頭部にある神経系の中枢
頭脳から転送)


: brain: Gehirn: cerebrum: εγκέφαλος, enkephalos[1]



3




無脊椎動物の脳

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扁形動物

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プラナリアを典型例とする扁形動物かご状神経系をもち、最前部に卓越した神経節としての脳を有する。プラナリア脳の研究により発見されたFGF受容体蛋白質であるnou-darakeは、頭部以外での脳分化を抑制する機能をもつ。

昆虫

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 (optic lobe)  (central brain) 2 (protocerebrum) (deutocerebrum) (tritocerebrum) 3 (central complex) 



頭足類

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頭足類の脳は食道上塊 (supraesophageal mass) と食道下塊 (subesophageal mass) の2つに分けられ、両者の間には食道が存在する。巨大な視葉はoptic stalkと呼ばれる細い神経束でのみ脳本体に接続しており、脳の一部とみなされないこともあるが、視覚情報処理の多くが視葉でなされているので機能的には脳の一部といえる。

原索動物

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脊椎動物の脳

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ヒト科の動物種(絶滅種も含む)の脳容積
種類 分類 脳容積(ml)
オランウータン ヒト科 411[2]
ゴリラ ヒト亜科 約500[3]
チンパンジー ヒト族 394[2]
アウストラロピテクス・アフリカヌス ヒト亜族 441[2]
ホモ・ハビリス ヒト属 640[2]
ホモ・エルガスター ヒト属 700-1100[3]
ホモ・エレクトス ヒト属 1040[2]
ホモ・ハイデルベルゲンシス ヒト属 1100-1400[3]
ホモ・ネアンデルターレンシス ヒト属 1450[2]
ホモ・サピエンス・サピエンス ヒト属 1350[2]



[4]

ヒトの脳について

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発生

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脳のニューロン細胞

姿[5]

3

1.









2.





3.






解剖

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ヒトの脳の構造: 前頭葉(水色)、頭頂葉(黄色)、側頭葉(緑色)、後頭葉(赤色)、小脳(紫色)、脳幹(灰色)

2%1.21.6300191使1010使100使[6][7][8][9]使

TelencephalonDiencephalon

3

大脳

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ヒトの大脳。前頭葉の一部が切除された状態。
 
大脳新皮質の錐体細胞

Cerebrum使

Cerebral sulciCerebral gyrusNomina anatomica





2,000cm22,500cm223mm[10]Cerebral cortex6[11]2



(ACTH)(TSH)()(GH)調(MSH)尿()

小脳

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3VermisCerebellar hemispheresCerebellar cortex31mm[10]Arbor vitae

脳幹

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 (=brain stem)  (Midbrain)



 ()


循環・代謝

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2%15%20%25%120-150g/[12]GLUT1ATP[13][14][][15][16]βCoA[16]CoATCA[17][18][19][16]




機能

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[20]

性差

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[21][22][23]

質量・容積

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ヒト男性および女性算術平均頭脳容積 (1984年)[24]
  1450 cm3 以上
  1400〜1449 cm3
  1350〜1399 cm3
  1300〜1349 cm3
  1250〜1299 cm3
  1200〜1249 cm3
  1200 cm3 以下
  人が住んでいない

哺乳類では脳容積と体容積がおおむね対数比例する。まず観察される点として、頭蓋骨の大きさは概ね体格に比例し、男性の脳は女性よりも大きく重い。出生時は性別による有意差は無く、男女ともに370〜400グラムである。成人では、男性は1350〜1500グラム、女性では1200〜1250グラムであり、これは体重の約2%にあたる。なお、性差・人種差を除外した同質な人類集団同士の比較では脳の大きさは知能指数相関係数0.4程度の相関があることが知られる。(研究により異なる) 認知能力と脳の大きさの関連について13,600人以上の非常に大きなサンプルを用いて行われた研究では、相関係数は0.19であり、同性間では脳の大きさは認知テストの結果の約2%に影響するが、男女の認知テストの平均スコアには有意な差は見られず、男女の脳の大きさの違いは認知能力の差には繋がらなかった。研究者は脳の質の性差による可能性があるとしている[25]

活動

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ポジトロン断層法によって様々な精神活動の際に脳が働く様子を調べると、男性は主に左半球が、女性は比較的均質に働くとの報告がある。ただしこれをして「女性は左右の脳を満遍なく働かせることができ、男性の脳活動は左脳に依存するところが大きい」とはならない。ポジトロン断層法自体は血流や代謝が増加した部分が集中的に活動したとする仮定の下に行われるものだが、これによる脳活動の測定はあくまで相対的な活動の増大を示すものである。これについても脳機能局在論を参照されたい。

周期性

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大脳半球の左右差

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調

2010[26][27]

脳とコレステロール

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脳の冠状断面
  白質

1/3[28]2-3%2.7%

[28]
 
神経細胞の構造図 en:Dendrites=樹状突起en:Axon=軸索、(以下略)

脳と脂肪酸

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細胞膜は流動性を持ち、脂質や膜タンパクは動いている。この流動性は膜の構成物質で決まる。たとえば、リン脂質を構成する脂肪酸の不飽和度(二重結合の数)に影響され、二重結合を持つ炭化水素が多いほど(二重結合があるとその部分で炭化水素が折れ曲がるので)リン脂質の相互作用が低くなり流動性は増すことになる。例えばドコサヘキサエン酸(DHA)は不飽和度が極めて高く細胞膜の流動性の保持に寄与している。

神経細胞は、軸索樹状突起などの凹凸の多い入り組んだ構造を有しているため、膜成分が極端に多くなっている[29][信頼性要検証]

食材として

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使

BSE

脳研究に関する国家プロジェクト

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近年、先進国を中心に、脳の理解を促進するための大型国家科学プロジェクトが組まれている。

米国の「ブレイン・イニシアチブ」、欧州の「ヒューマンブレインプロジェクト」日本の「革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト(Brain/MINDS)」中国の「チャイナブレインプロジェクト」等がある。

脚注

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出典

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(一)^ . goo. 20191127

(二)^ abcdefg  

(三)^ abc 2012 A [1][]

(四)^      DOI 10.1016/j.devcel.2012.01.004 

(五)^ Newton  20101115 

(六)^ Solan, Matthew (2021101). You don't say? Brain space (). Harvard Health. 20211026

(七)^ The Ten Percent Myth (). www.brainfacts.org. 20211026

(八)^ Debunked: The 10 Percent Brain Myth (). www.brainfacts.org. 20211026

(九)^ Lucy and the 10 Percent Brain Myth (). www.brainfacts.org. 20211026

(十)^ ab  ︿20071020ISBN 978-4-06-257570-6 

(11)^ OB -   -  

(12)^ Vol. 7 (1978) No. 2. doi:10.14921/jscc1971b.7.2_101

(13)^  

(14)^  1994

(15)^  19712010 745-754doi:10.5650/jos1956.20.745

(16)^ abc:  (6) 調Vol. 4 (2001) No. 1. doi:10.11266/jpan1998.4.1_22

(17)^ . . . 20111018

(18)^ ]Vol. 19 (2010) No. 1. doi:10.4010/jln.19.53

(19)^ Manninen AH. Metabolic effects of the very-low-carbohydrate diets: Misunderstood "Villains" of human metabolism. J Int Soc Sports Nutr, 1(2):7-11, 2004. 

(20)^ Wnuk, Alexis. Does having a bigger brain make you smarter? (). www.brainfacts.org. 202342

(21)^ Eileen, Luders; Katherine, Narr; Paul, Thompson; David, Rex; Roger, Woods (August 2005). Gender effects on cortical thickness and the influence of scaling.. Human Brain Mapping 27: 314-324. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16124013. 

(22)^ () Sex difference in the human brain, their underpinnings and implications. Elsevier. (2010-12-03). ISBN 9780444536310. https://books.google.com/books?id=JFpq6hYQRhQC 

(23)^ Stuart, Ritchie; Simon, Cox; Xueyi, Shen; Michael, Lombardo; Lianne, Reus (August 2018). Sex Differences in the Adult Human Brain: Evidence from 5216 UK Biobank Participants. Cerebral Cortex 28: 29592975. https://doi.org/10.1093/cercor/bhy109. 

(24)^ Kenneth L. Beals, Courtland L. Smith, and Stephen M. Dodd. Brain Size, Cranial Morphology, Climate, and Time Machines CURRENT ANTHROPOLOGY V01. 25, NO 3, June 1984 01984 by The Wenner-Gren Foundation for Anthropological Research 0011-320418412503-0003S2 25 (pp. 304).

(25)^ Gideon, Nave; Wi, Jung; Richard, Linnér; Joseph, Kable; Philipp, Koellinger (November 30, 2018). Are Bigger Brains Smarter? Evidence From a Large-Scale Preregistered Study.. Psychological Science 30: 43-54. https://doi.org/10.1177/0956797618808470. 

(26)^ Tamada, A., Kawase, S., et al. (2010). Autonomous right-screw rotation of growth cone filopodia drives neurite turning. J. Cell Biol. 188 (3): p.p.429-441. doi:10.1083. ISSN 0021-9525. jcb.200906043. http://jcb.rupress.org/cgi/content/abstract/188/3/429 2010221. 

(27)^  (201022).   . . pp. 13p24. 2010221

(28)^ ab -  

(29)^ 13001340/6p10

参考文献

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Werner Kahle III5ISBN 4-8306-0026-82003

 (ISBN 97846220888442020)

Brain  - 

関連項目

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外部リンク

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