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[社会構造]
家を起点とするアンシャン・レジーム社会は,さまざまな地縁的・職能的結合の網の目によって覆われていた。村落共同体や同職ギルドは,そのよく知られている例だが,これらの団体はそれぞれ法的地位を付与されて〈社団corps〉を形成する。このような多種多様な社団的結合に立脚しているところに,アンシャン・レジーム社会の特質があった。…
…なぜなら絶対王政のもとにおいては,直接生産者たる農民に対する領主の支配(領主制)が依然として維持され,その基礎の上に国王を頂点とする身分制的階層秩序が構築されていたのであり,その国家権力は,平等な基本的人権を認められた近代市民を基礎とするものではなかったからである。とくに絶対王政のもとでは,聖職者,貴族,平民といった旧来の身分制が維持されたのみならず,それぞれの身分の内部はさらに職能などによるいくつもの団体(社団)に細分され,それらの団体はさまざまな特権によって互いに区別されていた。国王は,それらの団体が特権をめぐって相互に対立・反目しているという状態を利用して王権を強化したのである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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