社会運動は﹁戸惑って﹂いるのか? あるいは、﹁失われたもの﹂をどのように取り戻すのか? 田村哲樹 政治学 / 政治理論 社会 #社会運動の戸惑い#男女共同参画政策#フェミニズム#バックラッシュ#ジェンダー・フリー 本書﹃社会運動の戸惑い ―― フェミニズムの﹁失われた時代﹂と草の根保守運動﹄︵山口智美・斉藤正美・荻上チキ︶は、2000年代前半に起こった、男女共同参画政策とフェミニズムに対する﹁バックラッシュ﹂と呼ばれた保守系反フェミニズム運動の﹁具体像﹂︵341頁︶を明らかにしようとするものである。 著者たちによれば、これまでの女性学・ジェンダー学の研究において、実際の保守運動の調査は行われておらず、そうであるがゆえに、﹁バックラッシュ﹂を担う人々について﹁当て推量﹂で論じられてきた。その結果、それらの人々は﹁自分たちとは著しく異なる他者﹂︵44頁︶だというイメージが形成されてきた。 これ
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