記号論理学(読み)キゴウロンリガク(英語表記)symbolic logic

翻訳|symbolic logic

デジタル大辞泉 「記号論理学」の意味・読み・例文・類語

きごう‐ろんりがく〔キガウ‐〕【記号論理学】

命題概念推論などを、その要素と関係に還元して記号で表記し、論理的展開を数学的演算の形で明らかにする論理学の一分野。哲学・数学などに応用される。数学的論理学。数理論理学。→論理学

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「記号論理学」の意味・読み・例文・類語

きごう‐ろんりがくキガウ‥【記号論理学】

  1. 〘 名詞 〙 概念、命題などを人工的な記号で表わし、論理的思考を数学的演算に類する操作で行なう論理学。アリストテレス以来の古典論理学に対するもので、現代論理学と同名に用いられる。数理論理学。数学的論理学。記号的論理学。記号論理。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「記号論理学」の意味・わかりやすい解説

記号論理学
きごうろんりがく
symbolic logic

数理論理学ともいう。命題や論理概念を記号で表し、推論を式の変形という形式的な法則に還元して論理学を組織する一分科である。19世紀後半にG・ブールらの論理代数が現れ、フレーゲによって現代の記号論理学の基礎が築かれた。B・A・W・ラッセルはこれを大きく発展させ、『プリンキピア・マテマティカPrincipia Mathematica(1910)に集大成し、記号論理学の方法を確立した。

[西村敏男]

記号論理学における記号


3aa8nnmm3a812xyAABABABAABABABxFxFxFFxN(x)xynn(1)R( ,, )nt1,, tnR(t1,, tn)(2)ABAABABAB(3)FxxxxFxF

西

記号論理学における記号の意味

数学の証明などで通常使われる論理を二値論理といい、命題(論理式)は「真」(1で表す)か「偽」(0で表す)のいずれか一方の値をとるものと考える。命題の「真」「偽」の値をその真理値という。

[西村敏男]

命題論理と述語論理


ABC10

(1)AA1(), A0=A
(2)AAA()
(3)ABBA()
(4)(AB)CA(BC)()
(5)A(BC)(AB)(AC)()
(6)(AB)AB()
(1)AA0(), A1=A
(2)AAA
(3)ABBA
(4)(AB)CA(BC)
(5)A(BC)(AB)(AC)
(6)(AB)AB
 (1)(6)(1)(6)1001()10A|B(AB)A|BAAA101101xFxF
  xFxF, xFxF
x(FF)

西

記号論理の公理的展開




(1)(AB)((BC)(AC))
(2)(AA)A
(3)A(AB)
ABC

(4)xA
  x(AB)(AxB)
(5)xAA
AAxAy

 

(1)AA|BB

(2)xAxA(1)(2)(3)(1)AAAAAA

 

西

19671971

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「記号論理学」の意味・わかりやすい解説

記号論理学 (きごうろんりがく)
symbolic logic
mathematical logic


19

1

 ︿

 ︿AA2

 ︿



 ︿

︿︿pq

 ︿ppq

2

3pq︿p︿p︿1999︿1999︿ppp︿pp︿pqpq︿pqpq︿pqpq︿pqpqpq




出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「記号論理学」の意味・わかりやすい解説

記号論理学【きごうろんりがく】

英語ではsymbolic logic。〈数理論理学〉〈数学的論理学〉とも。現代論理学の別称と言ってよいが,推論を記号試算によって行うという発想はライムンドゥス・ルルス(ルルスの術),ライプニッツ(マテシス・ウニウェルサリス)以来あり,ブールやド・モルガンを経てフレーゲに至り(《概念記法》1879年),ホワイトヘッド=ラッセルの《プリンキピア・マテマティカ》(1910年―1913年)によって完成された。フレーゲ以前の〈伝統的論理学〉(三段論法)との違いは,推論の範囲が飛躍的に拡大し,量化(quantification)の扱いが可能になって,命題の分析が数学的に厳密な仕方で行われるようになったことである。→論理学
→関連項目数理論理学タルスキーブールペアノ命題論理

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「記号論理学」の意味・わかりやすい解説

記号論理学
きごうろんりがく
symbolic logic

数学的論理学,ブール=シュレーダーの論理学ともいう。その他,数理論理学,理論的論理学,論理代数などともいわれる。この論理学では,命題の構文論的カテゴリーとその構造上の関係のみを取上げ,論理学を純粋に形式化し,ある規則を定めて,これによって論理的な計算を行う。そのために,概念,命題,推論などが記号化され,すべての法則が,定められた推論規則によっていくつかの公理から導き出される。こうして組織された論理学が記号論理学である。現代記号論理学の始祖は G.フレーゲであるが,その思想は G.ペアノによって採用され,記号も簡素化された。さらに A.ホワイトヘッドと B.ラッセルが『数学原理』 Principia Mathematicaを著わし,C. I.ルイス様相論理学を,E.ポストが多値論理学を,H.カリーが結合論理学を発表した。公理論的な基礎研究は D.ヒルベルトによって決定的に推し進められ,今日にいたっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の記号論理学の言及

【論理学】より


 寿



 4(1)4

※「記号論理学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

タコノキ

タコノキ科の常緑高木。小笠原諸島に特産する。幹は直立して太い枝をまばらに斜上し,下部には多数の太い気根がある。葉は幹の頂上に密生し,長さ1〜2m,幅約7cmで,先は細くとがり,縁には鋭い鋸歯(きょし)...

タコノキの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android