ドヤ街
ドヤ街(ドヤがい)は、日雇い労働者が多く住む街のこと。「ドヤ」とは「宿(ヤド)」の逆さことばであり[1]、旅館業法に基づく簡易宿所が多く立ち並んでいることに起因する。
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日本
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東京都台東区の山谷、横浜市中区の寿町、大阪市西成区のあいりん地区が有名である。
戦後の高度成長期、日雇いの仕事を斡旋する人足寄せ場に日雇い労働者が多く集まり、彼らが寝泊りする簡易宿所が寄せ場の周辺に多く開設されることで、ドヤ街が形成された。いわゆるスラムとは異なり、その地域全体が日雇い労働者のドヤで占めているわけではなく、中産階級の一般的な住宅地も存在しているのが大きな特徴である。住民構成は肉体労働者の独身男性が多数を占めている点も、戦前の日本の貧民窟や発展途上国のスラムとの違いである。衛生状態の問題があり[1]、仕事帰りの日雇い労働者を狙う強盗や喧嘩なども発生しているが[2]、重犯罪の多発地域ではないことも海外のスラムとは異なる特徴である[1]。
山谷︵東京都台東区︶の路上
2000年代以降は労働者の高齢化によりドヤ街は縮小しているが[1]、観光地化や土地開発から免れていたため昭和の雰囲気が残っていることもあり、このような地区を散策する者に人気が高まっている[3]。また、格安の宿や飲食店が多く治安も悪くないことから、あいりん地区などは海外からのバックパッカーにも人気があり[1]、開発の余地が残っているため需要が高まっているホテルの建設が予定されるなど、労働者の街から転換しつつある[4]。2022年に新今宮駅前に星野リゾート系列の高級ホテルであるOMO7大阪が誕生した。
ドヤの部屋。最近では簡易にリノベーションを施し、外国人向けの安 ホテルとしているところも多い。
ドヤ街では公的なサポートを受けられない者も多いため、救世軍などの慈善団体・市民団体による炊き出し[5]や、凍死防止のための夜回りなどの支援が行われている。
一方で日雇い労働者の劣悪な生活環境から、これまでに暴動が幾度も発生している[1]。現在、日本で起きた最後の暴動はあいりん地区で発生した第24次西成暴動︵2008年6月︶である。これに関連し﹁寄せ場解放﹂と称して新左翼活動家が入り込み、年末の越年闘争を通じて日雇い労働者のオルグ︵勧誘活動︶を図るなどしている[6]。このため他の地域ではあまり目にすることがない新左翼のアジビラや立て看板が存在しているが、活動家の高齢化により左翼活動は消滅しつつある。
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中国
編集アメリカ合衆国
編集脚注
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(一)^ abcdef大阪﹁あいりん地区﹂の再開発、日本最大のドヤ街はどう変わるのか 星野リゾートも進出|ビジネス+IT
(二)^ 警察官からホームレスになった酒乱男の末路 | ルポ﹁ホームレス﹂ 東洋経済
(三)^ 加藤慶. “大阪・西成のアングラメニュー、激安路上ホルモンに挑戦!”. おとなの週末. 2022年1月26日閲覧。
(四)^ 中島嘉克 (2017年11月29日). “変わる﹁あいりん地区﹂訪日客向け施設やホテル続々”. 朝日新聞
(五)^ 20代無職の男が大阪・釜ヶ崎で見出した希望 | ルポ﹁ホームレス﹂ 東洋経済
(六)^ 全国寄せ場を貫き越年・越冬闘争へ
(七)^ 三和 人材市場~中国・日給1500円の若者たち~ NHK[リンク切れ]
(八)^ ﹁大神﹂は中国のオンラインゲームのスラングで﹁達人﹂﹁ネトゲ廃人﹂などの意味。
(九)^ 安田峰俊. “中国﹁ネトゲ廃人村﹂元住民が語る“本物のクズ”の生活”. 文藝春秋. 2022年1月26日閲覧。
参考文献
編集- 青木秀男『寄せ場労働者の生と死』(明石書店、1989年、ISBN 9784750302713)
- マイク・デイヴィス 著、村山敏勝・日比野啓 訳 (2008) : 要塞都市LA, 青土社
- 駒井洋 著, デーヴィッド・レヴィンソン 編 (2007) : 世界ホームレス百科事典, 明石書店