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{{otheruseslist|エジプト神話に登場する冥界の神|ゲーム作品およびその登場兵器|ZONE OF THE ENDERS|小惑星|アヌビス (小惑星)}} |
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{{Infobox deity |
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|type = Egyptian |
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[[Image:Anubis standing.svg|right|150px|thumb|アヌビス]] |
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|name = アヌビス<br/>Anubis |
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|image = Anubis standing.svg |
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'''アヌビス''' ('''Anubis''' 、[[エジプト語]]ラテン文字転写:inpu 、{{lang-grc|Ἄνουβις}} (Ánūbis)) は[[エジプト神話]]に登場する[[冥界]]の神で、[[アスユート|リコポリス]]の守護神。「聖地の主人」(nb-ta-djsr)、「自らの山に居る者」(tpi-dju=f)、「ミイラを布で包む者」(imiut)などの異名を持つ。 |
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|deity_of = {{small|冥界の神、死神、ミイラ作りの神}} |
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|hiro = <hiero>i-n:p-w-C6</hiero><br />または<br /><hiero>i-n:p-w-E16</hiero> |
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|symbol = ミイラの包帯、[[ジャッカル]] |
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|consort = [[アンプト]] |
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{{Egyptian mythology}} |
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'''アヌビス'''('''Anubis''', [[エジプト語]]ラテン文字転写:inpu, {{lang-grc|Ἄνουβις}} (Ánūbis)、アヌービス)は、[[エジプト神話]]に登場する[[冥界]]の[[神]]で、[[アシュート|リコポリス]]の[[守護神]]。「聖地の主人」(nb-ta-djsr)、「自らの山に居る者」(tpi-dju=f)、「ミイラを布で包む者」(imiut)などの異名を持つ。 |
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== 概要 == |
== 概要 == |
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エジプトの中でも比較的に古い時期から崇拝されていたミイラづくりの神であり、[[アフリカンゴールデンウルフ]]の頭部を持つ半獣もしくはオオカミそのものの姿で描かれた。{{efn|従来は[[キンイロジャッカル]]がアヌビスのモデルとなる動物だと考えられていたが、キンイロジャッカルのうちアフリカに生息するものはジャッカルよりもオオカミに近い種であると判明し、2015年にアフリカキンイロオオカミ([[アフリカンゴールデンウルフ]])へと再分類された。}}<br />これは古代エジプトにおいて、墓場の周囲を徘徊する犬またはオオカミの様子を見て、死者を守ってくれているのだと考えられたからである。また、そもそもアヌビスはセトのモデルとなった動物と同じく、オオカミや犬と似てはいるが現在は絶滅してしまった別の[[イヌ科]]の動物や想像上の動物がモデルであるとする説もある。その身体は[[ミイラ]]製造時に防腐処理のために遺体に[[タール]]を塗りこみ黒くなるのに関連して真っ黒だった。 |
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{{Hiero|アヌビス|<hiero>i-n:p-w-C6</hiero><br />または<br /><hiero>i-n:p-w-E16</hiero>|align=right|era=egypt}} |
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エジプトの中でも比較的に古い時期から崇拝されていた神でミイラづくりの神であり、[[犬]]または[[ジャッカル]]の頭部を持つ半獣もしくはジャッカルそのものの姿で描かれた。これは古代エジプトにおいて、死肉を求めて墓場の周囲を徘徊する犬またはジャッカルの様子を死者を守ってくれているのだと勘違いしたと考えられたからである。また、そもそもアヌビスはセトのモデルとなった動物と同じく、ジャッカルや犬と似てはいるが現在は絶滅してしまった別の[[イヌ科]]の動物やまったくの想像上の動物であるとする説もある。その身体は[[ミイラ]]製造時に防腐処理のために遺体に[[タール]]を塗りこみ黒くなるのに関連して真っ黒だった。 |
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===エジプト神話=== |
=== エジプト神話 === |
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アヌビスは、[[セト]]の妻にして妹である[[ネフティス]](この女神も死者やミイラとの関連が深い)が兄の[[オシリス]]との不倫によって身篭もった子で、セトが敵視していたオシリスの子であるから誕生後はすぐにネフティスによって葦の茂みに隠された。 |
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アヌビスは[[セト]]と[[ネフティス]]の息子。オシリスがセトに殺された時はオシリスの遺体に防腐処理を施してミイラにしたとされ、そのためアヌビスはミイラ作りの監督官とされ、実際にミイラを作ったり死者を冥界へと導く[[祝詞]]をあげたりする際にアヌビスの[[仮面]]を被って作業が行われた(このミイラ製造に携わる仮面をかぶった職人ないし[[神官]]は'''ストゥム'''と呼ばれた)。ひいては医学の神ともされている。また死んだ人間の[[魂]](バー)を速やかに冥界へと運ぶために足がとても速いとされる。 |
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オシリスがセトに殺された時はオシリスの遺体に防腐処理を施してミイラにしたとされ、そのためアヌビスはミイラ作りの監督官とされ、実際にミイラを作ったり死者を冥界へと導く[[祝詞]]をあげたりする際にアヌビスの[[仮面]]を被って作業が行われた(このミイラ製造に携わる仮面をかぶった職人ないし[[神官]]は'''ストゥム'''と呼ばれた)。ひいては医学の神ともされている。また死んだ人間の[[魂]](バー)を速やかに冥界へと運ぶために足がとても速いとされる。 |
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[[File:Opening of the mouth ceremony.jpg|right|250px|thumb|「死者の書」に描かれたアヌビス <ref>大英博物館所蔵 フネフェルのパピルス 第一章葬送の場面 墓の前で「開口の儀」を受けている死者のミイラを後ろから抱いて立たせているアヌビス</ref>]] |
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またオシリスが冥界[[アアル]]の王となる以前の冥界を支配、管理しておりオシリスが冥界の王となった後も彼を補佐して[[ラー]]の[[天秤]]を用いて死者の罪を量る役目を担い、その様子は『[[死者の書 (古代エジプト)|死者の書]]』や墓の壁面などに描かれている。 |
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[[ファイル:Tutanhkamun jackal.jpg|thumb|right|200px|カイロ博物館のアヌビス像]] |
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またオシリスが冥界[[アアル]]の王となる以前の冥界を支配、管理しておりオシリスが冥界の王となった後も彼を補佐して[[ラー]]の[[天秤]]を用いて死者の罪を量る役目を担い、その様子は[[死者の書 (古代エジプト)|死者の書]]や墓の壁面などに描かれている。 |
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[[ファイル:Anubis attending the mummy of Sennedjem.jpg|thumb|right|300px|死者のミイラを作っているアヌビス像 <ref>ルクソール西岸 センネジェムの墓に描かれた壁画</ref>]] |
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== その他 == |
== その他 == |
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エジプトがプトレマイオス朝にギリシアに併合されてからは、エジプト神話とギリシア美術との融合がおこった。これはインド |
エジプトが[[プトレマイオス朝]]にギリシアに併合されてからは、エジプト神話とギリシア美術との融合がおこった。これはインドやアフガニスタンでガンダーラ美術が発生したのと同様である。[[バチカン美術館]]にはヘレニズム化されたアヌビス像があり、ギリシア神話の智慧の神ヘルメスと融合して、ヘルマニビスともいわれる。
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[[ファイル:VaticanMuseums Egyptian God Statue.jpg|thumb|300px|アヌビス像(バチカン美術館]] |
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== ギャラリー == |
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Image:Opening of the mouth ceremony.jpg|{{small|﹃死者の書﹄に描かれたアヌビス{{efn|大英博物館所蔵﹃[[フネフェル|フネフェルのパピルス]]﹄第一章葬送の場面 墓の前で﹁開口の儀﹂を受けている死者のミイラを後ろから抱いて立たせているアヌビス。}}。}}
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Image:Anubis attending the mummy of Sennedjem.jpg|{{small|死者のミイラを作っているアヌビス像{{efn|ルクソール西岸 センネジェムの墓に描かれた壁画。}}。}}
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Image:Tutankhamun jackal.jpg|{{small|[[カイロ博物館]]のアヌビス像}} |
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Image:VaticanMuseums Egyptian God Statue.jpg|{{small|アヌビス像([[バチカン美術館]])}} |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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=== 注釈 === |
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{{Notelist}} |
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=== 出典 === |
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== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
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* [[矢島文夫]] 文 遠藤紀勝 写真 『カラー版 死者の書―古代エジプトの遺産パピルス』社会思想社、1986年、ISBN 978-4390602853 |
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* [[矢島文夫]] 文 遠藤紀勝 写真 『カラー版 死者の書―古代エジプトの遺産パピルス』社会思想社、1986年、ISBN 978-4-390-60285-3 |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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* [[アヌビスヒヒ]] (Papio anubis) (犬のような頭部を持つ[[ヒヒ]]) |
* [[アヌビスヒヒ]] (Papio anubis) (犬のような頭部を持つ[[ヒヒ]]) |
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* [[アヌビスゾウカブト]] (Megasoma anubis) |
* [[アヌビスゾウカブト]] (Megasoma anubis) |
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* [[月面のアヌビス]] (ゲームソフト。パッケージ裏にアヌビスの解説が記載されている) |
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* [[ジャッカル]] |
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{{エジプト神話}} |
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{{DEFAULTSORT:あぬひす}} |
{{DEFAULTSORT:あぬひす}} |
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[[Category:エジプト神話の神]] |
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[[zh:阿努比斯]] |
2024年3月30日 (土) 09:59時点における最新版
アヌビス Anubis | |||||||||||
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冥界の神、死神、ミイラ作りの神 | |||||||||||
![]() | |||||||||||
ヒエログリフ表記 |
または
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信仰の中心地 | リコポリス、シノポリス | ||||||||||
シンボル | ミイラの包帯、ジャッカル | ||||||||||
配偶神 | アンプト | ||||||||||
親 | セト、ネフティス、オシリス | ||||||||||
兄弟 | ウプウアウト | ||||||||||
子供 | ケベチェト |
エジプト神話 |
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太陽神 |
ラー (ケプリ) アメン(アモン) - アテン |
エネアド (ヘリオポリス) |
ラー (ケプリ) ヌン - アトゥム シュー - テフヌト ゲブ - ヌト オシリス - イシス セト - ネフティス (ホルス - アヌビス) |
メンピス (メンフィス) |
プタハ - セクメト ネフェルトゥム |
オグドアド (ヘルモポリス) |
ヌン - アメン(アモン) クク - フフ (トート) |
テーベ (ルクソール) |
アメン(アモン) - ムト (モンチュ - アテン) |
その他 |
ネイト - クヌム - バステト セベク - レネネト ハトホル - コンス |
主な神殿・史跡 |
タップ・オシリス・マグナ神殿 デンデラ神殿複合体 カルナック神殿 ルクソール神殿 エドフ神殿 コム・オンボ神殿 フィラエ神殿 アブ・シンベル神殿 |
概要[編集]
エジプトの中でも比較的に古い時期から崇拝されていたミイラづくりの神であり、アフリカンゴールデンウルフの頭部を持つ半獣もしくはオオカミそのものの姿で描かれた。[注釈 1] これは古代エジプトにおいて、墓場の周囲を徘徊する犬またはオオカミの様子を見て、死者を守ってくれているのだと考えられたからである。また、そもそもアヌビスはセトのモデルとなった動物と同じく、オオカミや犬と似てはいるが現在は絶滅してしまった別のイヌ科の動物や想像上の動物がモデルであるとする説もある。その身体はミイラ製造時に防腐処理のために遺体にタールを塗りこみ黒くなるのに関連して真っ黒だった。エジプト神話[編集]
アヌビスは、セトの妻にして妹であるネフティス︵この女神も死者やミイラとの関連が深い︶が兄のオシリスとの不倫によって身篭もった子で、セトが敵視していたオシリスの子であるから誕生後はすぐにネフティスによって葦の茂みに隠された。 オシリスがセトに殺された時はオシリスの遺体に防腐処理を施してミイラにしたとされ、そのためアヌビスはミイラ作りの監督官とされ、実際にミイラを作ったり死者を冥界へと導く祝詞をあげたりする際にアヌビスの仮面を被って作業が行われた︵このミイラ製造に携わる仮面をかぶった職人ないし神官はストゥムと呼ばれた︶。ひいては医学の神ともされている。また死んだ人間の魂︵バー︶を速やかに冥界へと運ぶために足がとても速いとされる。 またオシリスが冥界アアルの王となる以前の冥界を支配、管理しておりオシリスが冥界の王となった後も彼を補佐してラーの天秤を用いて死者の罪を量る役目を担い、その様子は﹃死者の書﹄や墓の壁面などに描かれている。その他[編集]
エジプトがプトレマイオス朝にギリシアに併合されてからは、エジプト神話とギリシア美術との融合がおこった。これはインドやアフガニスタンでガンダーラ美術が発生したのと同様である。バチカン美術館にはヘレニズム化されたアヌビス像があり、ギリシア神話の智慧の神ヘルメスと融合して、ヘルマニビスともいわれる。ギャラリー[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
参考文献[編集]
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- 矢島文夫 文 遠藤紀勝 写真 『カラー版 死者の書―古代エジプトの遺産パピルス』社会思想社、1986年、ISBN 978-4-390-60285-3