山口組と神戸山口組という2つの組織に分裂し、昨年は恒例の「子どもたちへのハロウィンのお菓子配り」が中止となった山口組。ところが今年は、子どもたちとの約束通り、菓子配りが復活した。市民からは山口組を慕う声も今なお根強い神戸市。「ヤクザと共生する街」の現実を取材した。(フリージャーナリスト 秋山謙一郎)

「男の約束」を守った!
菓子配りに子どもは大喜び

ヤクザと共生する街、神戸市民の意外な「山口組観」山口組総本部では今年、“約束”を守ってハロウィンの菓子配りが実施された。神戸市民の声を聞いて回ると、山口組を治安維持などで頼りにする人は今も珍しくないことが分かる。ヤクザと共生してきた街には、部外者には分かり得ない、独特の「山口組観」が息づいている。 Photo by Kenichiro Akiyama

 「やっぱり“約束”をはたしてくれたんや!」――。

 今年10月31日夕方、文教地区にして閑静な住宅地として知られる神戸市灘区にある神社で、男たちが子どもたちに“菓子”を配っていた。兵庫県警関係者によると「山口組によるもの」という。


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