日本歴史地名大系 「輪島市」の解説
輪島市
わじまし
面積：二六八・六一平方キロ
県の北部、能登半島の北岸部に位置し、市域の大部分は山地。東は珠す洲ず市・柳やな田ぎだ村、南は能の都と町・穴あな水みず町、西は門もん前ぜん町に接し、北は日本海に面し、沖合に七ななッ島・舳へぐ倉ら島がある。東部は岩いわ倉くら山︵三五七メートル︶・宝ほう立りゆう山︵四六八・六メートル︶・舞まい谷だに御ごぜ前ん山︵三六七・八メートル︶などが連なり、中央部には高こう洲しゆう山︵五六七メートル︶・鉢はち伏ぶせ山︵五四三・六メートル︶、南部は一〇〇―二〇〇メートルの三み井い丘陵、西部には三さん蛇じや山︵三七二メートル︶・佐さ比び野や山︵三八七・八メートル︶など市域の大部分は山地。中央部を北流する河かわ原ら田だ川・鳳ふげ至し川が合流して輪島川となり海へ注ぐが、これらの川の流域に開けた輪島平野に市街地があり、輪島川河口に輪島港がある。東部は町まち野の川流域に町野平野が開けている。東西に長い海岸線にほぼ沿って国道二四九号が走る。JR七尾線は河原田川沿いに縦走、輪島・能のと登い市ちノの瀬せ・能登三井の三駅がある。平成三年︵一九九一︶九月に田たつ鶴るは浜ま︵田鶴浜町︶―輪島間は第三セクターのと鉄道となる。これに主要地方道七尾―輪島線が並走する。舳倉島へは定期船が一日一往復している。
〔原始〕
縄文時代の集落遺跡には、山間部に立地するものとして河原田川上流の三みい井し新ん保ぼ遺跡︵前期後葉︶があり、海岸寄りには宅たく田だう上わののや山ま遺跡︵後・晩期︶や大型石棒を出土した大おお沢ざわ遺跡︵中・晩期︶が知られている。弥生時代に入ると、舳倉島に深ふか湾わん洞どう遺跡︵柴山出村式期︶が出現し、初期弥生人が漁労活動を行うため渡島し、小集落を営んだことを示している。三み井い美み登ど里りヶ丘おか遺跡は弥生末から古墳時代初頭にかけての集落跡である。釜かま屋やだ谷にの丘陵尾根筋に築かれた四よつッつ塚か古墳群︵方墳・円墳︶は、発掘調査されていないが古相を帯びており重要である。古墳時代後期になると稲いな舟ぶねや大おお川かわの丘陵斜面に横穴墓群が現れる。稲舟一号横穴からは直刀・玉類などが出土、同八号横穴からは三体分の人骨や玉類・金環などが出土した。
奈良・平安時代には稲舟や洲す衛えの丘陵斜面で須恵器生産が始まり、稲舟古窯跡︵七世紀末頃︶では須恵器のほかに陶硯や布目瓦も製作されている。当時の集落跡としては三みい井こい小ず泉み遺跡︵八世紀前半︶があり、掘立柱建物跡一〇棟や井戸跡・土坑群などを検出している。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「輪島市」の意味・わかりやすい解説
輪島〔市〕
わじま
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