デジタル大辞泉 「脳幹」の意味・読み・例文・類語 のう‐かん〔ナウ‐〕【脳幹】 脳のうち、間脳・中脳・橋(きょう)・延髄の総称。大脳半球の幹の意でいい、生命維持に重要な機能の中枢部があるほか、感覚神経・運動神経の通路になっている。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「脳幹」の意味・読み・例文・類語 のう‐かんナウ‥【脳幹】 〘 名詞 〙 脳のうち大脳半球と小脳を除いた部分。間脳・中脳・橋・延髄からなり、脳の根幹をなす部分で、生命維持に大切な中枢が集まっている。〔頭脳(1958)〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「脳幹」の意味・わかりやすい解説 脳幹 (のうかん)brain stem ヒトを含む哺乳類の脳は大きく分けて,終脳︵大脳半球︶,間脳,中脳,橋︵きよう︶,小脳,延髄の各部分からできていて,延髄はさらに下方の脊髄に続く。このうち終脳,間脳,中脳の三つの部分を合わせて大脳と呼び,大脳半球と脊髄を結合する部分は脳の幹部にあたるところから脳幹と呼ばれる。すなわち脳幹は大脳核︵大脳基底核︶,間脳,中脳,橋,延髄の部分をさすが,一般には狭義に用いて,小脳を除く中脳から延髄までの部分をさすことが多い。脳幹は脊椎動物の脳に共通して存在する基本的な部分である。脳幹はその高さや場所により構造が異なっている。しかし,それらは発生学的にみると共通した構造であり,それぞれの部分で神経の結合と機能が分化して変化したものである。脳幹の中軸︵芯︶をなす構造として被蓋がある。これは系統発生的に古く,どの脊椎動物の脳にも存在するものである。ここには脳幹網様体がある。これは網目状に織りなす神経繊維とその間に散在する神経細胞の集団からできている。この神経細胞の集団は網様核と呼ばれている。 執筆者‥松下 松雄 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
百科事典マイペディア 「脳幹」の意味・わかりやすい解説 脳幹【のうかん】 脳のうちで大脳半球と小脳を除いた部分。間脳,中脳,橋(きょう),延髄を合わせて呼び,多くは大脳核もこれに加える。灰白質,白質が入りまじって複雑な構造を示し,大脳半球と脊髄の中間を占めて両者の連絡路となるとともに,高次の自律的な諸機能の中枢をなす。また脳神経は嗅(きゅう)神経を除いてすべて脳幹から出る。脳幹の機能が停止すると脳死となり,人工的な生命維持装置なしに生きることはできなくなる。 →関連項目脳 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「脳幹」の意味・わかりやすい解説 脳幹のうかんbrain stem 脳の幹をなす部分という意味で,一般に間脳,中脳,脳橋,延髄で構成されている。脳幹には,左右の大脳半球と脊髄を結ぶ上行性および下行性連絡路,多数の脳神経核,生存のための基礎的反射中枢の多く (血圧,心拍,呼吸,姿勢などの反射) が存在する。さらに,意識の適正な持続に関与する網様体が脳幹の全レベルに存在する。そのため,この部に直接的障害 (脳幹部腫瘍や血管性病変) とか,間接的障害 (遠隔病変部の圧迫による脳かんとんなど) があると,意識障害を起し,生命に直接危険が及ぶ。脳幹に不可逆性の機能喪失が起ると,大脳もその機能を保持できなくなる。イギリスではこの脳幹死をもって人間の死としている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
日本大百科全書(ニッポニカ) 「脳幹」の意味・わかりやすい解説 脳幹のうかん 脊髄(せきずい)と大脳半球とを連絡し、大脳半球の幹(みき)にあたる部分。脳幹には、脊髄に続く延髄、橋(きょう)︵後脳のうち、小脳を除外した部分︶、中脳、間脳、大脳核が含まれる。 ﹇編集部﹈ [参照項目] | 大脳 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例