得られない。…

【鼻】より

…脊椎動物の頭の前部にある嗅覚器で,四足動物では呼吸器系の入口にもなっている中空の器官。外面に見える部分をさすことも多い。…

※「呼吸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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