四訂版 病院で受ける検査がわかる本 「肺機能検査」の解説
肺機能検査
■肺活量分画
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■スパイログラム上での努力呼気曲線![](/image/dictionary/byoinkensa/media/p102_02.jpg)
︿用語解説﹀ 肺活量‥空気を最もたくさん吸い込んだとき︵最大吸気︶と、 できるだけ吐き出したとき︵最大呼気︶の差 %肺活量‥︿実際に測定した肺活量÷標準値︵予備値︶﹀ 標準値‥ 男性︵50歳、身長160~170㎝︶=3500~3700mℓ 女性︵50歳、身長150~160㎝︶=2500~2700mℓ 努力性肺活量‥最大吸気位からできるだけ速やかに吐き出したときの肺活量 1秒量‥1秒間で最大に吐き出せる呼吸量 1秒率‥全体呼気量に対する1秒量の比率 呼吸の力を評価し、障害部位を特定する検査で、異常があればくわしく調べます。喘息のある人は、検査で喘息を誘発する場合があるので注意が必要です。 肺気腫、気管支喘息などの診断の助けとなる検査 息苦しい、咳せきや痰たんが出る、動悸がするなどの症状があって、肺の病気を疑うときに行う検査で、呼吸の力︵吸きゅ気うき・呼こ気き︶を定量的に評価し、障害の部位を明らかにします。 肺機能障害には大別して、肺の有効容量が小さくなる拘こう束そく性肺機能障害︵肺結核、肺線維症など︶、気道が狭くなる閉塞性肺機能障害︵肺気腫、気管支喘ぜん息そくなど︶、その混合型がありますが、臨床的には閉塞性がよくみられます。 肺活量80%以下、1秒率70%以下のときは障害を考える スパイロメトリーという機械で、肺活量、努力性肺活量、1秒量を測り、1秒率を計算します。診断上は、肺活量と1秒率で肺機能を調べます。 肺活量は、検査データ上では︿%肺活量﹀で表示されます。これは、実際に測定した肺活量をあらかじめ決められている標準値︵予備値︶で割ったもので、この︿%肺活量﹀が80%以下のときは検査上、拘束性肺機能障害があるといいます。一方、1秒率は、70%以下になると検査上、閉塞性肺機能障害があるといい、どちらの場合もさらにくわしい検査を行います。 10分ほどで終了、苦痛はない 座って検査をします。まず、肺活量を測ります。鼻をノーズクリップで止め、呼吸管を接続したマウスピースを口に加え、静かな呼吸を数回繰り返したのち︵少し息苦しさを感じることもあるが、呼吸は普通にできる︶、一度大きく息を吐き︵最大呼気︶、次に大きく息を吸い︵最大吸気︶、さらに大きく息を吐きます︵呼気肺活量、一般にいう肺活量︶。これを2~3回繰り返します。 次に、努力性肺活量、1秒量を測ります。まず、静かな呼吸を2~3回したのち大きく息を吸い、一気に強く息を全部吐きます︵努力性肺活量︶。呼吸量はグラフに表れ、1秒間の呼気量を測り︵1秒量︶、呼気率を計算します︵1秒率︶。 10分くらいですべて終了します。苦痛はありません。 喘息発作で苦しいときは行わない 当日の飲食は、普通にとってかまいません。検査時は入れ歯を外して行います。喘息発作で呼吸が苦しいときは、検査はできません。また、検査で喘息発作を誘発することがありますので、注意が必要です。 疑われるおもな病気の追加検査は ◆肺気腫→胸部単純X線撮影、胸部CTなど ◆気管支喘息→胸部単純X線撮影、血液検査︵好酸球、IgE︶など 医師が使う一般用語 ﹁はいきのう﹂﹁こきゅうきのう﹂
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■スパイログラム上での努力呼気曲線
![](/image/dictionary/byoinkensa/media/p102_02.jpg)
︿用語解説﹀ 肺活量‥空気を最もたくさん吸い込んだとき︵最大吸気︶と、 できるだけ吐き出したとき︵最大呼気︶の差 %肺活量‥︿実際に測定した肺活量÷標準値︵予備値︶﹀ 標準値‥ 男性︵50歳、身長160~170㎝︶=3500~3700mℓ 女性︵50歳、身長150~160㎝︶=2500~2700mℓ 努力性肺活量‥最大吸気位からできるだけ速やかに吐き出したときの肺活量 1秒量‥1秒間で最大に吐き出せる呼吸量 1秒率‥全体呼気量に対する1秒量の比率 呼吸の力を評価し、障害部位を特定する検査で、異常があればくわしく調べます。喘息のある人は、検査で喘息を誘発する場合があるので注意が必要です。 肺気腫、気管支喘息などの診断の助けとなる検査 息苦しい、咳せきや痰たんが出る、動悸がするなどの症状があって、肺の病気を疑うときに行う検査で、呼吸の力︵吸きゅ気うき・呼こ気き︶を定量的に評価し、障害の部位を明らかにします。 肺機能障害には大別して、肺の有効容量が小さくなる拘こう束そく性肺機能障害︵肺結核、肺線維症など︶、気道が狭くなる閉塞性肺機能障害︵肺気腫、気管支喘ぜん息そくなど︶、その混合型がありますが、臨床的には閉塞性がよくみられます。 肺活量80%以下、1秒率70%以下のときは障害を考える スパイロメトリーという機械で、肺活量、努力性肺活量、1秒量を測り、1秒率を計算します。診断上は、肺活量と1秒率で肺機能を調べます。 肺活量は、検査データ上では︿%肺活量﹀で表示されます。これは、実際に測定した肺活量をあらかじめ決められている標準値︵予備値︶で割ったもので、この︿%肺活量﹀が80%以下のときは検査上、拘束性肺機能障害があるといいます。一方、1秒率は、70%以下になると検査上、閉塞性肺機能障害があるといい、どちらの場合もさらにくわしい検査を行います。 10分ほどで終了、苦痛はない 座って検査をします。まず、肺活量を測ります。鼻をノーズクリップで止め、呼吸管を接続したマウスピースを口に加え、静かな呼吸を数回繰り返したのち︵少し息苦しさを感じることもあるが、呼吸は普通にできる︶、一度大きく息を吐き︵最大呼気︶、次に大きく息を吸い︵最大吸気︶、さらに大きく息を吐きます︵呼気肺活量、一般にいう肺活量︶。これを2~3回繰り返します。 次に、努力性肺活量、1秒量を測ります。まず、静かな呼吸を2~3回したのち大きく息を吸い、一気に強く息を全部吐きます︵努力性肺活量︶。呼吸量はグラフに表れ、1秒間の呼気量を測り︵1秒量︶、呼気率を計算します︵1秒率︶。 10分くらいですべて終了します。苦痛はありません。 喘息発作で苦しいときは行わない 当日の飲食は、普通にとってかまいません。検査時は入れ歯を外して行います。喘息発作で呼吸が苦しいときは、検査はできません。また、検査で喘息発作を誘発することがありますので、注意が必要です。 疑われるおもな病気の追加検査は ◆肺気腫→胸部単純X線撮影、胸部CTなど ◆気管支喘息→胸部単純X線撮影、血液検査︵好酸球、IgE︶など 医師が使う一般用語 ﹁はいきのう﹂﹁こきゅうきのう﹂
出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報