Microsoft Windows 3.x
Microsoft Windows 3.x(マイクロソフト ウィンドウズ 3.x)は、メジャーバージョン番号が3であるMicrosoft Windowsの総称。Windows 2.xの後継である。2001年12月31日(米国日時)にサポートは終了している。
Windows 3.x | |
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Microsoft Windows ファミリー | |
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開発者 | |
Microsoft | |
リリース情報 | |
リリース日 | 1990年5月22日[1] |
最新の安定版 |
日本語版:3.1(1993年5月)[2] 英語版:3.11(1993年12月)[3] |
ソースモデル | クローズドソース |
ライセンス | Microsoft EULA |
カーネル型 | (3.0) なし / (3.1) ? |
先行品 | Windows 2.0 |
後続品 | Windows 95 |
サポート状態 | |
サポート終了:2001年12月31日(米国日時) ライセンス発行終了:2008年11月1日(米国日時)[4][5] |
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/f6/Microsoft_Windows_3.1_Jpn_box.jpg/220px-Microsoft_Windows_3.1_Jpn_box.jpg)
機能
編集プロテクトモードの恩恵
編集ユーザーインターフェイス
編集マルチメディア
編集ネットワーク / インターネット
編集設定ファイル
編集メモリ容量の最大値
編集32ビットへの限定的な対応
編集Windows NTの登場による32ビットOSへの移行を促す意味もあり、Win32sというドライバ/APIがマイクロソフトから供給された。これはWindows 3.1の386エンハンスドモード上で動作する32bitプログラムのためのドライバ/APIであり(WinNTのAPIであるWin32のサブセットなのでWin32s[要出典])、これによりアプリケーションをWindows 95やWindows NTと共通の32ビットコードでWindows 3.1に供給することが可能になり[42]、初期の32ビットアプリケーションの開発を多少容易にした。
また、ファイルシステムにおいてはBIOSを介した16ビットディスクアクセスが基本的に用いられていたものの、Windows 3.1の386エンハンスドモードでは常設スワップファイルに対してのみ32ビットでのアクセスが可能となった。さらに、Windows for Workgroups 3.11では完全な32ビットディスクアクセスが実現され、ディスクアクセスを高速化させることを可能にした[43]。
システム要件
編集Windows 3.0(英語版)の公式なシステム要件は次のようになっている。
プロセッサ | 8086/8088プロセッサ |
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物理メモリ | 384KBの空きコンベンショナルメモリ(リアルモード)、1MB(スタンダードモード)、2MB(エンハンスドモード)[44] |
ハードディスク | 6-7MBの空き容量 |
MS-DOS | バージョン 3.1以上[3] |
ディスプレイ | CGA、EGA、MCGA、VGA、Hercules、8514/AまたはXGAグラフィック、および互換モニター |
その他 | マイクロソフト互換マウス推奨[45] |
Windows 3.1ではリアルモードが廃止されたため、8086/8088プロセッサ搭載機種は動作対象外になった[46]。
Windows 3.1へのアップグレード
編集Windows 3.1には、Windows 3.0からアップグレードすることができる。また、インストール先ディレクトリを変更すれば旧バージョンと共存することもできる。Windows 2.11以前の場合は新規セットアップを行うことになる。[47]
Windows 3.1から新しいバージョンへのアップグレード
編集開発とリリース
編集Windows 3.0
編集Windows 3.1
編集マイクロソフト日本法人は1991年10月にWindows 3.1日本語版の開発に着手した。Windows 3.0日本語版はセットアップの方法やメニューが難しいという声が上がっていた。また、Windows 3.0日本語版はOEM先によって別々の日本語入力システム、プリンタードライバ、フォントが供給されていたため、同じWindowsアプリケーションでも機種間の完全な互換性を保証できないという問題が生じた。そこでWindows 3.1日本語版では標準で日本語入力システム﹁MS-IME﹂を供給。また、Windows標準の日本語フォントをリコーと共同開発し、プリンタードライバについては各メーカーの開発をサポートして公開前に互換性を確認していた。Windows 3.1日本語版のベータ版は3回で累計6000本出荷され、ユーザーのフィードバックを基に1600の改善が施された。発売は当初の予定であった1992年5月から1992年秋、1993年5月となり、大幅に遅れることになった。開発には5億円が費やされた[57][62]。 日本語版開発の遅れに対して、世間では﹁PC-9800シリーズへの移植作業に手間取っているため。﹂﹁Windows 3.0日本語版の開発者が引き抜かれたため。﹂といった憶測が飛び交った[63]。コンパックは1992年10月に低価格486機のProLinea 4/25sをDOS/Vパソコンとして発売したが、後のインタビューでは﹁Windows 3.1と登場するはずだった。﹂とコメントした[64]。 1993年5月12日に日本電気からPC-9800シリーズ用、5月18日にマイクロソフトからPC-9800シリーズ用とMS-DOS 5.0/V用が発売された[2]。その直後の5月19日より東京国際見本市会場で開催されたビジネスシヨウや、6月16日より幕張メッセで開催されたWindows World Expo Tokyoでは、パソコンメーカー各社がこぞってWindows 3.1プリインストールパソコンを展示した[57]。 Windows 3.0からの主な変更点は、動作の高速化やセットアップの簡便化に加え、以下の点が挙げられる。[46][65][66]
その他のバージョン
編集反響
編集売れ行きと評価
編集Windows 3.0
編集Windows 3.1
編集OS/2とIBMとの対立
編集なお、マイクロソフト日本法人と日本IBMはDOS/Vの営業で協力関係にあり[95]、1993年12月にもMS-DOS 6.2/VとPC DOS J6.1/Vを共同記者会見で発表するなど[96]、良好な関係をアピールした。
日本でのPC/AT互換機市場
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/7b/Readers_interested_PC_by_machines_in_Japan_1993.png/220px-Readers_interested_PC_by_machines_in_Japan_1993.png)
後継バージョンへの移行
編集1995年8月に発売されたWindows 95はそれまでパソコンに興味を持たなかった人々の関心を集め、個人市場の開拓に成功した。企業でもWindows 95を要望する従業員の声を聞き入れて買い換えを支援する動きが見られた。日経パソコンが1996年2月に日本の企業110社に対して行った調査では、Windows 95の「導入予定あり」が64%、「未定」が42%、「導入予定なし」が4%となった。「Windows 95の導入をどのように進めていくか」の問いに対して、「新規に導入したパソコンを中心に徐々に移行する」が30%となったものの、「既存のパソコンを含めて積極的に切り替える」はわずか8%に留まり、既存環境の移行には慎重な姿勢が見られた。「Windows 95の導入で、特に問題が多かった項目は」の問いに対しては、「MS-DOS対応やWindows 3.1対応ソフトの動作」(39%)、「既存のネットワークやデータベースとの接続」(35%)、「インストール関連」(32%)となった。[108]
マイクロソフトはOffice 95やVisual Basic 4.0など、自社製品のWindows 3.1に対するサポートをまもなく打ち切った。しかし、1996年度にIDCが行ったデスクトップOS選択率の調査では、Windows 95が62.9%、Windows 3.1/3.11が17.4%となり、データクエストが米国の大企業を対象に行った調査では、マイクロソフト社製OS利用者のうち86%がWindows 3.1/3.11を使用していると報告した。あるソフトウェア・エンジニアは「マイクロソフトはまだ多くの3.1が使われていることを把握しているが、早くすべてを移行してそれを忘れることを望んでいる。」とコメントした。[109]
1999年に日経パソコンが日本の企業を中心に行った調査では、Windows 95の使用率が79.7%にのぼり、Windows 3.1の使用率は6.2%となった。[110]
出荷本数の推移
編集- Windows 3.0(全世界)
- Windows 3.0(日本)
- Windows 3.1(全世界)
- Windows 3.1(北米)
- 1995年5月26日 - 発売から50日で100万本販売[117]
- Windows 3.1(日本)
脚注
編集注釈
編集出典
編集参考文献
編集外部リンク
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