交響曲第104番 (ハイドン)
交響曲第104番 ニ長調 Hob. I:104 は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが1795年に作曲した交響曲。イギリス訪問時のロンドンで作曲された、いわゆる﹃ロンドン交響曲﹄のうちの1曲であり、ハイドンが作曲した最後の交響曲である。ハイドンの代表作の一つであり、﹃ロンドン﹄︵London︶または﹃ザロモン﹄︵Salomon︶の愛称で知られる。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/2e/Franz_Joseph_Haydn_1732-1809_by_John_Hoppner_1791.jpg/210px-Franz_Joseph_Haydn_1732-1809_by_John_Hoppner_1791.jpg)
概要
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ハイドンは自筆譜に﹁私がイギリスで作曲した12番目︵の交響曲︶﹂と記しているが、実際には12曲の﹃ロンドン交響曲﹄のうち第99番などがウィーンで作曲されているため、この記述は正しくない[1]。
初演は1795年5月4日の慈善コンサートで行われたといわれてきた。ハイドンはこの日の日記に﹁すべての観客も私も余すところなく楽しんだ。私はこの夜に4000グルデンの収入を得た。これはイギリスだからこそ可能だった﹂ と記している[2]ことから、この日に演奏されたことは確かである。しかし、ハイドン研究家のロビンス・ランドンは、4月13日の第6回オペラコンサートで初演されているとしている。[1]
愛称の由来
編集楽器編成
編集木管 | 金管 | 打 | 弦 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
フルート | 2 | ホルン | 2 | ティンパニ | ● | 第1ヴァイオリン | ● |
オーボエ | 2 | トランペット | 2 | 他 | 第2ヴァイオリン | ● | |
クラリネット | 2 | 他 | ヴィオラ | ● | |||
ファゴット | 2 | チェロ | ● | ||||
他 | コントラバス | ● |
曲の構成
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壮大なニ短調の序奏部で始まり、提示部は弦楽器によるニ長調の第1主題の提示で始まる。複雑な転調をせずに、まっすぐイ長調に転調して第1主題を再び木管楽器で提示する。第2主題はイ長調で木管楽器と弦楽器で提示される。提示部は小結尾で閉じ、第1主題の後半のリズムを使ってロ短調で始まる展開部に入る。展開部はオーケストラの全奏で閉じる。再現部では第1主題がニ長調で再現する。最後はニ長調のコーダで閉じる。
●第2楽章 アンダンテ
ト長調、4分の2拍子、変奏曲形式。
ト長調の弦による主題で始まる。この後、イ短調とニ短調を経由した後、弦楽器とファゴットで主要主題が繰り返される。第1変奏ではト短調や変ロ長調など様々な調に転調するが、主題の旋律の要素が続いている。ト長調の属調に達した後、第2変奏になる。フルートのソロの後の第3変奏は短く、そのままコーダへ続く。
●第3楽章 メヌエット‥アレグロ - トリオ
ニ長調 - 変ロ長調、4分の3拍子、複合三部形式。
メヌエット部分は三部形式︵A-B-A︶であり、Aでは主和音が強調されている。Bの部分は平行短調︵ロ短調︶や属調︵イ長調︶に転調する。
トリオは変ロ長調で、オーボエやファゴットが長く用いられる。メヌエットのように、トリオの中間部は平行短調︵この場合はト短調︶が目立つ。トリオは属調で締めくくられ、メヌエットに復帰する。
●第4楽章 フィナーレ‥スピリトーソ
ニ長調、2分の2拍子︵アラ・ブレーヴェ︶、ソナタ形式。
元気の良い快速なソナタ形式である。ドローンが使われた民謡風の主題で始まるが、これはクロアチア民謡の "OjJelena" に基づくといわれている︵詳しくは﹁en:Haydn and folk music﹂を参照︶。展開部は定型通りに主調の属調に落ち着くが、再現部がすぐには始まらないのが異例である。その代わりに、展開部は嬰ヘ短調の部分に続き、その後で直ちにニ長調の再現部が始まる。
注釈
編集外部リンク
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