デジタル大辞泉 「蝋」の意味・読み・例文・類語 ろう〔ラフ〕【×蝋】 高級脂肪酸と一価または二価の高級アルコールとのエステル。固体または液体で油脂に似るが、酸化や加水分解に対して安定。動物性の蜜蝋・鯨蝋などと、植物性の綿蝋などがある。また、俗に、油脂である木(もく)蝋や炭化水素のパラフィンも含めていう。ワックス。 ろう︻蝋︼﹇漢字項目﹈ ﹇人名用漢字﹈ ﹇音﹈ロウ︵ラフ︶︵呉︶︵漢︶ みつろう。ろう。ワックス。﹁蝋(ろう)燭(そく)/鯨蝋・屍(しろ)蝋(う)・封蝋・蜜(みつ)蝋(ろう)・木蝋﹂ [補説]人名用漢字表︵戸籍法︶の字体は﹁蠟﹂。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「蝋」の意味・読み・例文・類語 ろうラフ【蝋】 (一)〘 名詞 〙 (二)① 動植物から採取する、脂肪に似た物質。熱すれば溶けやすく、燃えやすい。鯨蝋・蜜蝋の類。化学的には、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルで、液体のものと固体のものとがある。純粋なものは白色で無臭。化学的性質は油脂に似ているが、より安定している。動植物体の表面にあって湿潤や乾燥を防ぎ、保温の作用がある。つや出し、医薬品、化粧品などに用いられる。木蝋のように融点が高くて形状の似ている脂肪をいうこともある。︹十巻本和名抄︵934頃︶︺ (三)② ﹁ろうそく︵蝋燭︶﹂の略。︹和漢三才図会︵1712︶︺ ︹王安石‐同杜史君飲城南詩︺ 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「蝋」の意味・わかりやすい解説 蝋【ろう】 高級脂肪酸と1価︵ときに2価︶の高級アルコールとのエステル。鯨蝋,蜜蝋,イボタ蝋,ラノリンなどの動物蝋と,カルナバ蝋,とりもちなどの植物蝋がある。油脂に似て水に不溶で,アルコールやクロロホルムに溶けるが,より安定で空気中で変質しにくい。石蝋︵パラフィン︶や木蝋は,俗に蝋といわれているが,化学成分はそれぞれ炭化水素および油脂である。 →関連項目エステル|高級アルコール|高級脂肪酸|蝋纈染 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報