Microsoft Windows XP
Windows XP(ウィンドウズ エックスピー)は、マイクロソフトが2001年に発表したWindowsシリーズに属するオペレーティングシステム(OS)である。
Windows XP | |
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Microsoft Windows ファミリー | |
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開発者 | |
マイクロソフト | |
ウェブサイト | windows.microsoft.com/ja-JP/windows/products/windows-xp |
リリース情報 | |
リリース日 |
2001年10月25日(OEM) 2001年11月16日(リテール) [info] |
最新の安定版 | 5.1 Service Pack 3(Build 2600) - 2008年4月21日 [info] |
ソースモデル | シェアードソース |
ライセンス | Microsoft EULA |
カーネル型 | ハイブリッドカーネル |
プラットフォーム | IA-32 |
サポート状態 | |
サポート終了 メインストリーム サポート終了日:2009年4月14日 (米国日時・終了済み) 延長サポート終了日:2014年4月8日 (米国日時・終了済み)[1][2] |
Windows XP Professional x64 Edition | |
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Microsoft Windows ファミリー | |
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開発者 | |
マイクロソフト | |
ウェブサイト | windows.microsoft.com/ja-JP/windows/products/windows-xp |
リリース情報 | |
リリース日 | 2005年6月1日 [info] |
最新の安定版 | 5.2 Service Pack 2(Build 3790) - 2007年3月12日 [info] |
ソースモデル | シェアードソース |
ライセンス | Microsoft EULA |
カーネル型 | ハイブリッドカーネル |
プラットフォーム | x64 |
サポート状態 | |
サポート終了 メインストリーム サポート終了日:2009年4月14日 (米国日時・終了済み) 延長サポート終了日:2014年4月8日 (米国日時・終了済み)[1][2] |
Windows XP 64-bit Itanium Edition | |
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Microsoft Windows ファミリー | |
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開発者 | |
マイクロソフト | |
リリース情報 | |
最新の安定版 | 2003 - 2003年3月28日 [info] |
ソースモデル | クローズドソース |
ライセンス | Microsoft EULA |
カーネル型 | ハイブリッドカーネル |
プラットフォーム | IA-64 |
サポート状態 | |
サポート終了 (メインストリーム サポート / 延長サポート終了日不詳) |
XPは「経験、体験」を意味するexperienceに由来する[3]。開発時のコードネームはWhistler(ウィスラー)と呼ばれていた[3]。
開発と概要
本数 | 日付 |
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700万本 | 2001年11月12日発表[9] |
1700万本以上 | 2002年1月18日発表[10] |
4600万本 | 2002年6月発表 |
1億3000万本 | 2003年7月発表[11] |
2億1000万本 | 2004年5月3日発表[11] |
エディション
市場限定版
その他
特徴
ユーザーインターフェイスと外観
システム管理
ハードウェアとデバイスドライバ
- CD-R/RW の書き込み
- これまでのWindowsでは別途ライティングソフトウェア(書き込みソフト)が必要だったが、Windows XPではRoxioのライティングエンジンが搭載されており、CD-RとCD-RWの書き込み機能に標準で対応した。フォルダにファイルを移す感覚で記録したいファイルを選択できるので利便性があり、直感的な操作が可能である。Windows Media Playerで音楽CDの記録もできるので、大半の環境では書き込みソフトの必要性はなくなった。ただし、ISOイメージ ファイルからのCD作成はできない、DAO(Disk at Once)での書き込みができない、パケットライト方式の書き込みができないなど、ライティング ソフトウェアを別途用いる場合に比して何点か制約がある。
- ClearType
- アンチエイリアシングを発展させたClearType採用により液晶ディスプレイ環境で、より鮮明な文字表示が可能となった。
Windows 9x系との互換性
- Windowsアプリケーション互換モード
- 過去のWindowsバージョンに依存したアプリケーションを動作させるモード。Windows 2000にも搭載され、さらに改良が加えられた。Windows NT系である本製品は、Windows 9x系と設計思想が異なる。そのため、そのままでは動作しないアプリケーションが少なくなく、サポート終了したWindows 9x系からの移行のために用意されたモードである。また、過去のWindows NT系に特化したアプリケーション動作にも使われる。該当するプログラムのプロパティから﹁互換性﹂タブを選ぶことで、互換性を持たせるバージョンをWindows 95、Windows 98/Me、Windows NT 4.0、Windows 2000から選択できる。マイクロソフトが公表した、ライオン株式会社のWindows 98から Windows XPへの移行の事例によると、自社開発した12のアプリケーションで、そのまま動作したのは8、表示に問題はあるが動作したのは2、ソースの書き換えが必要だったのは2で、80%以上動作したという[14]。 また、互換性を高めるためのツールとして、Application Compatibility Toolkitが配布されている。これは現在の環境で利用しているソフトの互換性調査や、マイクロソフトへの報告、互換のために用意されたShim︵設定︶を組み合わせ、自力で動作させることなどが可能になっている。さらに、互換対応したアプリケーションのデータベースを利用できる。これは、本来の仕様では動作しなかったアプリケーションに、追加で互換性を持たせたことを意味する[15]。
ネットワーク
リモートデスクトップ PCをネットワークを介して操作できるリモートコントロール機能である。ホスト側のPCはProfessionalまたはTablet PC Editionである必要がある。RDPを利用しているのでUNIX系OSでも接続が可能となっており、大半のコンピュータがクライアントとなることが可能。ローカルユーザがログオン中の場合には強制的にログオフされる。 リモートアシスタンス 操作されるPCから操作するPCへWindows Messengerや電子メールで遠隔操作の通知を出し、許可が下りれば遠隔操作できる機能。PCに詳しくない人が遠隔地にいるPCに詳しい知人からサポートを受ける用途に用意されている。この機能の利用には、双方がWindows XP以降を利用している必要がある。 IPv6 当初は開発者向けとして、一般ユーザーに対するサポートの対象外となっていたが、Service Pack 1で正式にサポートされた。ただし、実装されているIPv6の仕様が初期のものであり、古くなっているため、実際に使用するには問題があることがある。 また、ホスト名の解決を行うDNSクライアントサービス︵リゾルバ︶の実装がWindows Vista以降とは異なっており、非互換の仕様がある。Windows XPでは、IPv6を有効にすると、IPv4でのホスト名の解決に時間がかかるようになり、IPv4での性能が低下する。 この性能低下については、Windows Vista以降で改善されたが、副作用として、ホストにリンクローカルアドレスまたはTeredoアドレスしか割り当てられていない場合、ホスト名からIPv6のIPアドレスを取得できなくなるため、IPv6で通信することが困難になっている。サポート
Service Pack
ここでは、32ビットバージョンのService Packについて述べる。 Service Pack 1 2002年9月19日に公開された。既存の不具合修正に加えてUSB 2.0への対応およびDVD Audioのサポート対応、プログラムの追加と削除内にウェブブラウザやメーラーなどの特定のアプリケーションについて、サードパーティー製アプリケーションを標準で使用するように設定できる﹁プログラムのアクセスと既定の設定﹂が付け加えられている。このうち、﹁プログラムのアクセスと既定の設定﹂に関しては反トラスト訴訟に基づく。2003年2月3日にマイクロソフト製Java VM︵Microsoft VM︶を削除したService Pack 1aが公開された[16]。2006年10月11日にサポートが終了した[17]。 Service Pack 2 2004年9月2日に公開された。当初従来通りのService Packの予定であったが、計画の段階で相次いでMSBlasterなどのセキュリティホールを狙った悪意のあるソフトウェアの出現や不正アクセス事件が多発したことを受け、セキュリティの強化が最重点項目となっている。名称も従来では単にService Pack 2となるところが﹁Service Pack 2 セキュリティ強化機能搭載﹂と“副題”が付けられている。マイクロソフトの内部では、XP SP2としてリリースするのではなく、﹁XP Release 2﹂という名称で、再パッケージ化して販売しようという計画もあった。入手方法は従来通りマイクロソフトのサイトからのダウンロードとWindows Updateで行われた他、PC販売店や郵便局にて小冊子付CD-ROM配布も行われた、2004年以降のXPはSP2が標準で適用されている。2010年7月13日にサポートが終了した[18]。 Service Pack 2b 2006年7月22日に、一部の店舗で販売された。内容はSP2に一部の修正プログラムを適用したものである[19]。 Service Pack 2c 2007年︵米国では8月。日本では不明︶から販売された[20]。SP2cではプロダクトキーの不足に対応するためプロダクトキーの系統が変わった。この変更によりSP2b以前のインストールメディアではSP2cのプロダクトキーが使用できない。ただし、参照リンク先の﹁SP2c 付属のインストール メディアでインストールを行う際、従来︵SP2bまで︶のプロダクト キーを入れてしまうと“無効なプロダクト キー”と判定されてしまう﹂という記述は誤りであり、実際にはSP2c付属インストール メディアではSP2b以前のプロダクトキーを使用することはできる。 Service Pack 3 2008年4月21日に完成し、2008年5月6日にMicrosoftダウンロードセンターおよびWindows Updateで公開された。Network Access Protection、ブラックホールルーター検出、カーネルレベルでのFIPS 140-1 Level 1準拠の暗号化サポートがサポートされ、プロダクト アクティベーション システムが変更された。既にインストール済みの環境に SP3を適用する場合、SP1もしくはSP2が適用されている必要がある。SPが未適用の初期バージョンには、直接SP3を適用することはできない。また、SP3を適用したメディアはOEM向けにのみ提供されリテールパッケージは販売されていない。サポート ライフサイクル
従来のマイクロソフトの方針では、家庭向けのエディションではメインストリーム サポート フェーズ︵次のバージョンのWindows発売から2年後まで︶しか提供せず、ビジネス・開発向けのエディションのみ延長サポート フェーズ︵メインストリーム サポート終了後5年間︶を提供してきた。しかし、Windows XP Home Editionは市場で非常に多く使われていたため、メインストリーム サポート期間をもってサポートを打ち切ると、重大な脆弱性が発見されてもセキュリティ アップデートが提供されず、無防備な状態のPCが巷にあふれることが懸念された[21]。2007年1月25日、マイクロソフトは市場の状況を鑑み、﹁Windows XP Home EditionおよびMedia Center Editionについても、︵家庭向けのエディションであるが︶5年間の延長サポートフェーズを提供する﹂と発表した[22]。これにより、Home EditionおよびMedia Center Editionはサポート期限が2009年4月14日から2014年4月8日へ延長された[fn 2]。発売開始より約12年半にも及ぶという、PC用ソフトとしてはかなりの長期サポートとなる[fn 3]。 なお、ProfessionalとTablet PC Editionに関してはビジネス・開発用製品扱いのため、従前どおり延長サポート フェーズが提供される。また、Windows XPベースの組み込みシステム向けOSであるWindows XP Embeddedは2016年1月12日まで[23]、Windows Embedded Standard 2009は2019年1月8日まで[24]、Windows Embedded POSReady 2009は2019年4月9日までサポートされる予定である[25]。 2014年4月9日︵日本標準時︶を以って延長サポートが切れ、更新プログラムの提供が全て終了した。マイクロソフトはWindows 7以降の最新のWindowsへの早めの移行を呼び掛けている。しかし、中小企業などでは会社内のネットワークシステムをデファクトスタンダードだったXP向けに構築している会社も非常に多く、予算不足などから思いのほか移行が進められていない会社も少なくない上、8.1を含むWindows 8のユーザーインターフェースの操作性がスマートフォンやタブレットの操作性に似ているため、特に中高年の保守的なベテラン社員がなじめないことなどを理由に、システム移行に反発している企業がある[要出典]のも事実である。さらに東日本大震災によって被災した福島県、および宮城県、岩手県、一部の関東地方の各学校や各企業などでは、建物の耐震改修やパソコンより重要な業務機材などの購入に予算を取られ、期限切れまでにパソコンを更新できない自治体や企業、学校が続出しており、こちらも大きな問題となっている。家庭や企業のPCに大量に導入されたWindows XPの延長サポート切れに伴う諸問題について2014年問題と呼ばれることがある[26]。 また、独立行政法人情報処理推進機構︵IPA︶は、既に延長サポートが全て終了したWindows XPのセキュリティ上の危険性を指摘しており、なるべく、ネットワークに接続しない単独の専用システム︵スタンドアローン︶にしたうえでUSBメモリやFD、MO、外付けHDDなどの外部補助記憶装置でデータ交換しないことを呼びかけている[27]。このほか、VMwareやVirtualBox、Pro以上のバージョンに搭載されている64ビット版Windows 8/8.1/10専用のクライアントHyper-V、Professional以上のバージョンに搭載されているWindows 7のXP Modeなどの仮想デスクトップ︵ハイパーバイザ︶上で稼働しているWindows XPであってもセキュリティ上の危険性を指摘している[28]。 その一方で、一部のセキュリティソフトについては、マイクロソフトのサポート打ち切り後も、2018年7月5日までWindows XPのサポートを継続する製品も存在している[29]。 政府機関や企業向けの有償カスタムサポートは、2014年4月9日以降も提供される。実際に英国やオランダの政府が契約している[30]。 マイクロソフトはXPからの移行キャンペーンとして、XPの各種要素をモチーフにした敵を倒すブラウザゲーム﹁Escape from XP﹂を公開している[31]。ゲームの最後はXPが爆破されるという演出になっている[32]。 なお、マイクロソフトはWindows XPの延長サポート終了直後の米国時間2014年4月26日、Internet Explorer6から11までのバージョンに脆弱性があると発表し、Windows XPおよびIE6向けにも例外的に2014年5月2日セキュリティ更新プログラム︵パッチ︶を公開した(KB2964358)。[33]システム要件
Windows XP システム要件(x86) CPU 300MHz以上のIntel Pentium/Celeronファミリー、AMD K6/Athlon/Duronファミリー(いずれも600MHz以上を推奨)または互換性のあるCPU(Professionalでは2個の物理CPUまで対応)
PC-9800/9821シリーズには対応しないメモリ 128MB以上(96MB以下の場合、一部の機能に制限が加わる。384MB以上を推奨[34]) ハードディスク 1.5GB以上の空き容量(ネットワーク経由のインストールではそれ以上必要な場合がある。SP2では2.1GB以上の空き容量)また最初期のXPにのみ137GB以上の容量を認識できないバグがあり(BIGドライブ問題)初期版の場合は対策をする必要がある場合がある、SP1以降のXPであれば基本的に発生しない。 ディスプレイ Super VGA(800x600)以上の高解像度ディスプレイアダプタを推奨 ディスク装置 CD-ROMまたはDVD-ROMドライブ その他 Microsoft Mouse、Microsoft IntelliMouseまたは互換性のあるポインティングデバイス Windows XP Professional x64 Edition システム要件 CPU AMD Athlon 64、AMD Opteron、Intel EM64Tに対応したIntel XeonおよびIntel Pentium 4 メモリ 256MB以上(512MB以上を推奨) ハードディスク 1.5GB以上の空き領域(ネットワーク経由のインストールではそれ以上必要な場合がある) ディスプレイ Super VGA(800x600)以上の高解像度ディスプレイアダプタとモニター ディスク装置 CD-ROMまたはDVD-ROM ドライブ その他 Microsoft Mouse、Microsoft IntelliMouseまたは互換性のあるポインティング デバイス その他
旧バージョンからのアップグレードおよびアンインストール
Windows XPは、Windows NT系列のOSとして開発されているため、本来ならWindows NTやWindows 2000からのアップグレードを想定しているが、Windows NT系列のOSとWindows 9x系列のOSはWin32という共通のAPIを備えている上、Windows XPは前述の通りWindows NT系列とWindows 9x系列の統合を目的として開発されているため、Windows 9x系列のOSの基本的な機能も含まれている。そのためWindows 98︵SEも含む。以下同じ︶やWindows Meからでもアップグレード可能。ただし、Windows XP Home Editionへは、Windows 98とWindows Meからしかアップグレードできない。また、これらがインストールされた環境では、アップグレードの他に新規インストールも行える。Windows 95やWindows 2000からはセットアッププログラムを起動させるとエラーメッセージが表示してしまい、先に進まない︵そのため新規インストールも行えない︶。Windows 98とWindows Meのどちらからアップグレードしてもそのシステムファイルが保存されれば、後でWindows XPをアンインストールして旧バージョンへ戻すことは可能。ただし、旧バージョンのシステムファイルの保存はWindows XPをインストールするパーティションに十分な空き容量が残っている必要がある。Windows XPをインストールできる容量はあっても旧バージョンのシステムファイルを保存する容量まではない場合は、その旨を伝えるメッセージが表示され、旧バージョンのシステムファイルは保存されない。この場合は、たとえWindows 98やWindows Meからアップグレードした場合でも後でWindows XPをアンインストールすることはできない。 一方Windows XP Professionalへは、Windows 98、Windows Me、Windows NT Workstation 4.0、Windows 2000 Professional、Windows XP Home Editionのいずれかからアップグレード可能。Home Edition同様、Windows 95からはアップグレードできない︵セットアップ開始時に強制終了してしまうため、基本的には新規インストールも行えないが、パッケージによってはアップグレードができないだけで、Windows 95からセットアップを起動し、Windows XP Professionalの新規インストールを行えるものはある。MSDNなどで配布されるWindows XP Professionalがこれにあたる。Home Editionも同様︶。また、アンインストールはWindows 98とWindows Meからアップグレードした場合に限り可能︵Windows NT Workstation 4.0、Windows 2000 Professional、Windows XP Home Editionからアップグレードした場合はアンインストールできない︶。 また、Windows XP Media Center EditionとWindows XP Tablet PC Editionにはアップグレード版が存在しないが、基本的にWindows XP Professionalと同じセットアッププログラムでインストールが進行し、途中で該当バージョンに分岐する︵これらのバージョンにはインストールCDが2つあり、1つ目のインストールCDからセットアップを開始すると最初に﹁Windows XP Professional セットアップ﹂と表示され、使用許諾契約書の一番上の行にも﹁Microsoft Windows XP Professional﹂と表示される︶。ただし、Windows XPのOEM版CD-ROMはアップグレードインストールをサポートせず、アップグレードアナライザも実行できないように制限されているため、旧バージョンからアップグレードするには特殊な手順を踏む必要がある。ちなみにこれらのバージョンにアップグレードした場合でも、アップグレード元がWindows 98かWindows Meならば、これらのバージョンをアンインストールして元のバージョンに戻すことができる。新しいバージョンへのアップグレードおよびアンインストール
Windows XPからはWindows VistaとWindows 7、Windows 8にアップグレードすることができる。しかし、Windows 7へは直接アップグレードすることはできず、新規インストールを行うか、間にWindows Vistaを挟む必要がある。Windows Vistaにアップグレードする場合、アップグレード元のWindows XPにはService Pack 2以上が予め適用されている必要がある。Windows 7に新規インストールという形でアップグレードする場合も同様。Windows 8にアップグレードする場合は、Service Pack 3が予め適用されている必要がある。また、Windows XP Home Editionからは、Windows Vistaの全てのバージョンにアップグレードすることができるが、Windows XP ProfessionalとWindows XP Tablet PC EditionからはWindows VistaのBusinessかUltimateにしかすることができない。Windows XP Media Center EditionからはHome PremiumかUltimateにのみアップグレード可能。 また、Windows XPのどのバージョンからWindows Vistaのすべてのエディションにアップグレードしても、それらをアンインストールしてWindows XPに戻すことはできない。これは、Windows XPからWindows Vistaにアップグレードする前に、システムパーティションを強制的にFAT32からNTFSに変換しなければならないためである。NTFSは通常、Windows 98やWindows MeのようなWindows 9x系のOSには対応しておらず、インストール・アンインストール共にできない。Windows 98かWindows MeをWindows XPのインストール先と同じパーティションに旧バージョンのシステムファイルを保存する形でWindows XPにアップグレードした環境をさらにWindows Vistaにアップグレードすると、Windows XPにアップグレードする際に保存された旧バージョンのシステムファイルは強制的に︵システムパーティションをNTFSに変換した段階で︶削除される。また、Windows 95やWindows 3.1からWindows 98にアップグレードし、それをさらに︵Windows XPをインストールするパーティションとは別のパーティションに旧バージョンのシステムファイルを保存するという形で︶Windows XPにアップグレードした環境や、Windows 98をWindows Meにアップグレードし、それをさらにWindows XPにアップグレードした環境をWindows Vistaにアップグレードすると、Windows XPにアップグレードする前のアップグレードによって保存された旧バージョンのシステムファイルは使用不能になる︵その旧システムファイルのデータにアクセスすること自体はできるが、アンインストール機能がなくなるため、そのままでは使い道はほぼ無い︶。最初からNTFSパーティションにインストールされたWindows XPをWindows Vistaにアップグレードした場合でも、アンインストールは基本的にできない。アップグレード版を使用しての新規インストール
Windows XPのアップグレード版を使って新規インストールを開始した場合、セットアップの途中でアップグレード認証を行わなければならない︵ハードディスクにWindows 2000がインストールされている場合は除く︶。これは古いバージョンのWindowsを所持しているかどうかを確認するために行われるが、上述のアップグレード対象製品と違い、以下のバージョンのWindows CDのいずれかを1枚持っていれば、取りあえずアップグレード認証は通過できる。ただし、購入したアップグレードパッケージに記載されているアップグレード対象製品のCDとそのライセンスが手元にない場合、Microsoftの使用許諾契約書の条項に違反することになる︵正規ライセンスからのアップグレードと見なされないため︶。例えば、手元にWindows 95のCDとライセンスしかないにもかかわらず、Windows XP Home Editionのアップグレード版CD-ROMを使って新規インストールを開始し、アップグレード認証にそのWindows 95のCDを使用した場合や、Windows XP Professionalの﹁ステップアップグレードパッケージ﹂︵Home EditionからProfessionalへの専用アップグレードパッケージ︶を使ってWindows XP Home Edition以外のバージョン︵Windows 98など︶からWindows XP Professionalにアップグレードした場合などがこれに当てはまる︵Windows 95はWindows XPのどのバージョンのアップグレード対象製品にもなっておらず、﹁Windows XP Professional ステップアップグレードパッケージ﹂もWindows XP Home Edition以外のバージョンがアップグレード対象製品になっていないため︶。 ●Windows XP Home Editionの場合‥Windows 95、Windows 98︵Second Edition アップデートCDでも可能︶、Windows Me、Windows 2000 Professional ●Windows XP Professionalの場合‥Windows 95、Windows 98︵Second Edition アップデートCDでも可能︶、Windows Me、Windows NT Workstation 3.51、Windows NT Workstation 4.0、Windows 2000 Professional、Windows XP Home Edition︵通常版︶、Windows XP Professional︵通常版︶ 上記の内、通常版を要求されるWindows XP以外のバージョンのCDを挿入する場合、それがアップグレード版だったとしても認証することができる。Windows 20周年記念パッケージ
2005年11月に日本限定で行われた企画で、Windows誕生20周年を記念しWindows XP Professionalアップグレード版の特別パッケージが 9999本限定で販売された[35]。パッケージは専用の﹁20﹂と大きく書かれたものを採用し、Windowsの20年間の歩みが書かれた年表がパッケージに印刷されている。その他、通常パッケージとの差は以下の通り。 ●Windows 95、98、Me、2000のレプリカCDが付属︵OSが記録されていないディスク。インストールはできない︶ ●Windows 95 - XP︵Professional︶のパッケージのクラフトモデルが付属 ●Windows 20周年記念切手︵通用する︶・記念ステッカーが同梱されている ●購入者全員にWindows Vistaの早期プレビュー版・Windows 20周年記念ビデオ クリップとデスクトップテーマの収録されたCD-ROMが送られるクーポンが付属 ●上記の申込者の中から抽選でビル・ゲイツのサイン入りWindows Vistaパッケージがプレゼントされる企画Windows XP Ready PCs
Windows XPが使用できることをPCメーカーやマイクロソフトから保証されたPCで、主に2001年夏モデルが対象となっていた。このグループに認定されたPCは、Windows XP発売と同時に専用のアップグレードプログラムにより、既存のWindowsをWindows XPに入れ替えられるのはもちろん、プレインストールされているアプリケーションやハードウエアデバイスドライバをWindows XP対応済のバージョンに修正・入れ替えて、アプリケーションソフトウェアや周辺機器をWindows XPで使えるようになっていた。
なお、プレインストールのWindows Meの場合はWindows XP Home Editionへの、Windows 2000の場合はWindows XP Professionalへのアップグレードとなっていた。
草原の場所
Windows XPをインストールした際にデフォルトで設定されている壁紙の「草原」(英語名「Bliss」)は、カリフォルニア州にある「ソノマバレー」という場所で実写された、実在する風景である。マイクロソフトでは撮影者を非公開としているが、チャールズ・オレアというカメラマンが撮影したという説が有力とされている。なお、マイクロソフトは採用される壁紙について「壁紙はプロの写真家や社内の公募から候補を挙げて製品コンセプトに合うイメージのものを採用している。候補には挙がったものの採用されないものが大量にあり、製品出荷前のベータ版には異なった壁紙が採用されていることもあるのでそちらが話題になることもある。」と回答している[36]。
正規Windowsの特典
2005年以降、Windows Genuine Advantageにより正規のWindowsであることが認証された場合の特典として、LZH(LHA)圧縮ファイルの展開機能をサポートするプラグインである「Microsoft 圧縮(LZH形式)フォルダ」や、フォトアルバムソフトの「Microsoft Photo Story 3」、神経衰弱ゲームの「Microsoft Match-Up!」などが用意され配布された[37][38]。
関連項目
脚注
- 参考文献
- (一)^ ab“マイクロソフト サポート ライフサイクル”. マイクロソフト (2015年6月22日). 2015年10月22日閲覧。 (二)^ ab“Windows ライフサイクルのファクト シート”. Windows ヘルプ. マイクロソフト (2015年8月). 2015年8月8日閲覧。 (三)^ ab“MS、次世代Windowsの名称を﹁Windows XP﹂に決定”. Impress Watch. 2001年2月6日閲覧。 (四)^ “執行猶予はなし‥XPの段階的廃止は6月30日にはじまる”. ZDNet Japan. 2008年6月28日閲覧。 Windows XPのこれから︵マイクロソフト︶ (五)^ “Windows Vista のダウングレード権︵旧バージョンソフトウェアの使用︶について”. マイクロソフト. 2009年11月16日閲覧。 (六)^ マイクロソフト、Windows 7の﹁XPダウングレード﹂を認める方針 - ニュース‥ITpro (七)^ “Windows XPのダウングレード権延長は“都市伝説””. @IT. ITmedia Inc.. 2008年10月8日閲覧。 (八)^ ﹁IEのゼロデイ脆弱性﹂を修正するパッチが緊急公開、Windows XPも対象 ,マイクロソフト セキュリティ情報 MS14-021 - 緊急 (九)^ “WindowsXP、2週間で700万本以上の売上で、Windows95/98/Meを越える販売記録。”. マイコミジャーナル. 2001年11月12日閲覧。 (十)^ ﹃日本経済新聞﹄2002年1月18日付夕刊 (11)^ ab“Windows XPの累計出荷本数が2億1000万を突破”. ITpro. 2004年5月6日閲覧。 (12)^ マイクロソフト (2008年4月3日). “Microsoft Announces Extended Availability of Windows XP Home for ULCPCs:Q&A:Michael Dix, General Manager of Windows Client Product Management, discusses Microsoft's commitment to deliver Windows to customers for a new category of devices known as ultra low-cost personal computers︵ULCPCs︶.” (英語). 2008年4月17日閲覧。 (13)^ “﹃Windows 98﹄時代のマシンが﹃XP﹄シンクライアントに蘇る”. japan.internet.com (2006年7月18日). 2010年11月4日閲覧。 (14)^ “Windows XP Professional の優れた互換性を事例が実証 - 自社開発アプリケーションの移行もスムーズな高い互換率を実現”. マイクロソフト (2003年6月13日). 2010年12月8日閲覧。 (15)^ 中田敦. “本当はすごい﹁Windowsの互換性維持﹂”. ITpro. 日経BP. 2010年12月8日閲覧。 (16)^ “Windows XP SP1とWindows XP SP1aの相違点”. マイクロソフト (2004年8月23日). 2010年12月24日閲覧。 (17)^ “Windows XP SP1およびSP1aのセキュリティ更新プログラムのサポートを2006年10月11日に終了しました”. マイクロソフト. 2006年10月30日閲覧。 (18)^ “Windows サポート終了情報”. マイクロソフト. 2011年7月21日閲覧。 (19)^ “Windows XP SP2bが発売に、一部の最新パッチ適用済み”. Impress Watch. 2006年7月22日閲覧。 (20)^ “Windows XPの﹁SP2c﹂って知ってます?”. Impress Watch. 2009年1月25日閲覧。 (21)^ “XP Homeのサポートが2014年まで延長――マイクロソフト、Windows XP Home Editionのサポート提供期間延長を発表”. Ascii (2007年1月25日). 2009年4月5日閲覧。 (22)^ “Windows︵R︶ XP Home Editionのサポート提供期間を2014年4月まで延長”. マイクロソフト. 2008年1月25日閲覧。 (23)^ “マイクロソフト サポート ライフサイクル”. マイクロソフト (2015年6月22日). 2015年10月22日閲覧。 (24)^ “マイクロソフト サポート ライフサイクル”. マイクロソフト (2015年6月22日). 2015年10月22日閲覧。 (25)^ “マイクロソフト サポート ライフサイクル”. マイクロソフト (2015年6月22日). 2015年10月22日閲覧。 (26)^ 鈴木淳也 (2013年5月13日). “﹁2014年問題/XPサポート終了﹂って何?”. ITmedia 2014年2月8日閲覧。 (27)^ “Windows XPのサポート終了に伴う注意喚起”. 情報処理推進機構 (2014年2月18日). 2014年3月18日閲覧。 (28)^ “︻さよなら Windows XP︼サポート終了後もネットにつながなければ問題なし? Q10.Windows 7の仮想化機能なら安全?”. 日経BPネット (2014年4月1日). 2014年4月3日閲覧。 (29)^ 日経コンピュータReport 2013年5月21日 (30)^ “Windows XPを使い続けられるようオランダと英国が﹁延命﹂契約。その支払い額は?”. WIRED.jp (2014年4月7日). 2014年8月28日閲覧。 (31)^ Escape from XP (32)^ Microsoft公式のWindows XP駆逐ゲーム﹁Escape from XP﹂がmodern.IEで公開中 - 4Gamer.net (33)^ ﹁IEのゼロデイ脆弱性﹂を修正するパッチが緊急公開、Windows XPも対象 ,マイクロソフト セキュリティ情報 MS14-021 - 緊急 (34)^ SP3は512MB以上を推奨 (35)^ “Microsoft︵R︶ Windows︵R︶20周年記念パッケージを発売”. マイクロソフト (2005年11月16日). 2011年10月1日閲覧。 (36)^ “Windows XP標準の壁紙﹁草原﹂あの丘はどこにあるの?”. web R25 (2008年2月8日). 2014年8月28日閲覧。 (37)^ “マイクロソフト、Windows︵R︶XPユーザー向けの特典提供プログラム、Windows Genuine Advantage Programの試験運用を3月15日から開始 〜Windows XPユーザーに特典ソフトウエアを提供〜”. マイクロソフト (2005年3月15日). 2011年10月1日閲覧。 (38)^ “MS、Windows XPの正規ユーザー特典として神経衰弱ゲーム﹁Match-Up!﹂を配布”. 窓の杜 (2005年7月29日). 2011年10月1日閲覧。 注釈
- ^ ただし、Windows 7のダウングレードに関しては「Windows 7発売から18か月後」あるいは「SP1のリリース」のいずれか早いほうまでという条件付きであったが、後にWindows 7のサポートライフサイクル終了までダウングレード権の行使が可能となった。しかしこれは、ダウングレード先のOSのサポート期間のさらなる延長がなされることを意味していない。あくまでもダウングレード権の行使期間の延長に過ぎないという点に留意する必要がある。
- ^ 一時的に後継OSのWindows Vistaの家庭向けエディション群(BusinessとEnterpriseを除くエディション)のサポート期限「2012年4月10日」との逆転現象が発生したが、2012年2月20日にWindows Vistaのサポート期間改訂により解消された。
- ^ ただし、Windows 1.0は発売から約16年、Windows 2.0も発売から約14年と、Windows XPよりも長い期間サポートされていた。
外部リンク