コンテンツにスキップ

「かぐや姫 (1935年の映画)」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
履歴の双方向閲覧
← 古い編集
削除された内容 追加された内容
ビジュアルウィキテキスト
m Bot作業依頼#Cite webの和書引数追加
 
(2人の利用者による、間の2版が非表示)
65行目: 65行目:

== フィルムの再発見 ==

== フィルムの再発見 ==

本作は封切り以降の上映記録がなかったことに加え、フィルムの所在も不明だった{{R|Asahi20210708}}。2015年5月、イギリスの映画史研究家から[[英国映画協会]] (BFI) に本作の可燃性ポジフィルムについての情報が寄せられる{{R|ORICON20210707|SCREEN20210708}}{{efn|朝日新聞の記事では、イギリスの研究家がBFIのカタログに本作のタイトルがあることを知ったとされている{{R|Asahi20210708}}。}}。同年10月、[[国立映画アーカイブ]]の研究員がBFIの保存センターにあったフィルムを調査し、本作の短縮版であると認定する{{R|ORICON20210707|SCREEN20210708||Asahi20210708}}。それから6年間、BFIとの交渉を経て、この短縮版を不燃化したフィルムが日本で上映されることとなった{{R|ORICON20210707|SCREEN20210708}}。

本作は封切り以降の上映記録がなかったことに加え、フィルムの所在も不明だった{{R|Asahi20210708}}。2015年5月、イギリスの映画史研究家から[[英国映画協会]] (BFI) に本作の可燃性ポジフィルムについての情報が寄せられる{{R|ORICON20210707|SCREEN20210708}}{{efn|朝日新聞の記事では、イギリスの研究家がBFIのカタログに本作のタイトルがあることを知ったとされている{{R|Asahi20210708}}。}}。同年10月、[[国立映画アーカイブ]]の研究員がBFIの保存センターにあったフィルムを調査し、本作の短縮版であると認定する{{R|ORICON20210707|SCREEN20210708||Asahi20210708}}。それから6年間、BFIとの交渉を経て、この短縮版を不燃化したフィルムが日本で上映されることとなった{{R|ORICON20210707|SCREEN20210708}}。

== その他 ==

後に『 [[竹取物語 (1987年の映画)]]』の監督を担当する[[市川崑]]は、当時J.O.スタヂオでアニメーターをしており、同じ撮影所内で作業をしていた関係から、毎日のように主題歌を聞かされていたという<ref>『完本市川崑の映画たち』、2015年11月発行、市川崑・森遊机、洋泉社、P350</ref>。



== 脚注 ==

== 脚注 ==
74行目: 78行目:

|refs=

|refs=

<ref name=JMDb>{{jmdb title|1935|id=bk004090|title=かぐや姫}}</ref>

<ref name=JMDb>{{jmdb title|1935|id=bk004090|title=かぐや姫}}</ref>

<ref name="Asahi20210708">{{Cite web|title=若き日の円谷英二、幻の映画 １９３５年「かぐや姫」短縮版、英で発見 東京で９月上映|url=https://www.asahi.com/articles/DA3S14967015.html|website=朝日新聞デジタル|accessdate=2021-07-08|date=2021年7月8日|author=小原篤}}</ref>

<ref name="Asahi20210708">{{Cite web|和書|title=若き日の円谷英二、幻の映画 １９３５年「かぐや姫」短縮版、英で発見 東京で９月上映|url=https://www.asahi.com/articles/DA3S14967015.html|website=朝日新聞デジタル|accessdate=2021-07-08|date=2021年7月8日|author=小原篤}}</ref>

<ref name="ORICON20210707">{{Cite web|title=『ウルトラマン』生みの親・円谷英二氏、幻の映画『かぐや姫』発見 イギリスで|url=https://www.oricon.co.jp/news/2199268/full/|website=ORICON NEWS|accessdate=2021-07-08|date=2021-07-07}}</ref>

<ref name="ORICON20210707">{{Cite web|和書|title=『ウルトラマン』生みの親・円谷英二氏、幻の映画『かぐや姫』発見 イギリスで|url=https://www.oricon.co.jp/news/2199268/full/|website=ORICON NEWS|accessdate=2021-07-08|date=2021-07-07}}</ref>

<ref name="SCREEN20210708">{{Cite web|title=円谷英二 生誕120年記念特別イベントレポート。失われた幻の映画『かぐや姫』85年ぶりの奇跡の凱旋上映決定!|url=https://screenonline.jp/_ct/17465638|website=SCREEN ONLINE|accessdate=2021-07-08|date=2021-07-08}}</ref>

<ref name="SCREEN20210708">{{Cite web|和書|title=円谷英二 生誕120年記念特別イベントレポート。失われた幻の映画『かぐや姫』85年ぶりの奇跡の凱旋上映決定!|url=https://screenonline.jp/_ct/17465638|website=SCREEN ONLINE|accessdate=2021-07-08|date=2021-07-08}}</ref>

<ref name=allcinema>{{allcinema title|86896|かぐや姫(1935)}}</ref>

<ref name=allcinema>{{allcinema title|86896|かぐや姫(1935)}}</ref>

<ref name=kinenote>{{Kinejun title|65687|かぐや姫}}</ref>

<ref name=kinenote>{{Kinejun title|65687|かぐや姫}}</ref>
94行目: 98行目:

* {{Kinejun title|65687|かぐや姫}}

* {{Kinejun title|65687|かぐや姫}}

* {{imdb title|0025339|Princess Kaguya}}

* {{imdb title|0025339|Princess Kaguya}}

* [https://www.japanese-cinema-db.jp/Details?id=23318 かぐや姫] - 日本映画情報システム

* [https://www.japanese-cinema-db.jp/Details?id=23318 かぐや姫] - 日本映画情報システム {{Wayback|url=https://www.japanese-cinema-db.jp/Details?id=23318|date=20211006085323}}

* {{NFAJ|110734|かぐや姫}}


{{DEFAULTSORT:かくやひめ}}

{{DEFAULTSORT:かくやひめ}}

2023年10月3日 (火) 10:40時点における最新版

かぐや姫
Princess Kaguya

ポスター

監督 田中喜次[1][2][3][4][5]
脚本 J.O.企画部[3][4][5]
原作 J.O.企画部[3][4]
出演者 汐見洋
音楽 宮城道雄[3][4][5]
撮影 円谷英二[2][6][1][3][4]
製作会社 J.O.スタヂオ[7]
配給 東和商事映画部[8][3]
公開 日本の旗1935年11月21日[7][注釈 1]
上映時間 75分[8]
33分（短縮版）[1]
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

﹃かぐや姫﹄︵かぐやひめ︶は、1935年に公開された田中喜次監督の日本映画[7]。モノクロ[3][5]、スタンダード[3][5]。

新日本音楽映画と銘打たれたJ.O.スタヂオによる第2回作品[9]。﹃竹取物語﹄を原作とした本作は、特撮の分野に進出する前の円谷英二が参加したことで知られている[2][6]。

スタッフ[編集]


●監督 - 田中喜次[2][6][3][4][5]
●演技指導 - 青柳信雄[7]
●脚本 - J.O.企画部[8][3][4][5]
●原作 - J.O.企画部[8][3][4]
●撮影 - 円谷英二[2][6][1][3][4][5]
●音楽 - 宮城道雄[6][3][4][5]
●美術 - 松岡映丘[8][10][3][5]
●録音 - 万宝圭介[10][3][5]
このほかにも、政岡憲三が人形アニメーションを担当したが[9]、後述する短縮版ではこのパートがカットされている[1]。

キャスト[編集]


●北澤かず子 - かぐや姫[8]
●汐見洋 - 翁[8]
●東日出子 - 媼︵おうな、翁の妻︶[8][10]
●藤山一郎 - 造麿[8]
●北沢彪[8][3]
●横尾泥海男[11] - 宰相[10]
●徳山璉[11] - 宰相の息子・太麿[10]
●藤輪欣司 - 宰相の息子・細身[10]

制作[編集]


本作では特殊効果が用いられており、例えば切った竹の中から小さな女の子が顔を出す場面は合成によるものである[1]。また、船が嵐に遭う場面では特殊撮影が用いられている[1]。

日本国外での上映[編集]


1936年、ロンドン日本協会がイギリス人や現地法人向けの上映会を企画し、在英日本大使館に﹁日本の童話や伝説を題材とした映画を用意してほしい﹂と依頼する[2][6]。外務省は大使館から相談を受けた後、国際映画協会に選定を委託する。そして、本作のイギリス行きが決まり、国際映画協会の監修で短縮版が制作された[2][6]。

フィルムの再発見[編集]


本作は封切り以降の上映記録がなかったことに加え、フィルムの所在も不明だった[1]。2015年5月、イギリスの映画史研究家から英国映画協会 (BFI) に本作の可燃性ポジフィルムについての情報が寄せられる[2][6][注釈 2]。同年10月、国立映画アーカイブの研究員がBFIの保存センターにあったフィルムを調査し、本作の短縮版であると認定する[2][6][1]。それから6年間、BFIとの交渉を経て、この短縮版を不燃化したフィルムが日本で上映されることとなった[2][6]。

その他[編集]


後に﹃ 竹取物語 (1987年の映画)﹄の監督を担当する市川崑は、当時J.O.スタヂオでアニメーターをしており、同じ撮影所内で作業をしていた関係から、毎日のように主題歌を聞かされていたという[12]。



脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 資料によっては、「11月11日」と記述している[3][4][5]。
  2. ^ 朝日新聞の記事では、イギリスの研究家がBFIのカタログに本作のタイトルがあることを知ったとされている[1]。

出典[編集]



(一)^ abcdefghij小原篤 (2021年7月8日). “若き日の円谷英二、幻の映画 １９３５年﹁かぐや姫﹂短縮版、英で発見 東京で9月上映”. 朝日新聞デジタル. 2021年7月8日閲覧。

(二)^ abcdefghij“﹃ウルトラマン﹄生みの親・円谷英二氏、幻の映画﹃かぐや姫﹄発見 イギリスで”. ORICON NEWS (2021年7月7日). 2021年7月8日閲覧。

(三)^ abcdefghijklmnopq東宝特撮映画全史 1983, p. 543, ﹁東宝特撮映画作品リスト﹂

(四)^ abcdefghijkゴジラ画報 1999, p. 236, ﹁東宝製作・配給︿分野映画﹀65年史 作品年表﹂

(五)^ abcdefghijklキャラクター大全ゴジラ 2014, p. 35, ﹁東宝特撮映画リストACT.1﹂

(六)^ abcdefghij“円谷英二 生誕120年記念特別イベントレポート。失われた幻の映画﹃かぐや姫﹄85年ぶりの奇跡の凱旋上映決定!”. SCREEN ONLINE (2021年7月8日). 2021年7月8日閲覧。

(七)^ abcdかぐや姫 - KINENOTE

(八)^ abcdefghijかぐや姫(1935) - allcinema

(九)^ abキャラクター大全ゴジラ 2014, p. 33, ﹁1932-1954 東宝特撮映画の黎明﹂

(十)^ abcdefPrincess Kaguya - IMDb︵英語︶

(11)^ abかぐや姫 - 日本映画データベース

(12)^ ﹃完本市川崑の映画たち﹄、2015年11月発行、市川崑・森遊机、洋泉社、P350

参考文献[編集]


●﹃東宝特撮映画全史﹄監修 田中友幸、東宝出版事業室、1983年12月10日。ISBN 4-924609-00-5。 
●﹃ゴジラ画報 東宝幻想映画半世紀の歩み﹄︵第3版︶竹書房、1999年12月24日︵原著1993年12月21日︶。ISBN 4-8124-0581-5。 
●﹃ゴジラ 東宝特撮映画全史﹄講談社︿キャラクター大全﹀、2014年7月15日。ISBN 978-4-06-219004-6。 

外部リンク[編集]


●かぐや姫(1935) - allcinema
●かぐや姫 - 日本映画データベース
●かぐや姫 - KINENOTE
●Princess Kaguya - IMDb︵英語︶
●かぐや姫 - 日本映画情報システム アーカイブ 2021年10月6日 - ウェイバックマシン
●かぐや姫 - 国立映画アーカイブ
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=かぐや姫_(1935年の映画)&oldid=97230644」から取得