交響曲第6番 (マーラー)
交響曲第6番(こうきょうきょくだい-ばん)イ短調は、グスタフ・マーラーが1904年に完成した6番目の交響曲。
音楽・音声外部リンク | |
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Mahler:Symphony nº6 - ディーマ・スロボデニューク(Dima Slobodeniouk)指揮ガリシア交響楽団(Orquesta Sinfónica de Galicia)による演奏。ガリシア交響楽団公式YouTube。 | |
MAHLER’S Symphony No.6 - ユッカ=ペッカ・サラステ指揮エーテボリ交響楽団による演奏。エーテボリ交響楽団公式Vimeo。 | |
Mahler Sixth Symphony - ピエタリ・インキネン指揮ニュージーランド交響楽団による演奏。ニュージーランド交響楽団公式Vimeo。 | |
MAHLER - Symphony No.6 - Max McBride指揮Sydney Youth Orchestra(シドニー青少年管弦楽団)による演奏。Sydney Youth Orchestra公式Vimeo。 |
作曲の経緯
編集新演出の成功
編集第6交響曲の作曲
編集自作の上演、オランダ旅行
編集初演と出版
編集初演
編集出版
編集楽器編成
編集楽曲構成
編集全4楽章から成る。第2楽章と第3楽章の配置については、従来の「全集版」に従う。
第1楽章
編集アレグロ・エネルジコ・マ・ノン・トロッポ 激しく、しかし腰のすわったテンポで イ短調 4/4拍子 自由なソナタ形式
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第1楽章 Allegro energico, ma non troppo | |
1of4 - マイケル・ティルソン・トーマス指揮ケルンWDR交響楽団による演奏。ケルンWDR交響楽団公式YouTube。 | |
I.Allegro energico, ma non troppo - Allen Tinkham指揮Chicago Youth Symphony Orchestras (CYSO) 'Symphony Orchestra'による演奏。CYSO公式YouTube。 |
チェロとコントラバスが駆り立てるようなリズムを刻み、行進曲風な第1主題(譜例1)がヴァイオリンと管楽器によって奏でられる。第1主題はオクターブ跳躍下降を繰り返す威圧的なもの。
譜例1
行進曲は断続的に不協和音によって遮られるが、やがてティンパニの特徴的なリズムの上に、トランペットの和音がイ長調からイ短調(明→暗)へと移行する(譜例2)。音量的にもフォルテッシモ(最強奏)→ピアニッシモ(最弱奏)となる。この和音は、全曲の統一的なモチーフ(モットーと呼ばれる)となっている。
譜例2
第2楽章
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第2楽章 Scherzo | |
2of4 - マイケル・ティルソン・トーマス指揮ケルンWDR交響楽団による演奏。ケルンWDR交響楽団公式YouTube。 | |
2.Scherzo - Allen Tinkham指揮Chicago Youth Symphony Orchestras (CYSO) 'Symphony Orchestra'による演奏。CYSO公式YouTube。 |
スケルツォ 重々しく イ短調 3/8拍子 小ロンド形式(A-B-A-B-A-Coda)
スケルツォにトリオを2回挟む構造をとっている。まずチェロとコントラバスの低音弦とティンパニの刻むリズムにのって、ヴァイオリンが主要主題(譜例4)を奏する。これにホルンとヴィオラが絡む。第1楽章のオーボエの音型が使われ、この主部が様々な楽器によって変化し、効果をあげて、トランペットのモットー和音に移行する。これは第1楽章を思わせるもので、パロディ的な要素を含む。
譜例4
「古風に」と記されたヘ長調のトリオ(中間部。譜例5)は、3/8拍子から4/8拍子、さらに3/4拍子へと絶えず不安定に交錯する。トリオは再現される。トリオのあとには木管の哀調を帯びたメロディーがつづくことから、構成をABCABCA+コーダ(Bに基づく)と見ることもできる。曲は哀調を帯びたまま沈んでいって終わる。
演奏時間は12~14分程度。
譜例5
第3楽章
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第3楽章 Andante moderato | |
3of4 - マイケル・ティルソン・トーマス指揮ケルンWDR交響楽団による演奏。ケルンWDR交響楽団公式YouTube。 | |
3.Andante Moderato - Allen Tinkham指揮Chicago Youth Symphony Orchestras (CYSO) 'Symphony Orchestra'による演奏。CYSO公式YouTube。 |
ヴァイオリンの趣深く豊かな主要主題(譜例6)は、「亡き子をしのぶ歌」との関連が指摘されている。穏やかだが半音階的進行には不安も覗かせるもの。この旋律がフルートやオーボエなど各楽器に歌い継がれ、美しい情緒と牧歌的な雰囲気を広げる。この楽章全体が一本の旋律でつながっていると指摘する者もある。ここでもモットー和音が多く使われるが、しばしば短3度→長3度(暗→明)という逆行が見られる。副主題(譜例7)が木管に現れた後、再び主要主題が現れる。これが消えると再び副主題が現れる。
- 譜例6
- 譜例7
中間部ではハープ、チェレスタも加わり、ホルンが楽しげに呼びかけ、トランペットが第1部の動機をもとにした旋律で応える。再び主要主題が復帰する。しばらく落ち着いた雰囲気が続くが、トランペットの動機が絡んでくると副主題が現れさらに劇的に扱われ、クライマックスを形成してゆく。カウベルの響きが終わり近く、哀しみが堰を切ったようにあふれ出すが、次第に落ち着き、速度を落として静かに終わる。
演奏時間は14~18分程度。
第4楽章
編集終曲 アレグロ・モデラート ハ短調 2/2拍子 → アレグロ・エネルジコ イ短調 4/4拍子 序奏付きの拡大されたソナタ形式
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第4楽章 Finale, allegro moderato | |
4of4 - マイケル・ティルソン・トーマス指揮ケルンWDR交響楽団による演奏。ケルンWDR交響楽団公式YouTube。 | |
4.Finale - Allen Tinkham指揮Chicago Youth Symphony Orchestras (CYSO) 'Symphony Orchestra'による演奏。CYSO公式YouTube。 |
序奏は、チェレスタやハープの分散和音による異様な響きから、ヴァイオリンが高く舞い上がってまた落ちてくるような悲劇的な主題(譜例8)を奏で、ティンパニのリズムを伴ってモットー和音が出る。主部の第1主題や第2主題の要素が断片的に取り扱われる。管楽器による挽歌風のコラールが奏されると次第に高揚する。全楽器がモットー和音を示すと、テンポを速め、アレグロ・モデラートからアレグロ・エネルジコに達すると、イ短調の提示部に入る。
譜例8
譜例10
譜例11
演奏上の問題
編集交響曲第6番の演奏においては、以下のとおり、大きく2種類の問題点がある。
中間楽章の配置
編集ハンマー打撃
編集第6交響曲の標題性
編集アルマの回想
編集脚注
編集注釈・出典
編集- ^ 「題名のない音楽会」2013年1月20日放送
参考文献
編集外部リンク
編集- マーラーの交響曲第6番の総譜 (PDF) - IMSLP: The International Music Score Library Project