はてなキーワード: 旅客運送とは
(略) ⑵ 本件に至る経緯 ① 原告は、平成15年7月30日から同年8月4日までの日程でタイ王国(バンコク)へ の旅行を計画した。 (略) ② 原告は、前記の予約に際して、両上肢及 び両下肢に障害があって車椅子を使用する こと、言語障害があること、同行者はなく 単独搭乗を予定していることを旅行会社に 伝えず、そのため、被告はこれらの情報を 当日まで知らなかった。 (略) ④ 同日午前8時50分ころ、被告の日本支社 関西国際空港支店空港カスタマーサービ ス部長であるEは、原告及びBらに対し、 原告は介助者の同行がなければ搭乗するこ とができない旨告げるとともに、その理由 として、原告に言語障害があり、意思の疎 通がスムースにできないこと、上肢及び下 肢に障害があることを挙げた。 BらはEに対し、搭乗拒否の理由につ いて具体的な説明を求めるとともに、原告 の状態を説明するなどして単独搭乗を認め るよう要望したものの、Eは原告の単独搭 乗を認めず、結局、原告はSQ973便に搭 乗することができなかった。 (略) 神戸地裁尼崎支部平成19年8月9日で は、航空会社である被告が原告の単独搭乗 を拒否したことについて、原告が、本件搭 乗拒否は旅客運送契約上の債務不履行であ り、かつ、公序良俗に反する不法行為であ るとして、被告に対して慰謝料等を請求し た事案において、原告には、身体を抱えて 移動させるとともに、緊急脱出を円滑に行 うという客室乗務員にとって対応困難な援 助が必要であるから、原告の身体の状態は、 本件規定の安全上の理由があることが認め られ、被告が原告のこのような身体の状態 を知ったのは、本件飛行便の出発約2時間 前であるから、被告において、原告の身体 の状態を考慮した人的、物的な対応を期待 するのも無理な状況であったと認定し、被 告従業員による留保解除権の行使によって 原告の単独搭乗を拒否したことは、本件規 定に基づく正当なものであるとして、原告 の請求を棄却した。そこで原告は、一審判 決を不服として控訴した。
2 大阪高裁平成20年5月29日(控訴棄 却・確定) (略) ⑴ 被控訴人の債務不履行の有無について 公共の交通機関を提供している航空会社 であれば、身体に障害のある乗客に対し、 身体の状況を事前に告知すべきことを要求 することはできないところではあるけれど も、前記認定の控訴人の身体の障害の状 態、動作の実情、これまで航空機に搭乗し た経験等の諸事実に照らすと、時間的余裕 を持って上記の諸事実が被控訴人に知らさ れていれば、控訴人が単独搭乗することに ついて必要とされる介助や緊急時の援助態 勢に関する検討をすることは十分可能であ り、それによって、被控訴人が控訴人の安 全確保に関する不安を払拭できたのではな いかと推測することができる。 しかし、Eは、控訴人に対し、Dからの 前記報告以外に、その情報を一切知らされ ていなかったために、SQ973便の搭乗手 続直前の段階におけるDからの情報に基 づいて、前記の検討をした結果、上記のと おり控訴人に対する介助や緊急時における 控訴人に対する援助態勢について不安を持 ち、介助者の同行を求めるという極めて慎 重な態度をとったものであるが、限られた 情報と時間的余裕のない中で、Eの取った 対応が、航空会社として不合理に過ぎる判 断であったとまでは言い難いものである。 以上の点を考え合わせるならば、身体に 障害のある人の積極的な社会参加、そのた めの移動の自由の確保及び旅客航空機の社 会的役割に着目し、客室乗務員が乗客に対 し、これまでに述べた意味での適切な援助 を提供すべきであること等を考慮してもな お、Eが留保解約権を行使して、控訴人に 対する本件搭乗拒否に及んだことが、当該 時点においてEが認識していた事実関係 のもとでは、不合理であったとまではいう ことはできない。 したがって、本件搭乗拒否がEの故意・ 過失による違法な判断に基づくものとし て、被控訴人に対し、その債務不履行責任 を問うことまではできないと言わざるを得 ない。 ⑵ 本件搭乗拒否が公序良俗に反するとして 被控訴人に不法行為責任が生じるか否か) について 上記の事案の概要等で摘示した本件搭乗 拒否に至った事情及び判断に記載のとお り、Eは、控訴人の前記身体の状況や外観 によって控訴人を差別的に取扱い本件搭乗 拒否に及んだものではなく、控訴人につい ての限られた情報と時間的余裕のない中 で、控訴人には単独搭乗を拒否できる前記 特別の援助が必要との判断に基づき本件搭 乗拒否に及んだものであって、このことが 公序良俗に反するとまでは言えず、本件搭 乗拒否について、被控訴人に不法行為責任 を問うことはできない。 ⑶ 以上のとおりであるから、原判決は結論 において相当であり、本件控訴は理由がな い。よって、主文のとおり判決する。最初のツイートのは平成19年? 後のほうのは控訴棄却が平成20年。︵事件の日は平成15年︶ これ同じやつかな。 ⑴ 被控訴人の債務不履行の有無について 公共の交通機関を提供している航空会社 であれば、身体に障害のある乗客に対し、 身体の状況を事前に告知すべきことを要求 することはできないところではあるけれど も、前記認定の控訴人の身体の障害の状 態、動作の実情、これまで航空機に搭乗し た経験等の諸事実に照らすと、時間的余裕 を持って上記の諸事実が被控訴人に知らさ れていれば、控訴人が単独搭乗することに ついて必要とされる介助や緊急時の援助態 勢に関する検討をすることは十分可能であ り、それによって、被控訴人が控訴人の安 全確保に関する不安を払拭できたのではな いかと推測することができる。 https://twitter.com/ktgohan/status/880081514070892544 で言われてる原則のあとに﹁けれども﹂つってなんか色々続いてるけど。 相当な理由があれば障害の内容については要求可、絶対ダメとはならない感じ。 Permalink | 記事への反応(1) | 23:59