貝塚(読み)カイヅカ

デジタル大辞泉 「貝塚」の意味・読み・例文・類語

かい‐づか〔かひ‐〕【貝塚】

古代人が捨てた貝殻が層をなして積もった遺跡。日本では縄文時代に属するものが代表的で、貝殻のほかに鳥獣や魚の骨、土器・石器・骨角器などを含み、人骨も発掘されている。
[類語]遺跡遺址旧跡旧址古跡古址史跡名跡遺構城跡城址古戦場廃墟
 

 
西9.12010  

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精選版 日本国語大辞典 「貝塚」の意味・読み・例文・類語

かい‐づかかひ‥【貝塚】

 

(一)[1]    ()
(一)[]()(1895)
(二)[2] 西沿()綿()
 

かいづかかひづか【貝塚】

  1. ( 「かいつか」とも ) 姓氏の一つ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「貝塚」の意味・わかりやすい解説

貝塚
かいづか


()Worsaae1850()Kjökken möddingerkitchen midden沿西()


貝塚数


195934()214796730001500


立地


10


形状

貝塚の形状は、台地縁(へり)近く、谷頭、舌状(ぜつじょう)台地の先端、尾根状台地の鞍部(あんぶ)など立地する地形条件によって外的に、さらに竪穴(たてあな)住居址(し)などの遺構の覆土、平坦(へいたん)地、緩急斜面などの捨てる場所によって内的に規定されている。その結果、平面形は、地点貝塚、点列貝塚、点列馬蹄形(ばていけい)貝塚、弧状貝塚、馬蹄形貝塚など(ほぼこの順に規模も大きく、貝殻の量も多くなる)に分けられるが、立地や捨て場によって形状がかなり異なる。たとえば、尾根状台地の先端や鞍部型馬蹄形貝塚は東北地方、谷頭斜面型馬蹄形貝塚は古鬼怒(こきぬ)湾沿岸、台地縁辺覆土・平坦地型馬蹄形貝塚は東京湾沿岸に目だつ。

[堀越正行]

性格

貝塚には2通りの解釈がある。一つは、すべて貝塚は居住者の日常的捕食によって形成されたとする考えであり、もう一つは、大貝塚は、これに加えて保存食や交換財としての干し貝加工によって形成されたとする考えである。小池裕子のハマグリの貝殻成長線による採取季節推定(1975)によると、縄文時代のハマグリ採取は、基本的には周年行われていたものの、春季から夏季前半に採取の盛期(60~70%)を迎え、夏季からしだいに減少し始め、秋季後半と冬季の採取は不活発であるという。貝類採取が一定の季節性を帯びていることは、今日の潮干狩とまったく同じである。余分に採取した貝を干し貝に加工していたことは十分予想される。しかし、いかに大貝塚であろうと、貝を主食としていたとは考えられない。

[堀越正行]

貝の種類


沿600050010020


その他の遺物


pH6pH8()()


研究史


()800()ES1877109調()退調()



 1978198421960


貝塚(市)
かいづか


西194318()西()()JR2617060()16()()()2()綿()綿19352001131381162019126705()()()()43.93844432020



319551958

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改訂新版 世界大百科事典 「貝塚」の意味・わかりやすい解説

貝塚 (かいづか)
shellmound




2000沿沿100m8000650055004m退U100150m西沿沿

沿沿西西沿沿


貝塚[市] (かいづか)


1943905192010JR26綿1934綿


沿361545145077580退8334320
 94316101525110174631500674611413522綿709100434090165

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百科事典マイペディア 「貝塚」の意味・わかりやすい解説

貝塚【かいづか】

 
便()3000沿1878調
10  

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日本歴史地名大系 「貝塚」の解説

貝塚
つじかいづか

[現在地名]加津佐町野田名

小松こまつ川とほり川に挟まれた舌状台地の西側にある弥生時代の遺跡。眼前に熊本県の天草あまくさの島々が望見される標高三〇―四〇メートルの地で、東手には弥生時代を中心とする栴檀せんだん貝塚がある。平成二年(一九九〇)・同八年に発掘調査。弥生時代後期前葉から終末期の土器を伴っており、溝で区切った一辺一八メートルの方形の地区がみられ、居住区域を示すとされる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「貝塚」の意味・わかりやすい解説

貝塚
かいづか
shellmound

 
調1877 E.S.調 1970  

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「貝塚」の解説

貝塚
かいづか

過去の人類が居住地の周辺に捨てた貝類の殻や魚骨・獣骨が層をなして堆積した遺跡。縄文早~晩期に各地にみられるが,関東地方の東京湾沿岸には大規模な貝塚が集中する。地域によっては弥生~古墳時代以降までみられる。貝塚を構成する貝から,海水産主体の鹹水(かんすい)貝塚と淡水産主体の淡水貝塚にわけられ,さらに純鹹・主鹹・淡鹹・主淡・純淡に細分される。規模のうえでは平面形が環状または馬蹄(ばてい)形をなす大型貝塚と,廃屋となった竪穴住居の窪地などに堆積した小型貝塚がある。貝塚は日々の食べかすや不用品が下から順に堆積しているので,縄文土器の編年研究に大きく寄与し,通常の遺跡では遺存しにくい埋葬人骨なども多く検出され,葬制の研究や人類学的な研究が進められた。当時の食生活や生業活動に関するさまざまな資料も得られる。

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旺文社日本史事典 三訂版 「貝塚」の解説

貝塚
かいづか

 

 ()  ()   

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旺文社世界史事典 三訂版 「貝塚」の解説

貝塚
かいづか

原始時代の人間の食べた貝がらや動物の骨・土器・石器などが層をなして堆積している場所
ヨーロッパでは中石器時代,日本では縄文時代初期から現れた。デンマークや日本に多く,考古学資料の宝庫となっている。

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防府市歴史用語集 「貝塚」の解説

貝塚

 
   

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世界大百科事典(旧版)内の貝塚の言及

【和泉国】より


 ()()()

【貝】より


【貝と人間】
 貝と人との関係は,それを食べ物として海や川で採取したことに始まる。その食べたあとの殻が積み重なってできたのが貝塚で,日本をはじめ世界各地に遺跡として残されている。また美しい貝は飾りに使われ,さらに貨幣に使われるなど,貝と人間の関係は深くなり,貝にまつわる伝説,信仰へと発展した。…

※「貝塚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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