情報 (教科)

2003年より、日本の後期中等教育課程に新設された教科
情報実習から転送)

情報(じょうほう)は、日本の後期中等教育課程高等学校の課程、中等教育学校後期課程特別支援学校高等部)における教科の一つである。

概要

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[1]Informatics使30  [1]2

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2013252
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「普通教育に関する各教科」における「情報」

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目標

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情報及び情報技術を活用するための知識と技能を習得させ、情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに、社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ、社会の情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる[4]

内容

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3


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現行科目

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情報I

 情報に関する見方・考え方を働かし,情報技術の活用を行い問題の発見や問題の解決を行う学習活動を通して,問題の発見・問題の解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的な活用を行い,情報社会に主体的に参画するための資質・能力を育成することを目標とする。[5]

情報II

 情報に関する見方・考え方を働かし,情報技術の活用を行い問題の発見や問題の解決を行う学習活動を通して,問題の発見・問題の解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用,創造的に活用を行い,情報社会に主体的な参画を行い,その発展に寄与するための資質・ 能力を育成することを目標とする。[5]

令和3年度入学者までの科目

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A

ABC


B


AC

C


A

「専門教育に関する各教科」における「情報」

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目標

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情報の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ、現代社会における情報の意義や役割を理解させるとともに、高度情報通信社会の諸課題を主体的、合理的に解決し、社会の発展を図る創造的な能力と実践的な態度を育てる(高等学校学習指導要領による)。

内容

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専門教育に関する各教科としての「情報」は、科目の内容ごとに「基礎的分野」「システムの設計・管理分野」「情報コンテンツの制作・発信分野」の3つの分野が設けられている。この教科は必履修ではないが、選択科目として他の科目との組み合わせで開講される場合もある。

情報に関する学科

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162011158















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教科「情報」の設置の経緯

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中央教育審議会第1次答申

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1996年(平成8年)7月中央教育審議会は「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」と題した答申において、情報社会に対応した教育の必要性を指摘した。「専門高校総合学科については、情報関連科目の充実を図ること、普通科については、学校や生徒の実態等に応じて情報に関する教科・科目が履修できるように配慮することが必要である」とここでは述べられている。

体系的な情報教育の実施に向けて

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答申を踏まえて1997年(平成9年)10月、「情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進などに関する調査研究協力者会議」が第1次報告「体系的な情報教育の実施に向けて」を発表した。この中で情報教育の目標は、次の3つに整理されている。

  1. 情報活用の実践力
  2. 情報の科学的な理解
  3. 情報社会に参画する態度

これらを小学校から高等学校に至るまで体系的に育成するために、高等学校に置いては普通教育に関する教科として「情報」を設置し、その中に複数科目を設定することが提言された。

今後の専門高校における教育の在り方等について

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1998年(平成10年)7月23日理科教育及び産業教育審議会は、答申「今後の専門高校における教育の在り方等について」で「情報分野に興味・関心を持つ若者に、高等学校において情報科学の基礎など情報を扱う上での基礎的・基本的内容を学習する機会を提供するとともに、情報手段を駆使した実習等を通じて創造的で豊かな感性を育む場を用意する」ために専門教科「情報」を新設するべきと述べた。

教育課程審議会答申

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1998年(平成10年)7月29日教育課程審議会は、答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾学校及び養護学校の教育課程の基準の改善について」で、「高等学校においては、情報手段の活用を図りながら情報を適切に判断・分析するための知識・技能を習得させ、情報社会に主体的に対応する態度を育てることを内容とする教科『情報』を新設し必修とすることが適当である」と述べられ、専門教科については、「高度情報通信社会における情報関連の人材の養成の必要性に対応するための教科「情報」を新設することが適当である」と述べられた。

教科設置の準備

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199911329()

JPNIC199812ede-Japan

教科教育の現状と社会からの要請

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免許状の授与を受ける過程

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教員の認識

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進学指導を優先し「情報教育=就職の基礎」と考える教員において、この教科を「生徒の進路(大学受験)と関係が無い」と軽視する傾向が見られ、社会に適応する教養としての情報教育に真剣に取り組もうとする教員の努力が理解されない懸念がある。かつては現職の教員の一部には例えば「情報」の時間にセンター対策等に「数学A,B」等のコンピュータをしてはどうか、と言う意見があったのは事実である。2006年(平成18年)の高等学校必履修科目未履修問題では世界史に次いで未履修の多かった教科が情報であり、高校側の情報に対する軽視が浮き彫りとなった。

ソフトウェアの問題

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しばしば見られる状況としては、特定のソフトウェアに依存した教育が行われていたり、特定のソフトウェアでだけ作成ができる形式でのファイル提出を強制したりしていることもある。

使用するソフトウェアがプロプライエタリなソフトウェア(独自仕様のソフトウェア)である場合が多く、学校による特定少数企業の支援と見る者もいる。生徒自身も「就職したときにデファクトスタンダード(事実上の標準)となっているプロプライエタリ(独自仕様)なソフトウェアを操作できなければ、戦力とはみなされずに勉強し直さなければならない」と考えている場合もあり、この問題の解決は難しい。

現在意匠法の改正案が提出され、デファクトスタンダードであるソフトウェアのインターフェイスデザインを他のソフトウェアが模倣することが違法になる可能性が出てきており、この先も通常教育においてプロプライエタリ(独自仕様)なソフトウェアが使用される可能性は高い。企業においては高等学校新規卒業者の雇用にあたり、事務用ソフトウェアの操作ができない者よりもできる者を優先する動きがあるものの、その簡易な操作方法は職場の実務に並行して習得することも可能である。このため、事務用ソフトウェアの操作方法よりも、むしろ、情報の取り扱い、情報活用情報収集情報処理情報発信など)の基礎について中等教育段階で習得することを求める動きがある。

指導内容の問題

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ハイパーリンクに関して無断リンクを禁止する記述や指導が見られるが、動画サイト、SNS、ブログなどの投稿、著作権、などは指導を要する。

教職課程

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2001( ()[2][3])

20201[4]24()
教育職員免許法施行規則に規定する科目 必履修単位数 科目名事例
情報社会及び情報倫理 1以上 情報社会論知的所有権論
コンピュータ及び情報処理
実習を含む。)
1以上 コンピュータサイエンス入門、コンピュータアーキテクチャプログラムのしくみ、アルゴリズム情報システム学概論I、プログラミング基礎
情報システム
(実習を含む。)
1以上 データベースシステムデータベース技術、情報システムの設計、システム設計演習
情報通信ネットワーク
(実習を含む。)
1以上 コンピュータ概論、コミュニケーション概論、ネットワークセキュリティ
マルチメディア表現及び技術
(実習を含む。)
1以上 ディジタル画像概論、音声情報処理、CGモデリング、CGレンダリング
情報職業 1以上 情報職業論

免許状をめぐる状況

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現場での状況

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教員採用試験での制約

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教員採用試験においては「情報」だけを所有する者の受験を認めない(出願すら出来ない)自治体(例えば東京都では「情報」と数学または理科の免許が必要)が多く、正規採用を受けていない教員においては「情報」を取得後に他教科の免許を追加、あるいは既に免許取得している教科に「情報」を追加することで当該教科の受験機会を得る動きが見られる。

他教科の免許者も「複数教科の免許者有利」の傾向から「情報」を追加取得することが多い。「情報」のみ取得(見込)している状態で受験可能な自治体は受験者が集中し易い。

任用の機会

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入試教科への導入を巡る状況

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AO2006

200618042132007221

2016

1997982006 0813

2025[7]

参考文献

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2004ISBN 4-17-153521-2 

 2000ISBN 4-304-04075-8 

PDF2002https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/020706.htm201412 

関連項目

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脚注

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注釈

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(一)^ Information

(二)^ 

(三)^ 

(四)^ 1

出典

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外部リンク

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