JR東海311系電車

東海旅客鉄道の直流近郊形電車

311系電車(311けいでんしゃ)は、東海旅客鉄道(JR東海)の直流近郊形電車である。

JR東海311系電車
311系による東海道本線「新快速」
(2019年4月27日)
基本情報
運用者 東海旅客鉄道
製造所 日本車輌製造
日立製作所
近畿車輛
川崎重工業
製造年 1989年 - 1991年
製造数 60両
運用開始 1989年7月9日[1]
主要諸元
編成 4両編成 (2M2T)
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V
最高運転速度 120 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.0 km/h/s
編成定員 314人(立)+236人(席)=550人(新造時)
編成重量 122.7 t (新造時)
全長 20,000 mm
(先頭車: 20,100 mm)
全幅 2,966 mm
全高 3,970 mm
車体 ステンレス (前頭部のみFRP製)
台車 円錐積層ゴム式ボルスタレス台車ヨーダンパ付
C-DT56・C-TR241
主電動機 直流直巻電動機
C-MT61A形
主電動機出力 120 kW / 基
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 16 : 83 (1 : 5.19)
編成出力 960 kW (2M2T)
制御方式 直並列組合せ抵抗制御
界磁添加励磁制御
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ
抑速ブレーキ
保安装置 ATS-ST
ATS-PT
EB装置
TE装置
テンプレートを表示

概要

1989年(平成元年)7月9日ダイヤ改正における金山総合駅の開業およびそれに伴う東海道線新快速快速増発用として設計・開発された[2]。基本設計は同社の211系5000番台に準じているが、快速列車用として座席が転換クロスシートになるなど、一部変更が加えられている。

4両編成15本(60両)が製造された。製造は日本車輌製造日立製作所近畿車輛川崎重工業が担当した。

構造

車体


211 (FRP) 使調100mm[2]

3122

FRP

[2][2]311[3]

車内


調[2][2]910mm622135000使30mm[2]

310JR[2]20073使

 (LED) [2]



C-AU711D (18,000kcal/h) 2[3]C-AU7131996[3]

機器類

C-DT56形台車(モハ310形)
C-TR241形台車(クハ310形)

211120kWC-MT61A14[4]120km/h[2]

[2]C-CS57A[3] (SCV) 2115000[2]

[4]C-DT56C-TR241[2]

[2]110km/h15%[2][2]C-DT56C-TR241[5]AW-2AW-5

311C-PS24A20mmJR[2]

ATS-STATS-PTEBTE

編成


G1 - G5G6 - G13G14G15

19897G5201989G6G5G6G5G6

19902G14158211500060002135000199028
311系 編成表
 

(名古屋駅基準)

← 浜松・武豊・多治見

米原 →

形式 クモハ311
(Mc)
モハ310
(M')
サハ311
(T)
クハ310
(Tc')
編成 G1 1 1 1 1
G15 15 15 15 15

Mc - 制御電動車 / M' - 中間電動車 / T - 中間付随車 / Tc' - 制御車

形式


4

311

 (Mc) [2]

20,100mm2,966mm3,970mm35.3t[2]13356

310

311 (M')  (SCV)  (CP)[2]

20,000mm2,966mm3,970mm33.6t[2]14364

311

 (T) 

31024.2t[2]

310

 (T'c) 

20,100mm2,966mm3,977mm27.2t[2]13152[2]

改造

車椅子スペース整備工事


200315820051712310[3]1

2





[1]

バリアフリー対応改造

313系登場後は311系全車を対象に、2001年(平成13年)から転落防止幌が、2004年(平成16年)10月から2007年(平成19年)7月までにドアチャイムの新設工事が施工された[3]

313系4次車登場後には一部の編成において、同区分からのフィードバックで優先席のヘッドカバーとつり革の黄色のものへの交換・靴ずり部への黄着色追加が行われている。

その他

2006年(平成18年)6月から2008年(平成20年)7月にかけて[3]、パンタグラフを従来のひし形からシングルアーム式パンタグラフ(社内形式 C-PS27A形)へ交換された。2007年11月以降、ATS-PT形の取り付けが行われている[6]

運用

定期列車

 
新快速導入当初の311系

使199911313 - 113
 
使311

20153使20243退

20153使

20223313退20233西[2] - 

臨時列車


西

1989 - [7] - 1991西JR西[3]

廃車


JR211213315[8]202235518G8G12[]519[9]2023214G13[10] 2023620G7814G9[11]

脚注

注釈

  1. ^ 第14・15編成のように完全な固定窓の構造になった。
  2. ^ 代走などで静岡駅まで入線する場合がある。
  3. ^ 313系と異なり、東日本旅客鉄道(JR東日本)管内への乗り入れは定期列車・臨時列車ともない。ただし境界駅塩尻駅へは、臨時列車「ナイスホリデー木曽路」で乗り入れたことがある。

出典



(一)^ JRJR90199081171ISBN 4-88283-111-2 

(二)^ abcdefghijklmnopqrstuvwx341

(三)^ abcdefgJR 2009

(四)^ ab202007778 

(五)^  C-DT56 C-TR241 / JR311

(六)^ 579

(七)^ 74720046 44-51

(八)^ 2020122https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040199.pdf2020122 

(九)^ JR2023202211359ISBN 9784330067223 

(十)^ JR202320235359ISBN 9784330024233 

(11)^ JR2024202311359ISBN 9784330064239 

参考文献

  • 鉄道ファン』、交友社
    • 東海旅客鉄道株式会社車両部車両課「新車ガイド3 311系直流近郊形電車」、通巻341号(1989年9月号)、1989年
    • 付録小冊子「JR車両ファイル2018 JR旅客会社の車両配置表」2018年7月発行号
    • 「JRグループ 車両のデータバンク 2008/2009」、通巻579号(2009年7月号)、2009年
  • 東海旅客鉄道 『東海旅客鉄道20年史』 東海旅客鉄道、2007年
  • 『JR電車編成表 2009冬』、ジェー・アール・アール、2009年

関連項目

外部リンク

  1. ^ 地球環境保全への貢献”. 東海旅客鉄道. 2023年11月29日閲覧。