千倉書房
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種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
![]() 〒104-0031 東京都中央区京橋3-7-1 |
設立 | 1929年 |
業種 | 情報・通信業 |
法人番号 | 2010001050363 |
事業内容 | 専門書・一般書・絵本等の出版・販売 |
代表者 | 千倉成示(代表取締役社長) |
従業員数 | 10人 |
関係する人物 | 清沢洌、高橋是清、近衛文麿、白柳秀湖、高橋亀吉、石山賢吉、正力松太郎 |
外部リンク | https://www.chikura.co.jp/ |
株式会社千倉書房︵ちくらしょぼう︶は、日本の出版社。
1929︵昭和4︶年4月3日、日本評論社の専務︵支配人︶で、雑誌﹁經濟往來﹂︵後の﹁日本評論﹂︶編集長であった千倉豊が独立し、創業する。
世界恐慌による不況下であったが、同年9月に刊行された、時の蔵相・井上準之助の著作﹃国民経済の立直しと金解禁﹄が37万部︵125刷︶を越えるベストセラーとなって社業を軌道に乗せる。
以降も﹁商業大学開放﹂をスローガンに、商業全集41巻、経営学大系30巻、工業経営全書20巻、会計学大系36巻、商業経済学大系38巻、日本経済政策大系12巻、千倉常識講座32巻といった大型企画を成功させ、商学・経営学・会計学・財政学などの分野に地歩を築く。
﹁商業大学開放﹂とは、当時の三商大︵東京商科大学﹇現在の一橋大﹈、神戸商業大学﹇現在の神戸大﹈、大阪商科大学﹇後の大阪市立大、現在の大阪公立大﹈︶における商学・経営学研究の成果を、書籍化によって広くビジネス社会に還元︵開放︶し、日本経済の活性化に寄与させたいとする創業者の理念を表す言葉であった。
現在は経営・商業のみならず、歴史、近現代を中心とする日本政治・外交、防衛、経済、国際関係、安全保障、地域研究、比較政治といった人文・社会科学、大人のための絵本などについても積極的な出版活動を行っている。
出版分野[編集]
商業、経営、会計、経済、マーケティング、組織論、政治外交史、近現代史、国際関係論、政治思想、絵本ほか沿革・事績[編集]
◆千倉豊社長時代︵1929~1953年︶[編集]
●1929年 東京府京橋區南傳馬町三丁目5︵戦後、東京都中央区京橋三丁目1と表示変更︶の第一相互館︵1921年竣工︶3階で創業︵初代社長‥千倉豊︶。 ●1929年 高田保馬﹃價格と獨占﹄、美濃部達吉﹃行政裁判所法﹄︵ともに3月25日発行︶を皮切りに、勝正憲﹃税の話﹄︵発行日未詳︶、小泉信三﹃マルクシズムとボルシェヰズム﹄︵6月1日発行︶、高橋亀吉﹃實用經濟学﹄︵発行日未詳︶、井上準之助﹃国民経済の立直しと金解禁﹄︵9月5日発行︶、河合榮治郎﹃英國労働黨のイデオロギー﹄︵9月10日発行︶、平林初之輔﹃文學理論の諸問題﹄︵9月22日発行︶、清澤洌﹃轉換期の日本﹄︵発行日未詳︶、白柳秀湖﹃日本經濟革命史﹄︵11月10日発行︶など25作品を刊行する。 ●1933年 中野正剛の慫慂を受け、2月より千倉豊﹁九州日報﹂の社長を兼務︵~1935年4月︶。 ●1935年 白柳秀湖﹃民族日本歴史﹄シリーズ︵建国編・王朝編・封建編・戦国編・近世編︶がベストセラーとなる。 ●1936年 2月6日、白柳秀湖﹃民族日本歴史﹄の完結を記念して東京會舘で出版祝賀会を開催する。発起人には伊藤正徳、林房雄、穂積重遠、徳富蘇峰、小汀利得、尾佐竹猛、上司小剣、高橋亀吉、永井柳太郎、中野正剛、柳田泉、山本実彦、山川均、松本烝治、牧野英一、正宗白鳥、小泉策太郎、小泉信三、安部磯雄、荒畑寒村、佐々弘雄、清沢洌、木村毅、三宅雪嶺、嶋中雄作らが名を連ねた。 ●1936年 2月26日に暗殺された︵2.26事件︶、高橋是清蔵相の﹃高橋是清自傳﹄︵2月9日発売︶および﹃随想録﹄︵3月31日発売︶︵ともに上塚司編︶がベストセラーとなる。 ●1936年 翌年6月に第一次内閣の組閣を控えた近衛文麿の論集﹃清談録﹄︵伊藤武編︶を刊行。論文﹁英米本位の平和主義を排す﹂などを収録する。◆千倉悦子社長時代︵1953~1988年︶[編集]
●1953年 第二代社長に千倉悦子︵豊夫人︶就任。 ●1960年 山東茂一郎著﹃販売政策の基本問題﹄が第10回日本商業学会賞を受賞。 ●1961年 荒川祐吉著﹃現代配給理論﹄が第11回日本商業学会賞を受賞。 ●1964年 荒川祐吉著﹃小売商業構造論﹄が第14回日本商業学会賞を受賞。 ●1969年 風呂勉著﹃マーケティング・チャネル行動論﹄が第19回日本商業学会賞を受賞。 ●1969年 第一相互館の建て替えに伴い、東京都中央区京橋二丁目4︵京橋第一生命ビルディング3階、1996年に5階へ︶に移転。 ●1970年 斉藤昭雄著﹃フランス会計理論――フランス純粋会計論の研究﹄が日本会計研究学会太田賞受賞。 ●1970年 竹林祐吉著﹃ボランタリー・チェーンの研究﹄が第20回日本商業学会賞を受賞。 ●1970年 山東茂一郎著﹃有標品と販売政策﹄が第20回日本商業学会賞を受賞。 ●1972年 田村正紀著﹃マーケティング行動体系論﹄が第22回日本商業学会賞を受賞。 ●1974年 野中郁次郎著﹃組織と市場﹄が第17回日経・経済図書文化賞を受賞。 ●1975年 水島一也責任監修﹁保険学シリーズ﹂刊行開始︵~2005年、全20巻完結︶。 ●1976年 12月、社団法人出版梓会に加盟。 ●1982年 田村正紀著﹃大型店問題――大型店紛争と中小小売商業近代化﹄が第32回日本商業学会賞︵優秀賞︶を受賞。 ●1983年 石原武政著﹃マーケティング競争の構造﹄が第33回日本商業学会賞︵優秀賞︶を受賞。 ●1984年 石井淳蔵著﹃流通におけるパワーと対立﹄が第34回日本商業学会賞︵優秀賞︶を受賞。 ●1986年 田村正紀著﹃日本型流通システム﹄が第29回日経・経済図書文化賞、第36回日本商業学会賞︵優秀賞︶を受賞。◆千倉孝社長時代︵1988~2004年︶[編集]
●1988年 第三代社長に千倉孝︵豊長男︶就任。有限会社から株式会社に改組。 ●1989年 戸田博之著﹃収支的簿記体系の研究――古典的カメラール簿記の発展史的考察﹄が第5回日本会計史学会賞を受賞。 ●1991年 桜井久勝著﹃会計利益情報の有用性﹄が第34回日経・経済図書文化賞、日本会計研究学会太田・黒澤賞を受賞。 ●1995年 高嶋克義著﹃マーケティングチャネル組織論﹄が第45回日本商業学会賞︵優秀賞︶を受賞。 ●2000年 山本昭二著﹃サービスクオリティ﹄が第50回日本商業学会賞︵優秀賞︶を受賞。 ●2001年 小川進著﹃イノベーションの発生論理﹄が第51回日本商業学会賞︵奨励賞︶と第17回組織学会高宮賞を受賞。 ●2002年 宮下國生著﹃日本物流業のグローバル競争﹄が第45回日経・経済図書文化賞を受賞。 ●2002年 上林憲雄著﹃異文化の情報技術システム――技術の組織的利用パターンに関する日英比較﹄が第1回日本労務学会賞︵学術賞︶を受賞。◆千倉成示社長時代︵2004年~︶[編集]
●2004年 第四代社長に千倉成示︵孝長男︶就任。 ●2004年 黄リン著﹃新興市場戦略論――グローバル・ネットワークとマーケティング・イノベーション﹄が第54回日本商業学会賞︵優秀賞︶を受賞。 ●2009年 五百旗頭眞著﹃歴史としての現代日本﹄が第7回毎日書評賞を受賞。 ●2009年 創業80周年を記念し、新シリーズ﹁叢書21世紀の国際環境と日本﹂の刊行を開始。創刊第一弾は水本義彦著﹃同盟の相剋――戦後インドシナ紛争をめぐる英米関係﹄。 ●2011年 小林道彦・中西寛編著﹃歴史の桎梏を越えて――20世紀日中関係への新視点﹄が第27回大平正芳記念賞特別賞を受賞。 ●2011年 福島安紀子著﹃人間の安全保障――グローバル化する多様な脅威と政策フレームワーク﹄が第9回日本NPO学会賞︵優秀賞︶を受賞。 ●2011年 森田雅也著﹃チーム作業法式の展開﹄が第10回日本労務学会賞︵学術賞︶を受賞。 ●2012年 待鳥聡史著﹃首相政治の制度分析――現代日本政治の権力基盤形成﹄︵﹁叢書21世紀の国際環境と日本﹂03︶が第34回サントリー学芸賞︵政治・経済部門︶を受賞。 ●2014年 阿部周造著﹃消費者行動研究と方法﹄が第64回日本商業学会賞︵優秀賞︶を受賞。 ●2015年 アジア・太平洋戦争終結70周年を期に近衛文麿著﹃清談録﹄を新版で復刊︵解題は筒井清忠︶。 ●2015年 樺山紘一著﹃歴史の歴史﹄が第69回毎日出版文化賞︵人文・社会部門︶を受賞。 ●2015年 結城祥著﹃マーケティング・チャネル管理と組織成果﹄が第65回日本商業学会賞︵奨励賞︶を受賞。 ●2015年 平野龍二著﹃日清・日露戦争における政策と戦略――﹁海洋限定戦争﹂と陸海軍の協同﹄が第1回日本防衛学会猪木正道賞︵奨励賞︶を受賞。 ●2016年 白鳥潤一郎著﹃﹁経済大国﹂日本の外交――エネルギー資源外交の形成 1967~1974年﹄︵﹁叢書21世紀の国際環境と日本﹂05︶が第38回サントリー学芸賞︵政治・経済部門︶、2015年度国際安全保障学会最優秀出版奨励賞︵佐伯喜一賞︶を受賞。 ●2017年 砂原庸介著﹃分裂と統合の日本政治――統治機構改革と政党システムの変容﹄が第17回大佛次郎論壇賞を受賞。 ●2018年 金恩貞著﹃日韓国交正常化交渉の政治史﹄が第30回アジア・太平洋賞特別賞を受賞。 ●2018年 梅本哲也著﹃米中戦略関係﹄が第4回日本防衛学会猪木正道賞︵正賞︶を受賞。 ●2018年 片野浩一・石田実共著﹃コミュニティ・ジェネレーション――﹁初音ミク﹂とユーザー生成コンテンツがつなぐネットワーク﹄が第34回電気通信普及財団賞︵テレコム社会科学賞︶を受賞。 ●2019年 高橋和宏著﹃ドル防衛と日米関係――高度成長期日本の経済外交 1959~1969年﹄︵﹁叢書21世紀の国際環境と日本﹂07︶が第31回アジア・太平洋賞特別賞を受賞。 ●2019年 創業90周年記念企画として、田村正紀﹃流通モード進化論﹄、苅部直﹃基点としての戦後﹄、戸部良一﹃戦争のなかの日本﹄を刊行。 ●2019年 金前掲﹃日韓国交正常化交渉の政治史﹄が、2018年度現代韓国朝鮮学会賞︵小此木賞︶を受賞。 ●2020年 近藤公彦・中見真也共編著﹃オムニチャネルと顧客戦略の現在﹄が日本マーケティング学会の学会賞にあたる﹁日本マーケティング本大賞2020﹂大賞を受賞。 ●2020年 石井裕明著﹃消費者行動における感覚と評価メカニズム――購買意志決定を促す﹁何となく﹂の研究﹄が﹁日本マーケティング本大賞2020﹂準大賞、2020年度日本広告学会賞︵学術著書部門︶、第71回日本商業学会賞︵奨励賞︶を受賞。 ●2021年 福島康仁著﹃宇宙と安全保障――軍事利用の潮流とガバナンスの模索﹄が2021年度日本公共政策学会奨励賞、2021年度国際安全保障学会最優秀出版奨励賞︵佐伯喜一賞︶を受賞。 ●2021年 大平修司著﹃消費者と社会的課題――ソーシャル・コンシューマーとしての社会的責任﹄が2021年度日本商品学会賞を受賞。 ●2021年 千々和泰明著﹃安全保障と防衛力の戦後史 1971~2010――﹁基盤的防衛力構想﹂の時代﹄が第7回日本防衛学会猪木正道賞︵正賞︶を受賞。 ●2021年 菊盛真衣著﹃eクチコミと消費者行動――情報取得・製品評価プロセスにおけるeクチコミの多様な影響﹄が第71回日本商業学会賞︵奨励賞︶を受賞。 ●2021年 劉慶紅著﹃利他と責任――稲盛和夫経営倫理思想研究﹄が第29回日本経営倫理学会賞︵水谷雅一賞︶を受賞。 ●2022年 京橋第一生命ビルディングの建て替えに伴い、東京都中央区京橋三丁目7の相互館110タワー︵2012年竣工︶9階に移転。 ●2022年 ケネス・盛・マッケルウェイン著﹃日本国憲法の普遍と特異――その軌跡と定量的考察﹄が第34回アジア・太平洋賞特別賞を受賞。 ●2023年 湯川勇人著﹃外務省と日本外交の1930年代――東アジア新秩序構想の模索と挫折﹄が第39回大平正芳記念賞を受賞。 ●2023年 牛軍著・真水康樹訳﹃中国外交政策決定研究﹄、島田裕巳著﹃日本の宗教と政治﹄、湯川前掲﹃外務省と日本外交の1930年代﹄、土屋大洋・川口貴久共編著﹃ハックされる民主主義――デジタル社会の選挙干渉リスク﹄、ケネス前掲﹃日本国憲法の普遍と特異﹄などを中心とした2022年度の出版活動に対し、第19回出版梓会新聞社学芸文化賞を授与される。 ●2023年 東島雅昌著﹃民主主義を装う権威主義――世界化する選挙独裁とその論理﹄︵﹁叢書21世紀の国際環境と日本﹂08︶が第35回アジア・太平洋賞大賞、第66回日経・経済図書文化賞、第45回サントリー学芸賞︵政治・経済部門︶を受賞。 ●2023年 中山俊宏著﹃理念の国がきしむとき――オバマ・トランプ・バイデンとアメリカ﹄が第35回アジア・太平洋賞選考委員会特別賞を受賞。 ●2023年 ケネス前掲﹃日本国憲法の普遍と特異﹄が第44回石橋湛山賞を受賞。関連項目[編集]
●日本の出版社一覧 ●千倉真理 - 創業者・千倉豊の孫で現社長・成示の長姉。現在は編集担当役員を務める。脚注[編集]
外部リンク[編集]
- “千倉書房”. 2023年10月1日閲覧。
- 千倉書房 - メディア芸術データベース