電子図書館(読み)デンシトショカン(英語表記)electronic library

デジタル大辞泉 「電子図書館」の意味・読み・例文・類語

でんし‐としょかん〔‐トシヨクワン〕【電子図書館】

electronic library》文献資料を電子化し、インターネットなどのコンピューターネットワークを通じて情報提供をはかる図書館。エレクトロニックライブラリー

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精選版 日本国語大辞典 「電子図書館」の意味・読み・例文・類語

でんし‐としょかん‥トショクヮン【電子図書館】

  1. 〘 名詞 〙 電子化した情報をネットワークなどを通して検索・閲覧できるようにしたシステム。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「電子図書館」の意味・わかりやすい解説

電子図書館
でんしとしょかん
electronic library
digital library
virtual library


調()

電子図書館出現の背景


1945()electronic numerical integrator and calculator1960()1970

 19801990Albert Gore1948 World Wide WebMozaic()

 1990957

電子図書館の特徴

電子図書館はネットワーク上の文章や画像をはじめとする多様なメディアを相互に関連づけて扱うハイパーメディアを対象とするので、図書や雑誌という紙メディアにあった制約が少なくなる。利用時間や場所の制限がなくなり、音楽や動画を含めた情報を自由に閲覧できるようになる。また論文や小説などの文章全体(全文)に対して、人工知能研究・自然言語処理などの成果が盛り込まれるので、内容そのものに関する知識情報提供など、これまで人手では限界があった多くのサービスが生まれ向上する。一般インターネット世界との違いは、電子図書館が恒常的に中立的な立場にたって必要な情報を取捨選択し、分析し、蓄積し、利用者の目的や要求にかなった高度な援助を行うところにある。

内外の電子図書館


1990西199810200221

 1990使使19949856199921

 ()

電子図書館の課題


調()調



19941994199619961998199919991999200020012001

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大学事典 「電子図書館」の解説

電子図書館
でんしとしょかん




1996便5

 

 便調pathfinder



V.Vannevar Bush1890-19741945memexmemory extendermemex1971

 1994BBCC1996



CD-ROM

 25520134

 
: 

: http://www. ndl. go. jp/jp/aboutus/dlib/project/

: F. 1996.

: 2010.

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知恵蔵 「電子図書館」の解説

電子図書館

インターネットを通じて、電子書籍を無料で借りられるサービスのこと。利用者は、貸し出し登録をした図書館のIDなどを使い、サービス業者などのサイトから、電子書籍をパソコンやタブレットといった自分の情報端末にダウンロードする。あらかじめ設定された貸し出し期間が過ぎると、自動的に閲覧できなくなり、「返却」される仕組みだという。
利用者側のメリットとしては、図書館に足を運ぶ必要がない、24時間利用できる、本の中で特定の語句が表記されたページを検索できる、文字の拡大や音声読み上げ機能などを備えているものもあるため障害があっても利用しやすい、などがある。また、図書館側には、紙のように資料が痛むことがない、複数の利用者に対して同時に同じ資料を提供できる、物理的な資料の保存スペースが必要なくなる、といった利点がある。
国内の公立図書館では2007年、東京都の千代田区立図書館が電子書籍の貸し出しを始めた。日本図書館協会によると、13年4月現在、全国の公立図書館のうち、電子書籍を取り扱っているのは約30館で、全体の約1%にとどまっているという。
公立図書館で普及が進まない背景には、電子書籍を扱う場合、いったん購入すれば著作権者の許可がなくても貸し出しできる紙の本と異なり、貸し出しではなく「公衆送信」という扱いになるため、著作権者の許可や使用料が必要となるという事情がある。紙の本への売り上げへの影響を懸念する出版社や著者が書籍の電子化に消極的で、コンテンツが少ないという理由もあるとされる。
コンテンツ不足の解消のため、KADOKAWAと講談社、紀伊國屋書店は13年、「日本電子図書館サービス(JDLS)」を共同で設立、図書館で貸し出しできる電子書籍の増加を目指している。また、インターネット通販大手の楽天は、15年3月、電子図書館事業の世界最大手、米オーバードライブ社を4.1億ドル(約495億円)で買収すると発表した。既に展開している電子書籍サービスだけでなく、出版社から有料で貸し出し用の電子書籍を調達し、利用料と引き換えに図書館に提供するビジネスにも乗り出すという。
加えて、国立国会図書館が14年から、同館がデジタル化した資料のうち、絶版などで入手困難となったものを全国の公立図書館へ提供する取り組みを始めたことや、16年の障害差別解消法の施行により、公立図書館にも障害者への配慮が義務付けられるようになることから、公立図書館での電子サービス導入が進むと見る向きもある。
公立図書館以外では、ボランティアによって運営されているインターネットのサイト「青空文庫」などがある。このサイトでは、著作権が消滅した作品や、著作権者の許可が得られた作品が、ボランティアの手で電子化され、提供されている。

(南 文枝 ライター/2015年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

百科事典マイペディア 「電子図書館」の意味・わかりやすい解説

電子図書館【でんしとしょかん】

 
2008EU20101400  

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「電子図書館」の意味・わかりやすい解説

電子図書館
でんしとしょかん
electronic library

図書館がもつ膨大な図書や雑誌などの情報を,ネットワークを通じて提供するシステム。オンライン図書館ともいう。図書や付随する情報はページ単位で電子ファイル化されるため,閲覧したい本の題名や目次,索引だけでなく,主要な記述内容や画像・図表までもが検索の対象となる。このシステムにより,直接図書を貸し出した場合に問題となる劣化や紛失を避けることができる。文字にかぎらず,音声や動画などのマルチメディア情報にも対応している。また近年,欧米などの主要学術雑誌は電子情報化され (電子ジャーナルまたはオンライン・ジャーナルと呼ばれる) ,図書館へ届けられる。図書館の端末から出版社のサーバにアクセスすればバックナンバーから最新号まで閲覧できる。しかし紙媒体と同様,図書館にすべてのファイルがあるわけではないことや,契約が切れたら読むことができないという問題点がある。

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図書館情報学用語辞典 第5版 「電子図書館」の解説

電子図書館

資料と情報を電子メディアによって提供すること,とりわけネットワークを介して提供することをサービスの中心に据えて,従来の図書館が担ってきた情報処理の機能の全体または一部を吸収し,さらに高度情報化社会の要請に呼応した新しい機能を実現させたシステムまたは組織,機関.1960年代以降の図書館機械化の流れの中で,1980年代後半から北米の議論が日本にも紹介され,1994年に長尾真(1936- )による電子図書館構想「アリアドネ」,1998年に「国立国会図書館電子化構想」(1998- )が発表された.公共図書館の電子書籍貸出サービスを指して「電子図書館サービス」と呼ぶこともあり,電子出版制作・流通協議会の調査では全国86館で実施されている(2019年現在).インターネット上のシステムやサービスを指して「デジタルライブラリー」とも呼ばれる.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「電子図書館」の解説

電子図書館

インターネットを利用して、図書館の所蔵する本のデータベースにアクセスしたり、電子化された本を参照したりできる図書館のこと。家に居ながらにして図書館を利用できる画期的なシステムであるが、著作権の問題など解決すべき問題点も多い。

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