百科事典マイペディア 「TRIPS協定」の意味・わかりやすい解説 TRIPS協定【トリップスきょうてい】 世界貿易機関︵WTO︶の設立に関する協定の一環を構成する︿知的所有権の貿易的側面に関する協定﹀agreement on trade-related aspects of intellecutual property rights.︵1994年︶のこと。国際的な知的財産権の保護の水準を大幅に引き上げ,協定違反に対してはWTOの紛争解決手続によって制裁するなど,画期的な内容を含む。また,世界知的所有権機関︵WIPO︶は,これに対応して仲裁センターを発足させた。日本でも,TRIPS協定の発効にあわせて,特許法・意匠法など知的財産権関係の国内法を一部改正した。 →関連項目工業所有権保護同盟条約 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
知恵蔵 「TRIPS協定」の解説 TRIPS協定 GATTのウルグアイ・ラウンドが発展的に解消して、1995年にWTOが設立された際の主要な付属議定書の1つ。物品及びサービスの貿易に関する協定と並ぶ知的財産権の貿易関連の協定で、国際貿易、投資の促進、円滑化のためには知的財産権の保護が不可欠との認識から定められた、知的財産権保護の国際的ミニマムスタンダードである。パリ条約、ベルヌ条約などの国際条約に関係なく、WTO加盟国は、内国民待遇、最恵国待遇を原則に、知的財産権保護のための国内法整備が必要とされる。中国が2001年のWTO加盟に伴い、知的財産権法制の大幅な改正を行ったのが好例である。貿易取引が絡むため、WIPOと比較して、模倣品・海賊版の防止、取り締まりに対して実効性が高い点に特徴がある。 (桜井勉 日本産業研究所代表 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
産学連携キーワード辞典 「TRIPS協定」の解説 TRIPS協定 ﹁TRIPS協定﹂とは、特許の優先権に関する協定の1つ。WTO協定の1つとして採択されており、全てのWTO加盟国に適用され、現在130カ国以上の国が加入している。﹁TRIPS協定﹂は、パリ条約などにおける既存の義務の遵守を規定している他、加盟国が他の加盟国の国民に与える権利は全ての加盟国に与えられる、という最恵国待遇や、自国民の待遇より不利でない待遇を他の加盟国にも与える、という内国民待遇などを原則としている。 出典 (株)アヴィス産学連携キーワード辞典について 情報