そろばん

日本で使われる伝統的な計算補助用具の一種



西使sorobanJapanese abacus

概説

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使便使使使[1][2]

[3][4]

使

歴史

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起源

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上が中国で古くから使われた算盤で、各桁に、五玉が2個ずつある。また1の珠も5個ずつある。下は、現代日本のそろばん



abacus1846300

中国での発展

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使使22

1000使

日本への伝来

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昭和以降に日本で一般的になったタイプのそろばん。五珠が1つ、一の珠も4つある。

15使[5]1570使使12597cm13cm[6]2014[7][8]

1444[5][9][10]

[5]
 
1979EL-8048
 
使

[11]

1872[12]637[12]1874[12]14[12]1900[12]

41使使

電卓やコンピュータの登場

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19461111[1][2]使GHQ20th Finance Disbursing SectionThomas Nathan Wood41[13][14][15][16][15][17](RP 1986, pp. 1014)

教育分野での再評価

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[][?]

2019

195519952009819551980199090600200959300

19601990NHK2

2000[18]21

2000eWEB

19901[19][20][21]

構成

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使1



1[22]使

珠の数

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[23]1414[23]150541104

25051005101515120116

11011816使2使1151105

101414[23]

14

109[24]

[24]

[24]

5[24]

5[24]

使14

1010100100012[25]

珠の形

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日本では江戸時代にそろばんが広まっていくうち、枠の大きさが手の大きさに合わせて小さめに、そして珠の形状が素早く計算しやすいように円錐を2つ合わせた菱形のような形に変化していった。

桁の数

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131721232735[26]23便[26]便[26]

4[23]

[27]

計算法

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以下は天(梁の上側)に1つの珠、地(梁の下側)に4つの珠を配置した天1顆、地4顆の形式のそろばんの計算法。

布数法

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布数法とは数を表現するための珠の置き方である。天(梁の上側)にある1つの珠を五珠、地(梁の下側)にある4つの珠を一珠という。

                   
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

一般的に一の位は枠上の定位点の付いた桁(軸の位置)に置くのが一般的で左に向かって十進法で位取りを行う。

加法及び減法

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そろばんの用語では、加法及び減法をまとめて見取り算と呼ぶ。

加法

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(例)1937+284

       
       
       
       
1937 +200 +80 +4 =2221

減法

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(例)1756-957

       
       
     
     
1756 -900 -50 -7 =799

乗法及び除法

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使


  • 現在一般的な方法の乗算・除算(それぞれ新頭乗法・商除法)の場合、法が整数の場合には、法の桁数+1桁だけ実より乗算では右に、除算では左にずれて答え(積・商)が出てくる。
  • 江戸時代~昭和初期に行われていた古式の乗算・除算(乗算では頭乗法・尾乗法・中乗法、除算では帰除法)の場合、法が整数の場合には、法の桁数だけ実より乗算では右に、除算では左にずれて答え(積・商)が出てくる。

乗法

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[3][3]

[3]



[28]

32×97
         
         
         
         
32 2を消して 2×90 +2×7
         
         
         
3を消して +30×90 +30×7 =3104

特にそろばんの上級者の乗算の場合は、法のみならず実もそろばんの布数から省略し、積のみをそろばんに置いていく両落としが用いられることも多い。

古式の尾乗法や中乗法の場合は、一時的に1桁に10以上溜まる場合があるため、完全な布数には天二地五が必要となり、天一地五や天一地四ではそのような場合記憶に頼ることになる。

除法

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そろばんの除法は種類が多くはなく、割り算九九を用いる帰除法掛け算九九を用いる商除法がある[28]

以下に示すのが現在一般的な商除法(法を盤面に置いていない片落としの例)である。

(例)1416÷59

         
         
         
         
1416 2を置いて 20×50を引く 20×9を引く
         
         
         
4を置いて 4×50を引く 4×9を引く =24

古式である帰除法の場合は、一時的に1桁に10以上溜まる場合があるため、完全な布数には天二地五が必要となり、天一地五や天一地四ではそのような場合記憶に頼ることになる。

開法

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開法の計算は、次を参照。

生産

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小野市伝統産業会館
 
1949年頃のそろばん工場。「大隅そろばん」として知られたが現存しない(鹿児島県高山町、現在の肝付町



1976198719831990[29]

[30][31]使[32]使[33]


文化

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88

CSF(C 1985)[34]駿使使

使
使



144


効果

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そろばんのトレーニングによって、以下のような効果があることが期待されています。

  • 計算力・暗算力の向上
  • 忍耐力・集中力の向上
  • 実行機能の向上[35]
  • ワーキングメモリーの向上[36]
  • 障害をもつ子の数概念の学習[37]
  • 各種脳活動の変化[38]

その他

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脚注

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注釈

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  1. ^ 「12日」としている資料もある。
  2. ^ 英文資料のkiyoshiから推測したためか「清」としている資料もあるが、おそらく同一人によると思われる書誌の著者情報があるので、「喜義」が正しいと思われる(荒木 & 松崎 1953)。

出典

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(一)^  1939, p. 43

(二)^  1939, p. 45

(三)^ abcd 1939, p. 49

(四)^  1939, p. 46

(五)^ abcTemplate:CHarvnb.

(六)^    

(七)^  . . 2014729. https://web.archive.org/web/20140729010224/http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/140726/20140726038.html 201483 

(八)^ 16. . https://www.sankei.com/life/news/140802/lif1408020002-n1.html 2019226 

(九)^ ? .  (2011123). 2013512012124

(十)^  (2012312). 2012124

(11)^  1939, p. 9

(12)^ abcde 1939, p. 12

(13)^ luis fernandes The Abacus vs. the Electric Calculator: Excerpted from the book, "The Japanese Abacus, Its Use and Theory", by Takashi Kojima, Charles E. Tuttle Company Inc. 1954, reprint 1987. ISBN 0-8048-0278-5. (Kojima & Tuttle 1954)

(14)^  1957, p. 27.

(15)^ ab  p. 392

(16)^  2013, pp. 6869.

(17)^  1138 

(18)^  : .  (2010531). 2010711

(19)^  西   Archived 2016422, at the Wayback Machine.

(20)^ ?

(21)^ 

(22)^ [1]

(23)^ abcd 1939, p. 26

(24)^ abcde 1939, p. 28

(25)^   201416

(26)^ abc 1939, p. 27

(27)^  1939, p. 29

(28)^ ab 1939, p. 54

(29)^ 

(30)^   201416

(31)^  [2]

(32)^  [3]

(33)^ 

(34)^ Wang, Chunjie; Weng, Jian; Yao, Yuan; Dong, Shanshan; Liu, Yuqiu; Chen, Feiyan (2017-10). Effect of abacus training on executive function development and underlying neural correlates in Chinese children (). Human Brain Mapping 38(10): 52345249. doi:10.1002/hbm.23728. ISSN 1065-9471. PMC PMC6867117. PMID 28727223. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/hbm.23728. 

(35)^ Wang, Chunjie; Weng, Jian; Yao, Yuan; Dong, Shanshan; Liu, Yuqiu; Chen, Feiyan (2017-10). Effect of abacus training on executive function development and underlying neural correlates in Chinese children (). Human Brain Mapping 38(10): 52345249. doi:10.1002/hbm.23728. ISSN 1065-9471. PMC PMC6867117. PMID 28727223. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/hbm.23728. 

(36)^ Roy, Mansi Sinha; Swarna, Keerti; Prabhu, Prashanth (2020-05-01). Assessment of auditory working memory in children with abacus training (). European Archives of Oto-Rhino-Laryngology 277 (5): 15311536. doi:10.1007/s00405-020-05840-z. ISSN 1434-4726. https://doi.org/10.1007/s00405-020-05840-z. 

(37)^ 7.  (2023527). 2023615

(38)^ Wang, Chunjie (2020). A Review of the Effects of Abacus Training on Cognitive Functions and Neural Systems in Humans. Frontiers in Neuroscience 14. doi:10.3389/fnins.2020.00913/full. ISSN 1662-453X. https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnins.2020.00913. 

参考文献

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, 1939 NCID BA33792316 

, , 1953:20832132 

Kojima, Takashi; Tuttle, Charles E. (1954) (). The Japanese Abacus, Its Use and Theory. Company Inc.. ISBN 0-8048-0278-5. OCLC 523165 

  ︿ ; 441957:57000106 

C  10︿, SF61719851962ISBN 415-010617-7 NCID BN07322430 

,  

RP  1986 NCID BN00231075 

2013ISBN 978-4486-03747-7 

関連項目

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外部リンク

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