デジタル大辞泉
「能動態」の意味・読み・例文・類語
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のうどう‐たい【能動態】
(一)〘 名詞 〙 文法で、ある動作作用について述べるとき、その動作作用の主体であるものを主語に立てた場合に、述語がとる形式。⇔受動態。︹日本口語法精義︵1909︶︺
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
能動態
のうどうたい
active voice
文法用語。態voiceの一つで、受動態passive voiceに対する。﹁太郎が次郎を殺した﹂や、英語のJohn killed Bill.のように、他動詞が表す動作の主体である動作主を文の主語とし、その動作の対象である受動者を目的語とする構文形式。人は動作主の立場からできごとをみるのが普通で、したがって、それを主語とする能動文のほうが、受動者の立場からそれを主語とする受動文よりも一般的で、両者が使われる頻度は、能動文のほうがはるかに高い。また形のうえからも、能動文は他動詞をそのまま使うが、受動文ではそれに受け身の助動詞﹁れる、られる﹂をつけるなど複雑になる。つまり能動文を基本とし、それから受動文をつくると考えられる。英語その他の言語でも同様である。
﹇奥津敬一郎﹈
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
能動態
のうどうたい
active voice
動詞の態のなかで,主語が定動詞の表わす動作の動作主になっていることを示すもの。たとえばラテン語で amo (私は愛する) は能動態,これに対して amor (私は愛される) は受動態である,という。
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世界大百科事典(旧版)内の能動態の言及
【態】より
…たとえば,英語のJohn kicked the dog.という文で〈kick〉という行為の主体であるJohnは主語としてあらわれており,その動作の及ぶ対象であるthe dogは目的語となっている。このような場合動詞は能動態active voiceである。これに対して,同一事実を視点を変えてThe dog was kicked by John.ということができる。…
【日本語】より
…また,︿すぐれている,漂々としている﹀のような,形容詞的な性格のものもある。
﹇態(ボイス)﹈
あるものが他のものに働きかけ,影響を与える種類の表現で,働きかける側を主役に見立てて言う形式と,働きを受ける側を主役に見立てて言う形式とが規則的な対立としてとらえられるとき,前者を能動態,後者を受動態と呼ぶことが多くの言語についていわれる([態])。日本語では,︿王さんが彼を育てた﹀︿彼は王さんに育てられた﹀のように,︿~する﹀と︿~される﹀の対立が規則的に見られるから,︿(ら)れる﹀が受動態(受け身)を表す文法的形式だということができる。…
※「能動態」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」