絶対主義(読み)ゼッタイシュギ(英語表記)absolutism 英語

デジタル大辞泉 「絶対主義」の意味・読み・例文・類語

ぜったい‐しゅぎ【絶対主義】

 
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精選版 日本国語大辞典 「絶対主義」の意味・読み・例文・類語

ぜったい‐しゅぎ【絶対主義】

 

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(一)[](1954︿)
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「絶対主義」の意味・わかりやすい解説

絶対主義
ぜったいしゅぎ
absolutism 英語
Absolutismus ドイツ語
absolutisme フランス語

一般には、16世紀から18世紀にかけての西ヨーロッパにおいて、封建国家から近代国家へと移行する過渡期に現れた絶対君主による政治支配の方式や形態をいう。経済史的にみれば、旧大土地所有者である封建的地主階級と新興の商・工業者からなる近代市民階級との均衡のうえにたつ政治・経済体制である。ところで、絶対主義といっても、その内容はかならずしも同じではなく、君主権力にはイギリスとフランスにみられるように強弱の差があった。

[田中 浩]

イギリスの絶対主義


148514()L'etat, c'est moi.()8117160311

 absoluteordinary()163415164042()11598()1635421姿

 

その他の絶対主義


158916141789175()

 217401848168211917()4520

 

絶対主義の評価と役割


()

 114558513381453161848138113581524251415()81534

 

 

1977196919601950 419671990

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「絶対主義」の意味・わかりやすい解説

絶対主義
ぜったいしゅぎ
absolutism

主として近世初頭のヨーロッパにみられる支配形態で,国王,君主が何者にも拘束されない絶対的な権力をもつ政治体制を意味する。歴史的には,中世の封建制社会が解体しはじめ,一方で近代の資本制社会が確立するにいたらない過渡期に出現した。絶対主義国家は中央集権的な統一国家の機構を整えた点で権力の分散を特徴とする封建制国家とは区別されるが,封建的土地所有を認め,身分制的階層秩序を依然として維持し,人民を無権利の状態においた点で近代国家とも異なった。国王は全国的な徴税と司法の担当者としての官僚組織,および国内の治安確保と王朝的な国家利益の追求のための国王直属の常備軍の拡充をはかり,身分制的協賛機関であった議会の権限を縮小した。また教会の国家に対する服従をかちとり,王権神授説を用いて絶対王権の防衛にあたった。代表的な絶対主義君主としては,スペインのフェリペ2世,イギリスのヘンリー8世とエリザベス1世,フランスのアンリ4世とルイ 14世,プロシアのフリードリヒ2世 (大王) ,オーストリアのマリア・テレジア,ロシアのピョートル (大帝) とエカテリーナ2世があげられる。しかし,この政治形態も市民革命によって崩壊した。

絶対主義[美術]
ぜったいしゅぎ[びじゅつ]

シュプレマティスム」のページをご覧ください。

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旺文社世界史事典 三訂版 「絶対主義」の解説

絶対主義
ぜったいしゅぎ
absolutism

16〜18世紀のヨーロッパで,封建国家が解体して近代国家が成立する過渡期に現れた政治・国家形態。絶対王政(制)ともいう
没落しつつある封建勢力と,成長しつつある近代的市民階級の勢力均衡の上に,絶対的な国王権力が,一見超階級的に君臨した。その本質は,分権的な封建制度の解体の危機にのぞんで,全国家的な規模で集権的な封建国家を再編成したことにあり,その意味で封建制の最終的国家形態といえる。その特徴は,国王が専政を行い,旧封建貴族を制圧して中央集権を強化し,富裕市民出身の新貴族とともに,彼らを忠実な官僚に仕立てて,特権階級の支配を維持する点にあった。絶対王政の支柱は官僚と常備軍であり,王権神授説はその政治理論であった。官僚と常備軍を養い,絶対君主の威容を維持するために必要な財源は,人民からの徴税と,特権商人との結託による重商主義政策とによってまかなわれた。イギリスのテューダー朝のエリザベス1世,フランスのブルボン朝のルイ14世らは絶対君主の代表例である。商品経済のいっそうの進展による新興市民階級の成長が,絶対王政の束縛を苦痛として,経済活動の自由,さらに政権の奪取をめざすようになり,抑圧された民衆の不満が爆発するに至ると,絶対王政の基礎である勢力の均衡が破綻する。これが市民革命である。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「絶対主義」の解説

絶対主義(ぜったいしゅぎ)
absolutism


1516()()14

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「絶対主義」の解説

絶対主義
ぜったいしゅぎ

ヨーロッパの封建制から資本主義の過渡期に生じた政治体制。官僚と常備軍を手足として,王権神授説によって王権の絶対化を図りつつ,国民に対する直接的支配を強めた。財源確保のために重商主義政策をとるが,一方では貴族の特権やギルド制などの封建的特権の維持を図り,商工業ブルジョアの成長によって打倒されていった(市民革命)。明治国家体制を絶対主義とする議論が多かったが,近年では,この概念の適用を統治機構の特徴に限定し,国家体制の歴史的性格には及ぼさないとする説も出てきている。

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旺文社日本史事典 三訂版 「絶対主義」の解説

絶対主義
ぜったいしゅぎ
absolutism

封建制最後の段階で現れる君主の専制政治形態
封建制から資本主義社会への過渡期,特に17〜19世紀のヨーロッパで,君主が弱体化した封建領主の支配権を統合,官僚制と常備軍による集権的支配を確立し,台頭するブルジョアジーを重商主義によって保護統制し,やがて市民革命で倒される。明治維新による天皇制国家の成立を絶対主義の成立とみる説がある。

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百科事典マイペディア 「絶対主義」の意味・わかりやすい解説

絶対主義【ぜったいしゅぎ】

絶対王政

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世界大百科事典(旧版)内の絶対主義の言及

【相対主義】より

…一般的な意味では,唯一絶対の視点や価値観から何ごとかを主張するのではなく,もろもろの視点や価値観の併立・共存を認め,それぞれの視点,価値観に立って複数の主張ができることを容認する立場をいう。複数主義,多元主義pluralismに近く,絶対主義absolutismや普遍主義universalismに対立する。この対立の深刻な場面は,倫理的価値,宗教的価値に最もよく現れる。…

【イギリス】より


 

 (1485)(1640)

【啓蒙絶対主義】より

…18世紀後半,ドイツ,イタリア,ロシアなどに現れた,絶対主義的な君主制の一局面。この時代フランスを中心に展開した啓蒙思想を,君主自身が〈上からの近代化〉のために採り入れ,官僚行政の拡充を通じて,さまざまの改革を試みたもの。…

【国家】より


︿status

 

【絶対王政】より

…ほぼ16世紀から18世紀にかけてのヨーロッパ諸国で,国王の権力が絶対的ともいわれるほど強力になったので,そのように強力な国王の支配する体制を絶対王政(または絶対王制)と呼び,イギリスのエリザベス1世やフランスのルイ14世などの治世がその代表的なものとされる。絶対主義absolutismというのもこれとほとんど同じ意味である。〈絶対〉という言葉はもともと,さまざまな拘束から解き放たれているという意味であり,したがって絶対王政の本来の意味は,国王がさまざまな国家機関や国法によって制約されることなく意のままに統治する体制,ということである。…

※「絶対主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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